2008年10月23日

日本の省エネは脆弱なシステムを作り上げてしまったのでは?

姉妹ブログ『ん!-ピークオイル時代を語ろう-』の中で紹介したものをそのまま、こちらにも転載しておきます。
日本でもEUなどで行われている政治のリーダーシップがないとどうなるか、ということを省エネを題材に説明したものとなっているでしょう。

−−−
なぜ市場に任せるのではなく需要側政策が必要か(完結編)

2008-10-14

 (初出10月4日)

オイルドラムより
「需要の崩壊で、より脆弱になるシステム」という記事がありました。
Oil Demand Destruction & Brittle Systems
http://www.theoildrum.com/node/4411
 から全体を無断仮訳しておきます。
−−−−
 昨年米国は日産数十万バレル分もの需要を削減させたのだから、我々は今や供給量の中断にそれほど敏感ではなくなっていると、オイルドラムや他所で多くのコメントを私は受け取ってきた。

 一般的には、自分自身が効率を上げ「浪費的な」石油消費を止めることによって、石油供給の中断や、信頼できない海外の石油に依存することから自分自身を切り離すことが可能だ、という感覚を人々はもっている。

 私の意見ではこれは逆だ。この記事では、自由市場経済の中では需要の中でも最も削減しやすい需要がまず崩壊するため、結果として需要側はより弾力性がなくなり、より脆弱になり、より供給の中断によるシステミックな(組織的、系統的)ショックを受けやすくなるのだ、ということを議論しよう。

 まずは、システムをレジリエント(回復力がある)にしたりブリトル(脆弱)にするものは何なのか、を議論しよう。そしてなぜ、市場に導かれる需要崩壊ではシステムがより脆弱になってしまうのかを説明しよう。

そしてエネルギー供給が減少する近未来における、エネルギーで動く我らの経済の回復力をどうやって増やせるかについての考察を最後に述べよう。

demand_elasticity.png
図1.需要崩壊の後の、各要素の弾性値
 市場主導の需要崩壊の理論モデル 最も高い弾性値の需要がまず崩壊するという理論を示したもの。
残る需要が全体としてより弾性的ではなくなっていく結果となる。Eの値は、相対的な弾性率であり、実際の需要に対する価格弾性値の意味ではない。

何がシステムをレジリエント(回復力がある)にしたりブリトル(脆弱)にするのか?

 ショックを効果的に吸収できないなら、そのシステムは脆弱である。トランポリンの網と窓の板ガラスを比べてみよう。板ガラスは動かないままで、かなりのショックを受け止めることができるが、ある点でもう吸収できなくなり割れる。これは脆弱という。
 これに比べトランポリンの網はもっと小さな衝撃でも動くが、変形して伸びることで、ガラスが破壊するよりもはるかに強い応力がかかるまでは壊れ(裂け)ない。トランポリンは回復力がある。この「脆弱」と「回復力」は経済と金融市場にも同じように当てはまる。

脆弱なシステムの問題

 経済や金融のシステムが脆弱なときには、ショックや続く応力、つまり例えば地政学的な石油供給の中断や地質学的なピークオイルという圧迫する問題の衝撃を吸収できる度合いは少ない。
 システムに回復力があるときには、そのような衝撃を吸収し、下位のシステムに応力を緩和したり、なくすための再編のための時間を稼ぐことができる。
 しかしシステムが脆弱なときは、元の形に跳ね返る点を越え、粉々になりやすい。経済システムが粉々になるとき、「崩壊」と呼ばれるが、システムは不況と分解の下方螺旋に入る。これは脆弱なグローバル経済システムに圧力をかけ、結果として経済や社会の崩壊にすらつながりかねない、その触媒となるピークオイルの悪影響についての「最悪ケースシナリオ」の一つである。

 このため、何が我々の経済システムを脆弱にしたり回復力があるようにするのか、そしてどのようにすれば個人の経済選択や政治/政策選択がシステムの性格に影響を与えることができるかを理解することは重要である。
 この記事では、特にどのように原油の需要崩壊がシステムの石油需要の弾性値を変えるか、そしてどのようにそれが我々の経済システムをより脆弱にしていくかを見ていこう。

なぜ需要の崩壊がより脆弱なシステムを作り上げてしまうのか

 この理論の基本的なメカニズムは、石油の消費の削減を強いられたとき、個人と集団としての市場は最も自由裁量の効く需要から削減するということだ。その結果、個人と企業、経済にとって、一単位の石油で生み出されるGDPや生活の質で測った時により価値があるものが残った消費になるだろう。
 この残った需要はより非弾性的である。家庭であれ産業であれ、国であれ、その石油の需要がより非弾性的になるにつれ、より供給の中断にさらされやすくなる。

 例えば、アメリカ経済は2007年に約2千万バレル/日を消費したが、例えば(イラン戦争のような)地政学的な5百万バレル/日の一時的な減少に対しては、需要崩壊により1千万バレル/日しか消費しなくなった未来のアメリカ経済よりも脆弱ではないのだ。
 そのわけは、未来のアメリカ経済はもっとも価値が低くもっとも自由裁量が効く1千万バレル/日分の消費を削減してしまっており、残りの1千万バレル/日分の需要はより減らしにくいからだ。

(以下、追加部分)続きを読む


posted by おぐおぐ at 20:53 | TrackBack(0) | 省エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月17日

騙された〜クッソー製紙会社め

 TBSの取材チームが日本製紙の内部告発メールを期に始めた調査で分かった、再生紙はがきの偽装(40%古紙混合との契約が実態は1%ほど)はショッキングでしたが、それに留まらず、古紙100%と表示されているコピー用紙が最大11〜59%程度しか古紙を混入していなかった、という衝撃的な事実が明らかになっています。

 エコ偽装、環境偽装という表現が出てきていますがほんとうにそうだと思います。
温暖化対策という観点からも、製紙業界は4大エネルギー消費産業でありながら、精一杯の対策を行っている、というアピールが、高い古紙の再利用率として示されていました。
ですが、古紙100%のコピー用紙なんて満足できる品質のものが作れないんだ、という告白を社長がしてしまうというと・・・。

 某武田教授のPETボトル批判と同じように、ほんとうに古紙のリサイクルが単なるムダであり、紙の消費量自体の大幅削減を目指すべきだったのではないか、と改めて検証しなおすべきでしょう。
 昔々JATAN(熱帯林行動ネットワーク)のスタッフをしていて、紙問題に少し少なからず首を突っ込んだ身としては・・・企業の言い分をもっと疑ってみるべきでした、甘ちゃんでした、スンマセン。
 製紙業界の統計全部が信用できなくなったように思ってしまいます。続きを読む
posted by おぐおぐ at 11:46 | TrackBack(2) | 省エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月23日

コミュニティ・ソリューションズのDVD

「ん!」の方で書きましたが、
 第4回ピークオイル&コミュニティ・ソリューションの講演会のDVDを観ていますが、思っていた以上に、講演者たちはグラスルーツの温暖化対策キャンペイナーとして活動しているようです。

 Jitneyというオンデマンド相乗りタクシー?のシステム提案であったり、住宅の断熱省エネシステムのコンサルタントであったりです。

 彼らが提唱するいわゆる(プランBではない)プランCは、ハインバーグが分類した救命ボート建設戦略と似ており、コミュニティができることをやって乗り切ろう、産業部門はピークオイル問題でどのみち潰れる、というストラテジーなのでしょう、これまでの3回の年次総会で十分議論して出てきた方向性なのかもしれません。

 手近な温暖化対策としてラディカルなものを検討している方にお勧めです。(もちろん全部英語ですが)
posted by おぐおぐ at 23:38 | TrackBack(0) | 省エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月12日

アメリカはまだまだ削減の余裕が

 日本の産業界が主張するように本当に乾いたタオルでもう絞っても水がでないのかどうかはさておき、温暖化対策に頑強に抵抗を続けている米国では、当然収穫すべきLow Hanging Fruitsもほったらかしのようです。

WorldChanging:US CO2 reduction: the first 40% is cheap米国のCO2削減:最初の40%は安価
http://www.worldchanging.com/archives/007681.html
という記事がありました。

 この原油高騰のおり、日本にとって一番良いのは大消費国の米国内で行う共同実施(JI)を日本政府が持ちかけることではないでしょうか。ということで、ブッシュ政権に日本から京都議定書への復帰を大っぴらに呼びかけることができるでしょう。

 そしてその米国内のプロジェクトを早急に実行することで米国の石油消費を減らせれば、投機筋に支配された?原油価格を世界的にたちまちの内に引き下げられるでしょう、めでたしめでたし。

ということで、一部紹介しておきます。

追記:日経ビジネスオンラインでも同じ報告書が紹介されています。
地球温暖化対策、本当のコスト
巨額すぎて実現不可能? それとも意外に安上がり?


−−−
 マッキンゼー&Co.社の新たな報告書「 Reducing U.S. Greenhouse Gas Emissions: How Much at What Cost?」は、米国の二酸化炭素排出削減の費用が誰かが主張するような数兆ドルもする高いものではないことを示した。
(要約のpdfはこちら。)続きを読む
posted by おぐおぐ at 20:35 | TrackBack(0) | 省エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月23日

コンピュータの電力消費を減らす5つの方法

 今日、サイドのリンクの箇所に、
「検索にはGoogleを使ってますか?ならばブラックGoogle「Blackle」はいかがですか?画面が黒いとディスプレイの消費電力を下げられる、ということで作られたものです。」
というメッセージを一旦載せました。

 出典は、ネイチャー誌のブログ、クライメットフィードバックの記事です。
http://blogs.nature.com/climatefeedback/2007/07/google_turns_to_the_dark_side.html

が、そこのコメント欄をいろいろ読んでみると、実際には液晶ディスプレイを使っている大多数のユーザーにとっては、LCDのバックライトはオンオフできないから省エネになりようがないという指摘があり、そりゃそうだなあと思い、削除した次第です。続きを読む
posted by おぐおぐ at 22:22 | TrackBack(0) | 省エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月08日

天井裏の断熱・作業編その3

その2よりつづく

6.課題
 今回処置に困ったことは、部屋と部屋の間の壁の問題です。実際には木造の在来工法の場合は、壁の中は床下と天井裏との間で空気が自由に上下する通路になっています。
ここは一番の欠陥点なんでしょうが、仕方がないので、床下から外気へつながる換気口を冬場だけふさぐようにしています。梅雨時などはここをちゃんと開けておかないとまずいはずです。

もう一つ全然できていないことは、水蒸気問題を気にするのなら、離れの方に廊下を通じて空気が流れていくため、本来であれば全館を一体のものとして断熱をしないといけないのですが、それをしていないという点です。実際には厚手のカーテンで廊下を上から下まで塞いでいますが、水蒸気に対しては効果がありません。

 次は外壁を剥がして壁の部分に断熱材を入れるべきところでしょうが…そこまではやらないでしょうね。続きを読む
posted by おぐおぐ at 23:47| 省エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月26日

天井裏の断熱・作業編その2

その1よりつづく

3.事前準備

 ネズミのお陰で手をつけることができました。

 実際には秋口に屋根裏でネズミの運動会が行われていたため、何度もネズミ退治の餌を仕掛けたり天井裏のゴミホコリを取るという作業を根気よくやりました。これがなかったら掃除というハードルが高くて実際に断熱材を入れることの踏ん切りがつかなかったろうと思います。
 ほんとうに天井裏に溜まったホコリを取る必要があるのかどうかは良く分かりませんが、まあ、ネズミの糞などをおいたまま上から断熱材を敷けば、ネズミがもぐりこみやすくなったりすることが懸念されるわけです。

 掃除には粉塵対策用のマスクが必需品です。ホコリ取りには短いほうきとチリトリが使いやすいようです。移動用には古いスリッパも役に立ちます。
 居間の天井の穴あき石膏ボードの裏側には、透湿性をよくするためセロファン紙のような紙が貼ってあります。その紙を剥がさないようそっと掃除しましたが、何箇所かははがれてしまって下の屋内にホコリが落ちる始末。続きを読む
posted by おぐおぐ at 01:09| 省エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月25日

天井裏の断熱・作業編その1

 DIYショップ(ホームセンター)でグラスウール断熱材を買ったままほったらかしだった親の家の断熱化計画ですが、寒くなってきたので先日ようやく断熱材を屋根裏へ上げて天井裏に隙間なく敷きました。

 親の家は築40年近い木造一軒家ですが、一部屋の天井裏に申し訳程度に薄く断熱材が張ってあるほかは全く断熱が施されていませんでした。30年前に増築をした2階建ての離れの部分も、ペラペラで風にゆれるような役立たずの発泡スチロールが壁の中に入れられているだけのひどい施工です。

 まあ、温暖な土地でして、冬場もせいぜいエアコンの暖房だけで過ごせる程度の寒さなんですが、地球温暖化対策で住宅の断熱をどう強化できるのか、ということ、ピークオイル問題も前にして、今のうちに先行投資できることはなんだろうと思って一番簡単そうな天井裏部だけに手をつけることにした次第です。
(もちろん、ブログの話のネタにするため、という重要な目的もあります。)続きを読む
posted by おぐおぐ at 02:22| 省エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。