2008年01月18日

福田首相への環境NGOからのメッセージ

 ダボス会議の場で福田首相がどんな発言をするのか、は今年の最初の国際的な働きかけに関わる戦略問題です。

環境NGOsよりのメッセージが出ていますので、コメントがてら転載をしておきます。

 2008年1月18日
ダボス会議での総量削減目標設定の決意表明を要請
〜日本のNGOと国際NGO、それぞれが福田首相へ書簡〜

 気候変動に取り組む日本のNGO7団体と、世界各地の約400団体で組織する国際NGO「気候行動ネットワーク・インターナショナル(CAN)」を代表して米国CANのディレクターのそれぞれが、福田首相に宛てて書簡を送付しました。

 書簡では、福田首相に対し、23日からスイスのダボスで開催される世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において、日本が2020年の総量削減目標を掲げる方針を表明することを要請しています。

 現在政府内で、ダボス会議に向けて日本の削減目標表明をどのように行うかについて最終調整段階にあるとのことですが、日本国内のNGO、そして世界各国のNGOは、総量での削減目標設定の方針を発表すれば、G8洞爺湖サミットの成功のカギを握る重要な日本の動きになると、大変大きな注目をしています。

英語(PDFファイル 105KB)

日本語(html)

以下、日本語部分を。
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2008年01月14日

「気候変動に関するサンタバーバラ・コンセンサス」

「気候変動に関するサンタバーバラ・コンセンサス」
The Santa Barbara Consensus on Climate Change
http://www.californiagreensolutions.com/cgi-bin/gt/tpl.h,content=1540

 昨年11月に「カリフォルニアと欧州の気候変動に関する対話:ポルトガルEU議長期の環大西洋イニシアティブ」という会合がカリフォルニア州サンタバーバラで開催され、表記のコンセンサス文書が採択されたということです。

情報源はこちら。
To beat climate change, breaking the mold isn't enough
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2008/01/13/EDUPUDBAO.DTL

 以下、本文を仮訳したものを貼り付けておきます。

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「気候変動に関するサンタバーバラ・コンセンサス」続きを読む
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2008年01月07日

あなたにとってのキョウトの宿題がパブコメ2件になっています

(初出12月27日)
二つの宿題=パブリックコメントは、あなたの冬休みの宿題です。

 京都議定書の第一約束期間はあと6日後の2008年1月1日から始まり、2012年12月31日までの5年間続きます。

 この期間に先進国は全体として1990年レベルから5%以上の削減を行うことを公約しました。
そして日本政府は第一約束期間の平均として1990年レベルから6%全温室効果ガスの排出量を削減することを京都・宝ヶ池の国際会議場で誓いました。

 2001年春に米国のブッシュ新政権が京都議定書からの離脱を発表した時、日本の衆参の国会議員は米国を引き戻そうと、日本は京都議定書を率先して批准する旨の国会決議を全会一致で採択しました。

 2001年の2回の国際交渉の流れの中で、あれやこれやの抜け穴も作られました。日本政府がこれがなければ批准できない、とごねたための抜け穴としては、森林吸収源で日本には最大3.8%分を認めるとするへんな合意が作られました。
 それでも米国が離脱したからには日本政府も離脱すべきだと、唾棄すべき議論も財界の一部にはありましたが、結局日本政府は小泉政権の下、2002年に京都議定書を批准しました。

 さはさりながら、98年、2000年、2001年、2002年、2005年、2007年と度重なる国内施策の見直しが行われる度に、財界の温暖化対策に対する抵抗とその意を受けた経済産業省の反対によって、ブッシュ政権の国内施策と同じ、産業界の「自主」行動計画にのみ頼るという無策が続いています。
 経済的手法の目玉といえる炭素税についての環境省の研究は1993年頃から延々と続いてきましたが、いまなお将来の検討課題のままです。
 国内排出枠取引についても、京都議定書の国単位のキャップ&トレードの構造を、国内にそのままブレークダウンする一番素直な手法であるにも関わらず、一人日本政府のみが、背を向けています。(先日バリCOP13の初日に初めて京都議定書を批准したオーストラリアのラッド新政権は、早速国内排出権取引に向かって進んでいるにも関わらずです。)
 この毎回見送り三振の、政府の無策は一体どうしたことでしょう。

 さて、今回が第一約束期間に入る前の最後の見直しとなります。鴨下環境大臣はまだまだこれから毎年(早期に)見直しをするような答弁を福山議員に対してしていました(*1)が、それはつまりこのまま見送り三振を2012年が終わるまで5回繰り返す結果に終わるということくらい、分かりそうなものです。

●「京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告(案)」に対する意見の募集について(お知らせ)
  締め切りは1月25日(金)です。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9208

最終報告(案)の案文はこちら


 もう一つ大事なパブコメがすでに募集中となっていました。ポスト2012(注:「ポスト京都」→「次期枠組」と読み替えてください。)のための国内の指針を決めるものであり、かつ洞爺湖サミットに向けた日本の今後の姿勢を表明するもの、いわばキョウトの宿題ではないでしょうか。

「低炭素社会づくりに向けて」へのご意見を募集します。
 締め切りは平成20年1月7日(月)【必着】
本当に冬休みの宿題です。
意見募集の対象:
低炭素社会づくりに向けて [PDF 1,226KB]

 ヤレヤレ、2050年になっても日本は石油を使っているんでしょうか?そんな石油はどこにあるんでしょう?
 「脱」炭素社会に早急に向かわない限り私たちが向かい合うことになる苦境は、すでにこの原油高騰と食糧高騰が(前触れとして)見えているのではないですか?

*1:12月25日答弁
−−−
鴨下大臣
 今の段階ではですね、目達計画の改訂版についてはそれぞれ各省、それから産業界も詰めているですね、大変な努力をして深堀りをしていただいたわけですから、まあ私どもはそれに沿って、粛々と進めていくということこれが原則であります。ただ、いま委員おっしゃったようなこと、あるいはですね、まあジャーナリズムもまあ含めてご批判があることも重々分かっておりますし、それから両論併記でまあ、ペンディングになっている項目もございます。
こういうようなことも含めてですね、我々は今環境省の中では、少し進んで上手くいかなければもう一度更に見直そう、とこういうようなことでですね、アセスメントとチェックとそしてフィードバックをする、こういうような仕組みをいかに早め早めにやっていくかと、こういうようなことをですね、この中に入れられないかとこういうことも考えておりますので、今せっかくまとめてくださったところで、これからパブコメにかけるところでありますから、いろんな意見は伺いたいと思いますけれども、現在のところで一応それなりの目達計画を達成できるというところまで積算はされているわけでありますから、これを更にですね、実効あるものにしていくのが私たちの役目だとこういう風に思っております。
−−−続きを読む
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2008年01月06日

注目の社説その4

 各紙の社説を紹介します。

●日経:社説 世界を唸らせる環境外交の構想力を・低炭素社会への道(1/8)
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20080107AS1K2800307012008.html

 2008年は地球温暖化対策での日本の外交力が試される年となる。自国の利益を守るだけの姿勢を見透かされれば、国際社会での発言力は弱まってしまう。世界が納得する政策協調の枠組みを、説得力を持って語らなければならない。

 福田康夫首相にはその準備ができているか。7月の主要国首脳会議(サミット)は北海道の洞爺湖で開かれる。議長国として日本が世界に存在感を示す大舞台である。

途上国と先進国を結べ

 福田首相が出席を検討している1月下旬のスイスでの世界経済フォーラム(ダボス会議)が最初の関門となる。京都議定書の次の枠組みづくりを目指す、日本の意志を示さなくてはならない。世界は厳しい目で日本の外交手腕を見極める構えだ。それは試練であると同時に、日本の国際貢献を印象づける好機でもある。

 サミット議長国の責任は重い。世界一の温暖化ガスの排出国である米国は、排出削減の義務的な数値目標に抵抗している。2位の中国は「途上国」の立場から、約束を伴う行動には腰が重い。一方、欧州連合(EU)は削減目標を誇示するように掲げ、主導権の掌握に意欲満々だ。

 こうしたにらみ合いの構図をただ眺めているだけでは、議長国の名が泣く。世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)と同様に、多国間外交では「静かに待つ」戦略は通用しない。他国に先駆けて具体案を打ち出し、主導権と発言力を確保する必要がある。

 「ポスト京都」(注:「ポスト京都」→「次期枠組」と読み替えてください。)に向けて日本が備えるべき外交力の第一の要素は制度を構想する力だ。各国を唸(うな)らせ、うなずかせるような温暖化防止の仕組みを日本案として提示したい。洞爺湖サミットは、中国を代表とする途上国と米国が参加する新しい枠組みを築く基礎工事となる。

 そのためには諸外国に勝る日本の特質を生かした構想を練るべきだ。産業界が蓄積してきた省エネ技術や各国より高いエネルギー効率が重要な鍵となるのは間違いない。

 例えば排出権取引の公平性を確保するために、企業の省エネ努力を反映するような売買の基準を提案してはどうか。省エネが進んだ日本だからこそできる提案であるはずだ。これまで日本は排出削減の国別数値目標や排出権取引に消極的だったが、エネルギー効率が高い点など日本と共通項が多いドイツと連携して新提案を共同提出してもよい。積極的に打って出る戦略を採るべきだ。

 途上国については先進国と目標設定で差異をつけ、省エネ目標を導入するのも一案だろう。アジアの仲間である中国を説得するのは日本の責務と考えるべきだ。英国のブレア前首相は一昨年、ブッシュ米大統領の頭越しでカリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事と直接会談し温暖化対策で連携した。福田首相の積極的な首脳外交を期待したい。

 国際交渉の戦略に長じた欧州に学ぶべき点は多い。英国では97年に英産業連盟会長だったマーシャル卿が音頭を取り、いち早く環境税や排出権取引のアイデアを練った。06年には元世界銀行主席エコノミストの英国のスターン卿が地球温暖化の経済への影響を詳細に分析し、英政府に報告書を提出した。その研究成果は現在のポスト京都の議論にも、少なからぬ影響を与えている。

 メルケル独首相は昨年6月のハイリゲンダム・サミットで、ブレア前英首相と二人三脚を組んでブッシュ米大統領を説得し、主要国が一丸となって温暖化防止に取り組む首脳声明をまとめ上げた。制度設計の構想力だけでなく、首脳が自らの政治判断で機動的に動く。その意思決定の速さと躍動感こそ、EUの国際的な発言力の源泉といえる。

強力なEUの発信力

 工業基準や企業会計などでEU発の「国際標準」が増えている。ポスト京都(注:「ポスト京都」→「次期枠組」と読み替えてください。)の議論もEUが流れを生み出そうとしている。EUの戦略に沿った制度が完全とはいえないが、批判するだけの姿勢は建設的ではない。

 米国では今年11月の大統領選で政権が交代する可能性がある。京都議定書を離脱した同国の環境政策は大きく方向転換するとみておくべきだろう。直後の 12月にポーランドで開く国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP14)で利害をぶつけ合い、翌09年末のデンマークの会議(COP15)で決着する。 2年間の環境外交を構想する必要がある。

 ポスト京都(注:「ポスト京都」→「次期枠組」と読み替えてください。)の日本案の策定は、これまで経済官庁が主導してきた。官僚任せでは大局的判断を誤る恐れがある。福田首相は、米大統領選や中国の経済成長の行方など今後2年間の世界情勢の変化を念頭に置き、自らの判断で行動すべきだ。

 環境外交は政治の仕事である。続きを読む
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2008年01月04日

テレ朝も温暖化の長編番組を

●テレビ朝日では今晩7時から4時間10分?のぶち抜きの番組で温暖化の特集をやるそうです。
「地球危機2008」

 4日にしたのは、正月のめでたい席にはふさわしくない映像だという考えがあるのでしょうか?

ーーー匿名希望?の方からの情報では、
●1月6日(日)10時から放送のテレビ朝日・サンデープロジェクトは、
「地球環境スペシャル」と題して、
・地球温暖化の日本への影響は?
・京都議定書の問題点は?
・日本は6%+7.7%(2005年確定値)=13.7%をどうやって減らすか?
・キャップ&トレード、環境税(炭素税)の是非?
・COP13の評価?
・洞爺湖サミットで日本が「単なる調整役の議長」を超える働きをするにはどうしたら良いか?
・CO2の大幅削減に向けて国ができることは?
・   〃        地方自治体ができることは?
・国民の環境意識を高めるためには何が必要か?
などについて、以下のパネリストがディスカッションを行う予定です。

鴨下環境大臣
塩崎元官房長官
福山哲郎民主党参議院議員
嘉田由紀子滋賀県知事
月尾嘉男東京大学名誉教授
桝本晃章東京電力顧問(元経団連地球環境部会長)
ーーー
 とのこと。
HPより
−−−
徹底討論!「地球環境スペシャル」

氷河を溶かし、海面を上げ、砂漠を増やし、極端な気象を生み出す地球温暖化。
便利さ、豊かさ、快適さを求めてきた人間がその代償として引き起こした現象だ。
「地球が危ない」と科学者たちは警告する。

しかし、温暖化防止を巡っては各国の思惑がぶつかっている。
激しい主導権争いをし始めたEUとアメリカ、CO2の削減義務を拒否する中国、日本は調整役に徹する構えだが果たしてそれで良いのだろうか?
世界最高水準の環境技術を如何にうまく世界に売込むか?
環境技術を軸に日本再生ができないか?
7月に温暖化防止をテーマとした洞爺湖サミットが行われる今年こそ日本が腰をすえて「環境問題」と向き合う時だ。    

サンデープロジェクトでは今年環境問題にこだわっていきたい。
きょうはその第一回温暖化防止の表と裏をとことん議論する。
−−−

 今年のG8サミットシフトは、地球温暖化問題だ、と各局が決め打ちしている雰囲気がありますね。

 今朝は小池元環境大臣もフジテレビ系列の番組でクールビズの宣伝をしていましたから、塩崎恭久元官房長官も温暖化問題を機に再チャレンジを図っているのかな?

 塩崎議員はたまたまSGWが地元在住なので、2001年のブッシュの京都議定書離脱騒ぎの時には外交族だった氏を議員事務所に訪ねてお話をさせていただいたことがありました。
(あー、ダメダメだ期待できない人だ、とその時は思ったものでしたが・・・「不都合な真実」を見て態度を変えたという話も聞きます。)続きを読む
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2008年01月03日

注目の社説その3

 各紙の社説を紹介します。

●日経:社説 国益と地球益を満たす制度設計を(1/1)
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20071231AS1K2800731122007.html
 底の見えぬ不安は経済を萎縮させ政治を迷走させる。しかし、そのリスク評価と回避の道筋が科学的に確定すれば、もはやそれは不安ではなく、解決可能な命題となる。気候変動、地球温暖化はまさしくそれにあたる。人類社会はことし2008年温暖化ガスの排出を抑制する最初の1歩、京都議定書の第1約束期間を迎える。そして京都の先に半永続的に続く温暖化との総力戦に向けて、北海道・洞爺湖サミットの議長国として、日本は一連の国際舞台でその覚悟と政策能力を試される。

文明を変える議定書 

 12年までに1990年比で欧州が8%、日本が6%、温暖化ガスの排出を削減する。この京都議定書の目標は、温暖化を食い止めて気候を安定化させるという究極の目標に比べれば、本当にささやかな1歩でしかない。ただ、それは文明史上画期的な意味を持つ1歩でもある。

 科学的に予見される将来の危機について、目前の経済的な利益を一部犠牲にしても危機回避に向けて国際社会がかじを切る、という合意は重い。この手の合意が実行に移されるのはおそらく史上初であろう。

 地球温暖化の責任には「共通だが差異がある」という原則の確立は先進的だ。92年採択された国連気候変動枠組み条約に明記されたこの原則により、産業革命以来膨大な累積排出量になる先進国がまず差異ある責任を果たすのが京都議定書だ。

 累積の排出量がはるかに少なく、1人当たりの排出量も先進国の3分の1、4分の1という途上国は、議定書の削減義務の対象外である。総量では大排出国の中国やインドに義務を課していないから実効性がないなどという議論も一部にあるが、それは見当違いである。

 エネルギーがからむと国益がもろにぶつかり合う。共通だが差異ある責任という原則でその利害を緩和し、国際共同行動への道が開けた。

 京都議定書の3つ目の意義は、温暖化ガスの排出抑制と経済成長が無理なく同調できる「低炭素社会」への道を切り開く起点となることである。気候の安定化には究極的に先進国は現状の50―70%以上の排出削減が必要で、途上国にも20年ごろをピークに排出量の永続的削減が求められる。やりくりや数あわせで達成できる数字ではない。

 経済社会の中に、環境という価値をきっちり組み込まない限り、ことは成就しない。単なる規制ではなく、企業が省エネに努力し新技術を開発し、新しいシステムを取り入れて排出を削減した分、競争力が高まり、利益を得られる仕組みをつくる必要がある。自律的に、企業や個人の行動規範が排出削減に向くように制度を設計しなければならない。京都議定書は環境関係の取り決めとしては初めて、排出権取引など経済的な手法を大胆に定めている。

 制度設計では残念ながら欧州が断然、先行している。京都議定書が決まった3年後、英国は気候変動税と排出権取引を組み合わせた制度を導入、それがEUのキャップ・アンド・トレード型排出権取引の原型になった。自然エネルギー、再生可能エネルギーのシェアを増やす仕組みも省エネ投資の促進も、排出権取引と連動する形で展開している。

 日本は日本経団連と経済産業省の反対で排出権取引の制度化が遅れている。EU方式は排出削減のコストを最小化するという排出権取引本来の機能が弱いという指摘もある。

民が柔軟な制度提案 

 しかし、排出権取引にはいくつものタイプがある。EU方式をただまねる必要はない。最も難しい排出枠の初期配分については、過去の排出量を基準にするEUのグランドファザリング方式のほか、企業の初期負担は大きいが公平性は担保しやすいオークション方式、業界の標準的な技術の到達点を基準とするベンチマーク方式なども検討対象だ。

 EU方式の問題点を調べ、日本の実情に合わせた持続可能な制度設計を試みたのは、これまで日本の様々なシステム設計を担ってきた中央官庁ではなく京都大学のグループである。鉄鋼などの産業分野と電力などのエネルギー転換分野でCO2の直接排出量は日本全体の6割を占める。そこにはキャップ・アンド・トレード方式を導入し、運輸やオフィスには別の方式を適用するという。

 政府は提案を受けてもまだ動かない。今年から米加の11州とオーストラリアなどがEUの排出権市場とリンクする。炭素市場は急拡大し、今や導入の是非ではなく、どんな制度を選び、どう使いこなすかが世界の関心事だ。京都議定書から10年、制度設計に背を向けてきた日本は、特殊な国というレッテルをはられつつある。洞爺湖サミットが不安だ。

●日経:社説1 小手先では6%の排出削減は危うい(12/23)
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20071222AS1K2200222122007.html続きを読む
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2008年01月01日

NHKの朝まで番組で温暖化問題討論その2

テープ起し版
「夜通しナマ解説−地球環境の未来は?」の続きです。



司会
 これだけいろんな思惑交錯している中で、まとめていこうとすると、どうしても日本のような国は削減義務を負うことが必要だと思うんですが、これから来年から削減が始まる京都議定書をいかに達成していくかが大事かと思います。

「解説ビデオ」

司会
 いよいよ来年から京都議定書の約束期間に入りますが目標達成なかなか難しいようです。

村山
 中国言いましたが日本もなかなか難しい、大苦戦中なんですが。
国内のCO2排出の状況、産業が一番大きいんですが、産業は自主努力でマイナス5.6%減とマイナスなんですが、見ていただいて分かりますように業務と家庭が非常に急増しているわけですね。業務のオフィスなどは41.7%増、家庭が30.4%増。これをどう達成するかということで、目標達成計画、計画を立てているんですが、適用の拡大をする、家庭部門については一日一人1キログラム削減をと国民運動を進めようとしているが、構造的な問題があって、なかなか削減は困難だろう。

今井
 なかなか一気に削減は難しいだろう。日本は製造業が多いわけですね、それでまた省エネも進めている、そういう中で生産量増えていく中で大幅に削減していくというのはなかなか難しい。
一方家庭を見ていきますと、家電一台一台は省エネ化がそうとう進んでいるんですが、例えば温水を使うトイレやパソコン、新しい製品がどんどん家庭の中に増えてきている。またかつては一家に一台だったエアコンが今や一部屋に一台。それを減らしていくというのはこういう便利さをどこまで捨てることができるかということにつながる。
 NHKが11月に行ったアンケートでも、実に2/3の企業が目標達成計画の達成が難しいという見方を示しているんですね。

司会
 現象としてもなかなか減らない。その一方で日本には吸収源も認められているんですがそこはどうなっていますか。

藤原
 忘れてはならないのは、世界の森林だけでなく日本の森林も実は問題なんですね。日本の削減目標6%の内、森林が吸収できるとして見込まれているのは 3.8%までとなっているんですが、ところがこれ保証されているわけではないんですね。というのは京都議定書で算入されているのは1990年以降に新植林された若い、活性化された、つまり人間の手が入った管理された森林であると規定しているんです。
ですから日本の多くの間伐されていない、あるいは下草刈りがなされていない、人の手が入っていない管理されていていない森林というのは、吸収源として認められない可能性があるわけです。試算では3.8%の中の2割がカウントできないかもしれない。これは非常に大きな問題。
 日本政府が国をあげて森林整備の仕組みを作らなくてはならない。この森林を管理するということは、クマが出没する、鹿が出る、野生動物の問題、あるいは過疎、地域の活性化そういったものすべてを含んで解決できるかもしれないそういう要素を含んでいるので森林をしっかり管理すべきだ、と思います。

司会
 まず排出が増えているオフィス部門ですね、これなぜ増えているんですか。

嶋津
 産業工場部門は70年代の石油危機の時代から省エネ努力をずっと続けてきたんですね。その延長線上にやっている。一方オフィス部門というのは90年代と比べて何が大きな誤算だったかというと、大変なIT社会になっちゃったわけですね。オフィスでみんな一人パソコンを持ち、サーバーで例えばデータセンターなんかは膨大なエネルギーを使っているわけですね。情報化社会、例えば映像の電送なんていうのは電力を使うわけです。IT社会がこんなに広がっちゃったと言うのは大変な誤算なんです。
 個々の企業、個人の努力も大事なんですけれどもIT社会の省エネ化を進めていくにはもう一回政府がきちんと対策を打ち出さなければだめでしょうね。続きを読む
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2007年12月22日

来年から京都議定書の第一約束期間に入るというのに

 気候ネットワークより、特別なコメントが発表されています。

2007年12月21日

中央環境審議会地球環境部会・産業構造審議会環境部会地球環境小委員会合同会合最終報告に際してのコメント

浅岡美恵(中環審委員、気候ネットワーク代表)
明日香壽川(合同部会意見陳述人、東北大学教授)
飯田哲也(中環審臨時委員、環境エネルギー政策研究所所長)
植田和弘(中環審臨時委員・産構審委員、京都大学教授)
桝井成夫(中環審臨時委員、前読売新聞論説委員)
三橋規宏(中環審臨時委員、千葉商科大学教授)
諸富徹(合同部会意見陳述人、京都大学準教授)
横山裕道(中環審臨時委員、淑徳大学教授)

1 最終報告案について
IPCC第4次評価報告書が出され、2007年12月にインドネシア・バリで開かれた会議(COP13/COPMOP3)において、2050年までに世界で半減し、今後10〜15年までに排出のピークを迎え、2020年までに先進国は25〜40%削減といった方向が示された。地球温暖化も温暖化に対する世界の取り組みも加速的に進行しているなかで、本報告案は危機意識に欠ける。
このままでは、世界の動きに取り残されることが懸念される。

2 本報告書の問題
(1)追加対策とされる「自主行動計画の拡大・強化」で1800万トン、「国民運動」で678〜1050万トンなどの対策は、
@その数字は、根拠が明らかでなく、計測・報告・検証のできないものが大半である。
A削減量の追加性がほとんどない(自主行動計画について別紙)
B他の追加対策やこれまでの対策との重複が少なくない(自主行動計画の拡大・強化、国民運動)。

(2)発電所や大規模工場についての自主行動計画の問題点は既に指摘したとおり。自主行動計画の目標の妥当性等について十分な検証がなされないまま、「自主行動計画の拡大・強化」とその継続を掲げ、他方で、EUのみならず米国や豪州で準備されているキャップ&トレード型国内排出量取引の導入やその具体策の評価・検討も、大幅に先送りさせようとするものとなっている。

(3)環境税(炭素税)の記述は実質的にないに等しい。

(4)自然エネルギーの追加政策は実質的には何もなく、むしろ後退している。

(5)このように、追加対策のほとんどが実効性のない数字あわせというほかない対策を羅列であるだけでなく、そのことによって、排出量取引などの実効性のある新しい政策の導入を阻む言い訳として使われているといわざるをえない。

(6)裏付けのない発言などが放置され、それが「両論併記」の根拠として利用される一方で、浮かび上がった論点が真面目に詰められてこなかった。また、報告案の内容は実質的には各省間の折衝にゆだねられ、合同会議が委員間の真摯な議論が反映される場となってこなかった。

(7)計画の毎年の進捗管理に言及しているものの、目標達成計画の評価・見直しを行うことは担保されていない。第1約束期間においても、毎年の進捗管理において、あわせて評価・見直しを行い、国内排出量取引・環境税・政府と産業界との協定化・自然エネルギー固定価格買取制度など、必要なあらゆる政策を検討することとすべき。

−−−
ということで、環境省の下で開かれている中央環境審議会・地球環境部会と経済産業省の下で開かれている産業構造審議会環境部会地球環境小委員会との委員が合同で行っていた「京都議定書目標達成計画」の見直しでは、およそ意味のないつじつまあわせが行われていて、目標達成もおぼつかない、ということです。

 経済産業省の官僚の意に沿った委員ばかりが入っている?ためか、産業構造審議会側の委員はこのコメントに参加していません。続きを読む
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