2008年03月13日

3月のイベント目白押し

 ◆◇◆全国地球温暖化防止活動推進センターメールニュース 第93号◇◆◇ 
2008/2/29
http://www.jccca.org/
の、[3]イベント情報および、各種MLで転載希望とされた記事より、特にポスト2012(注:「ポスト京都」→「次期枠組」と読み替えてください。)関連に絞って、イベント情報の転載をしておきます。フォーマットも整っていませんが日程順で並べました。(今後の追加分はそれぞれの日にちに挿入しておきます。)

◆3月23日
■■ 地球温暖化をめぐる交渉のゆくえ ■■
    何が問題で、何をしたらよいか?
http://www.sustain.hokudai.ac.jp/0323/

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地球温暖化問題について巷で言われていることは....
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『このような被害が起きる』 という科学的予測の話と 『被害を避けるためには日々の生活でこういうことを正さなければならない!』 といった指摘のセットです。

今回は.....もう一歩踏み込んで

『市民として何をしたらよいか?』 について、グローバルな視野で考えるための素材を、第一線の研究者が分かりやすくご紹介します。

ぜひ、多くの皆様のご参加をお願いいたします
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2008年3月23日(日) 13:30〜16:30
「地球温暖化をめぐる交渉のゆくえ」
講演:宮本 融 (北海道大学 公共政策大学院 特任准教授)
場所:内田洋行「ユーカラ」.....大通東3 
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●日ごろ皆さんが感じている疑問を解消できるように質問カードや
ファシリテータを用意しています。

地球温暖化をめぐる交渉について新聞やTV報道でよくわからないことがありましたら、
ぜひこの機会をご活用ください

プログラムの詳細とお申込みは、こちらからどうぞ
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
■■ 地球温暖化をめぐる交渉のゆくえ ■■
http://www.sustain.hokudai.ac.jp/0323

13:30 開会
13:40 講演・前編(40分)「地球温暖化をめぐる交渉のゆくえ 国際的課題」
14:20 質疑 (10分)ファシリテーターを交えての質疑応答
14:30 休憩 (15分)
14:45 講演・後編(35分)「地球温暖化をめぐる交渉のゆくえ 国内的課題」
15:20 質疑 (30分)ファシリテーターを交えての質疑応答
15:50 北海道大学からのお知らせ(10分)
16:00 閉会


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この市民講座は、北海道大学が"G8北海道洞爺湖サミット2008"に向けて開始した、"Sustainability
Research and Education Promotion

Marathon"=『持続可能な社会づくりに向けた研究・教育推進キャンペーン』の一環です。

問い合わせ先
北海道大学「持続可能な開発」国際戦略本部
TEL 011-706-2093 
E-mail: g8kikakuアットマークgeneral.hokudai.ac.jp
http://www.sustain.hokudai.ac.jp/0323

==以上、ご案内==続きを読む
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2008年03月01日

本日の甘利経済産業大臣発言録・温暖化編発言録その3

甘利経済産業大臣の閣議後大臣記者会見の概要
http://www.meti.go.jp/speeches/index.html
 から、最近の発言を逆順に掲載しておきます。

●平成20年2月29日(金)
9:37〜10:04
於:記者会見室
(閣議/閣僚懇)
 報告の最後でありますが、G20対話の開催についてであります。3月14日、金曜日、夕刻から、16日、日曜日まで、G20対話、これは気候変動、クリーンエネルギー及び持続可能な開発に関する閣僚対話、グレン・イーグルス以降のものですが、これを幕張において開催をいたします。今回は最終回となりますけれども、これまでの議論の総括に加えまして、技術開発及び普及、資金と投資の促進、2013年以降の実効ある枠組みのあり方について検討をいたします。ダボス会議で福田総理が提唱をいたしましたセクター別アプローチの方法論であるとか、革新的技術開発の国際協力の強化につきまして、G8プロセスとしては今回初めて本格的に議論をするわけです。これらの論点を扱うセッションにおきましては、私自身が共同議長を務めまして議論をリードしていくという予定にしています。今次会合の主要各国との実質的な意見交換を通じまして、洞爺湖サミットにおける首脳間での成果につなげていきたいと思っています。

【地球温暖化対策】
Q: 東京証券取引所が国内排出権市場の創設の検討に入るということが明らかになったのですけれども、経済産業省も議論の中に加わって検討を進めるということですが、東証がこうやって検討を始めるということについての大臣のお考えを聞かせていただければと思います。

A: 私どもは、以前から地球温暖化防止の策の一つとして、議論をしていくことについて何ら妨げているものではありません。ただ、前から申し上げていますように、排出権取引というのは、旧来のEU型であると、公平・公正性が確保できないし、効果が期待できないではないかという疑念があると。公正なキャップのかけ方をどうするのか、過去の努力をどう評価するのか等々、いろいろな問題があります。それをしっかりと踏まえて、きちんとワークするような、ワークするということは、公平・公正であって、全体として排出削減に資するという意味ですけれども、そこを議論しなければいけない。そこを無視して進めていくと、単なる金もうけのツールにだけなってしまって効果がないと、そういう落とし穴に落ちてはいけないということを言い続けてきたわけです。ですから、そういうきちんと機能するものにするための前提の議論とその理念の共有ということがまず大事だと思っています。


Q: さっきおっしゃったG20ですけれども、先ほど、こういったことについて話を進めていきたいということをおっしゃっていましたけれども、例えばセクター別アプローチの方法論についてもお話しなさりたいとおっしゃっていましたが、これはつまりキャップアンドトレードではなくて、こういうやり方を取り入れたらどうかということを強く働きかけていくという考えがおありだということですか。

A: 総理がダボスで発言をされたのは、主要排出国の全員参加型でないと地球全体として効果が上がらないと。全員参加がしやすい、具体的に目に見えるアプローチとしては、セクトラルアプローチというのが、実際に効果がありますねと。それから、セクトラルアプローチというのは、これから入ってくる国が一番懸念をしている成長の阻害要因になるということに対して、実は成長と両立ができますよというアプローチであるということであります。ですから、一石三鳥と言っていますけれども、この効能をしっかりとまだ参加していない国、あるいは参加している国に理解をしてもらって、全員参加型の決め手となる手法だということをしっかり説得する必要があろうかと思います。

 総理はそうやって積み上げていくと、総量目標にいずれかコミットできるのではないでしょうかということをダボスでおっしゃったわけです。ですから、ダボスでの発言をしっかりとフォローして、具体的に目に見える形にしていくということがG20の使命の一つであろうと思いますので、これはどうしても主要テーマとして我々は推し進めていかなければならないと思っています。


Q: そうすると、総量規制には反対するものではないけれども、セクター別アプローチに理解を求めていくという、そういうお立場だというふうに理解していいですか。

A: トップダウンで総量を規制しても、到達する手法、道筋が具体的に示されていければみんな参加しないということですよね。結果として、総量が幾ら削減できるというアプローチにつながりますよと。主要排出国というのは、どこかが上から、あなたのところはここまでとぐしゃっと決められることに猛反発をしているわけです。特に途上国たる主要排出国は猛然と反発をします。彼らの主張というのは、先進国と同様、我々も成長する権利があるという主張なのです。あなたのところは成長しないでこれだけ抑えなさいという権利は君らにはないはずだということを先進国に向かって言うわけです。EUに向かっても言うわけです。我々は全員参加と結果として地球全体で排出量が削減されていくということをきちんとつなげなければならないと、お題目だけ唱えて無責任なことはできないのですね。結果を出さなければいけない。その際に、日本がいろいろな国際会議の場面で提案をしているセクトラルアプローチというのは、少なくとも強弱は別として未参加主要排出国に支持されてきているのです。それなら我々も乗っていけるかなという雰囲気になっているのです。これをきちんと固めていかないと、結局立派なことだけ言って何の効果も上がらなかったということになりかねないです。これは極めて大事なことで、良いことはおっしゃるけれども、それだけね、ということで終わってしまってはいけないのですから、これは中国、インドを初めとする途上国、主要排出国、あるいは先進国の大量排出国たるアメリカ等がこの枠組みならば実現可能性があるし、努力のしがいもあるし、成長と環境とが両立できるということを少しずつ、いま認識されているわけですから、これを固めて追い込んでいくということが必要なのです。きれい事を言っていたのではだめで、そのきれい事が現実味を帯びてくるようなロードマップを描かなければいけないわけでして、そのロードマップに向けてG20というのは極めて大事だと私は思っています。


Q: 排出権取引についてなのですが、経済産業省も研究を始められますけれども、この点について排出権取引について研究するということについて、官邸とこれまでどういったやりとりがあったのか、伺えますでしょうか。官邸のほうから経済産業省に期待している役割というのはどういうものなのか。

A: 官邸が経済産業省に具体的にどう何を期待すると言ってきたかは、私は知りませんけれども、経済産業省というのは事業所を所管しているわけです。ですから、政府が掲げた目標と実際の行動をつなげていく役が我々にあるわけです。タイトルを掲げるだけというのはだれにでもできます。これを実行に移す、規制的措置で厳罰に処すとか、罰金を取るとかというのは簡単でありますけれども、現実問題としてこっちでどのくらい、こちらでどのくらいということを具体的に現実の経済行動の中で落とし込んでできるというのは、我々しかありませんから、掲げる目標を具体的に消化していく役割を期待されているのだと思います。ですから、正直、一番苦労している役所だと思いますが、しかしそういった中でも例えば省エネアプローチで言えば、産業競争力を高める苦労だということを実際に排出する現場に理解をしてもらって、こういうハードルを乗り越えることによって、実は競争力もついていくのだということを共有するということが大事だと思っています。

再度申し上げますが、官邸が我々に期待をしているのは、掲げる目標、これは原単位改善をしていって総量目標につなげていくというロードマップでありますけれども、それの主要な実行部隊、実施部隊を我々が担当する。しかし、産業界だけではなくて、本当はまだ残っている学校の省エネとか病院の省エネとか福祉施設の省エネとか、もっと言えば皆さん方、テレビ会社、新聞社の省エネに向けても具体的に現場に落とし込んでいかなければならないわけですから、そういう実態と目標とをつなげていく役割を期待されているのだと思います。


Q: いまの関連で、セクター別方式の場合、主な産業界の積み上げというのはこれから考えていくと思うのですけれども、いまお話しになった民生、病院部門のところ、そこら辺はボトムアップでのアプローチというのは、どのようにお考えなのでしょうか。

A: セクトラルアプローチでベストプラクティスというのは、事業所や産業界には割とやりやすい指標です。ただ、家庭でどういう指標ができるかということについては、若干悩ましい問題はあろうかと思います。ただ、そこは実は私もここでエアコンを省エネ型にみんな買い換えようと思っているのですが、全部いきなり買い換えると予算が大変なのですが、家庭の行動としても家電機器を買い換えるときには省エネ性能という視点で選んでほしいと、それも一つの削減行動の一環ですね。白熱灯、私も自宅はほとんど蛍光ランプにかえましたけれども、そういう入れかえるときに価格もさることながら、省エネ性能という視点を持ってもらうということがまさに地球温暖化防止に参加する姿勢だと思います。

 それから、今日の朝のこれに関する閣議で、私も所管外のことについても触れました。学校、病院等についても言及させていただきました。それは国民総がかりで取り組んでいかないと達成できない。そう生半可なものではないですよということです。何かあれば産業界がやればそれで済んでしまうということにしていると、とてもできませんと。意識改革をしてもらうということだと思います。


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2008年02月22日

注目の社説その5

 各紙の社説を紹介します。

読売社説:100ドル原油 脱石油をさらに進めなければ(2月21日付)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080220-OYT1T00781.htm?from=any
 ニューヨーク市場の原油価格が再び1バレル=100ドル台をつけ、最高値を更新した。

 石油輸出国機構(OPEC)の動きなどを材料に投機マネーが流れ込んだ結果だ。米国のサブプライムローン問題で陰りが出た世界経済に、新たな懸念要因である。

 先進各国の政府や企業、消費者は一層の代替エネルギーの開発や省エネに取り組むべきだ。そうした努力を積み上げることで、原油100ドルの水準が恒常化したとしても対処が可能となろう。

 原油価格は、年明けの1月2日に史上初めて100ドルに乗せた。その後は90ドル前後に下落していたが、再び上昇傾向が強まってきた。

 今回の大台乗せの要因として、まずあげられるのが、OPECが3月の総会で減産を決めるのではないかとの見方が市場に流れたことだ。ベネズエラが、米石油大手のエクソンモービルへの原油供給を停止したことも影響したとされる。

 原油価格は、10年ほど前は10〜20ドルと安値安定が続いていた。だが、2001年9月の米同時テロを底に、上昇に転じた。中東での緊張が高まり、原油確保に懸念が生じたことが底流にある。

 加えて、経済発展が目覚ましい中国やインドを先頭とする途上国の石油需要が急増し、原油価格を押し上げた。サブプライム問題で、投機マネーが金融市場から石油などの現物市場に移動したことも、価格上昇に拍車をかけた。

 こうした状況から、この先、原油価格は上昇・下落を繰り返すものの、40〜50ドルを下回るような安値は望めないのではないか、とする見方が支配的だ。

 そうであれば、力を入れるべきは新規油田の開発だ。ブラジルは深海底から原油を掘り出す技術を開発し、産油国の仲間入りした。ロシアも手薄だった東シベリアでの油田開発を進めている。

 原子力や燃料電池、太陽光の利用など石油代替エネルギーの開発も重要だ。省エネでは、途上国の産業部門でエネルギー効率の改善余地が大きいだろう。

 1970年代の2度の石油危機を教訓に、日本は国を挙げて脱石油に取り組んで来た。この結果、国の一次エネルギーにおける石油依存の割合は、石油危機前の8割から5割弱に下がった。

 円高が進み、円建ての原油輸入価格は、かつてほどの痛みを感じないで済む水準にとどまっている。

 100ドル原油は、日本にとって確かに重荷ではあるが、克服できないレベルではない。冷静に受け止め、これまで以上に脱石油を進めることが、最も効果的な処方箋(せん)になる。
(2008年2月21日01時52分 読売新聞)


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2008年02月13日

怒り?のプレスリリース−このままでは、京都議定書目標達成も中長期的大幅削減も困難

−−−転載ここから
 昨日2月8日、中環審・産構審合同会合京都議定書評価・見直し最終報告と2010年のエネルギー需給見通しが出されたのを受けて、気候ネットワークでは浅岡代表のコメントを発表致しましたので、お知らせ致します
 なお、文中に出てくる自主行動計画の追加性の問題についての「別紙」とは、最終報告案への12月21日の共同コメント(http://www.kikonet.org/theme/mokutatsu.html#comment)の別紙と同じものです。
 取り急ぎですが、どうぞよろしくお願い致します。


<プレスリリース>
                              2008年2月8日

中環審・産構審合同会合京都議定書評価・見直し最終報告と2010年のエネルギー需給見通しを受けてのコメント

このままでは、京都議定書目標達成も中長期的大幅削減も困難
〜中・長期削減目標を設定し、排出量取引・炭素税など抜本的政策導入が不可欠〜

                  気候ネットワーク 代表 浅岡美恵

●大幅な削減不足(排出オーバー)の構造はそのままに、「数字合わせ」続きを読む
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2008年01月29日

マーク・ライナス:バリ島発コペンハーゲン行き

 マーク・ライナスのエッセイを翻訳しておきます。
http://www.marklynas.org/2008/1/7/from-bali-to-copenhagen

From Bali to Copenhagen バリ島発コペンハーゲン行き

07 January 08

−−−
 バリ会議で私は、新たな段階のキョウトに合意することが、気候変動の安定化のための最も重要な目的物であると確信した。

初出:ニューステイツマン紙08/1/3

 ツーリストガイドが云うようにバリ島が美しいかどうか私は知らない。ヌサ・デアのリゾート地で開かれた国連気候変動会議に集まった11,000人の交渉担当者やジャーナリスト、ロビイスト、キャンペイナーの大半と同様に、私がこの神の島で見たのは、国際コンベンションセンターの内側だけだった。
これは皮肉屋が言うような、大集会が巨大な時間(と二酸化炭素)のムダであるということではない。逆に、バリ会合は、新たな段階のキョウトに合意することが、気候変動の安定化のための最も重要な目的物であると私に確信させた。

ほとんどのコメンテイターは今や、キョウトの第一フェーズは最善でもある種の成功にしか過ぎず、測定可能なほどの温室効果ガスの排出削減にはつながらないと語っている。
しかしキョウトは1997年に合意され、それは非常に異なった日々だった。
今回は、EUと他の多くの締約国は、10から15年以内に地球全体の排出ピークに加え、先進国の2020年までの25-40%削減、そして世界全体での2050年までの半減という科学が主導した議題を議論するためにバリ会合にやってきた。これらは驚くほど野心的な目標値であるが、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、長期的な気温上昇を産業革命前のレベルから2℃以上に上げないためにはこれらの数字が必要であると述べている。
初めて、国連の気候会合の議題が、みんなが政治的に可能だと考えるものによって決められるのではなく、科学者が地球にとって必要と提案するものによって設定されている。これは国際気候政策における地殻変動だ。

 この変化は3つの原因によって起こった。続きを読む
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2008年01月27日

福田首相はどんな気温安定化目標を想定しているのか?

福田首相のダボス会議(世界経済フォーラム)での発言
朝日:福田首相の特別講演全文〈3〉より

 ”昨年ノーベル平和賞を受賞した科学者たちの会議IPCCは、破局を避けるためには地球全体の温室効果ガスが次の10年から20年の間にピークアウトし、2050年には少なくとも半減しなければならないと警告を発しています。
 私は国連にピークアウトと温室効果ガス排出半減の方策を至急検討するように要請します。”

 一方、IPCCの元の文書はこちらです。
 ここの表SPM.6によれば、カテゴリーIという最も厳しい温暖化対策を行うためにはピークアウトする年は2000〜2015年、つまり今年から7年先までにしなければなりません。また2050年に2000年比-85 〜 -50%排出量を減らすとしています。
「最悪7年先にピークを打ち、2050年には2000年比50%以上削減」よりも緩く遅い削減目標では、カテゴリーII以上の昇温を許容するものとなってしまいます。

 そして福田首相がIPCCの推奨として示した数字「次の10年から20年の間にピークアウトし、2050年には少なくとも半減」は、カテゴリーIIとカテゴリーIIIの折衷案のような数字でありこんな数字をIPCCが実際に推奨しているわけではありません。

 とはいえ福田首相がこの数字を出すからには、最も厳しい対策であるカテゴリーIを目指していないことは明らかです。

 日本政府は、産業革命以降からの温度上昇幅2.4-2.8℃での安定化(カテゴリーII)ないし2.8-3.2℃での安定化(カテゴリーIII)程度を提案したものと言わざるを得ません。EUが主張してきた2℃未満安定化という主張からは大きく後退した遅れた気温安定化目標を想定しているものと言えるでしょう。続きを読む
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2008年01月24日

福田首相の世銀レポート評価に疑問

世銀レポートに関する新聞報道

中日:日本、先進国で最下位 石炭発電依存が低評価
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/earth_heat/list/200801/CK2008012002080962.html

 産経新聞でも同じ記事をアップしています。
日本の温暖化対策、先進国で最低レベル
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/080119/env0801191814001-n1.htm


 日本共産党の市田議員による参議院での本会議質問の場でも、先日の世銀レポートに関する新聞報道が紹介されました。


”最近発表された世界銀行の調査では、日本の温暖化対策の進捗状況は先進国中最下位にランクされました。京都の名が泣いているとはおもいませんか。”

 これに対して、福田首相は答弁の中で、
” 京都議定書の6%削減目標の達成に向けた認識についてのお尋ねでございますが、ご指摘のあった世界銀行の調査は、1994年から10年間の各国の二酸化炭素排出量につきまして増減の傾向を評価したものでございまして、絶対量評価ではありません。そのため、この調査におきましては一位がウクライナであり、二位がルーマニアでございます。そういう東欧諸国が高い評価を受けた、というそういう結果になっております。我が国は省エネ、新エネ技術や公共交通機関の利用率など世界的に優れている部分を有しておりまして、他の先進国と比べ劣っているとは考えておりません。”

 福田首相、認識不足ですね。確かに総量で比較しているわけではないのですが、日本がGDP原単位で比較すれば世界一だ、という経済産業省の自画自賛がデタラメだ、ということを示しているデータなのです。

世銀の各国比較レポート「成長とCO2排出:異なる国々がどのようにやっていくのか」
Growth and CO2 Emissions:How do Different Countries Fare?
Environment Department,The World Bank
http://siteresources.worldbank.org/INTCC/214574-1192124923600/21511758/CO2DecompositionfinalOct2007.pdf

 この報告書は、排出量の大きな世界70カ国について1994年〜2004年の間の改善とその要因分析を示したものです。
 GDPは特に途上国の場合は、PPP(購買力平価)ベースとMER(実為替レート)ベースでは非常に違う数字になります。

最上部の表で紹介しましたP12の表3
Table 3: Emissions per unit of GDP and GDP per capita in 2004
を見ると、日本の「購買力平価ベースでの」GDP原単位CO2排出量はインドとほぼ横並び状態となっていますし、中国はアメリカより少し多い程度です。
 日本はこの70カ国中ではPPPベースでのGDP原単位CO2排出量(左端の「E/G PPP」の数字)の低い方から24カ国目となります。もちろん比較的良い方ではありますがダントツとは言いがたい数字ですし、EUのうちの多くの国はより低く、それらの国と比べて日本は劣っている、ということも言えます。

Wikipediaで「購買力平価説」をみると、こんなリンクもありました。
世界銀行GDP統計(購買力平価)
http://siteresources.worldbank.org/DATASTATISTICS/Resources/GDP_PPP.pdf

 購買力平価基準でみると、2006年時点ですでに日本のGDPは中国とインドに抜かれて4位になっているということのようです。

 日本の場合、実為替レートは輸出産業が強いせいでかなり大きく円高方向に歪んでいて、購買力平価の為替レートと乖離しているとみることができます。
その影響で、通常の為替レートで換算したGDPは水増しされてしまっていることから、GDP原単位のエネルギー効率が実際以上によく見えてしまう、という違いが出ているのでしょう。

 実為替レートと購買力平価のどちらを使うべきか、といえば、国際経済学の教科書の中では購買力平価が用いられています。経済産業省の言い分だけを信用していると、国際社会で恥をかきますよん。お気をおつけあそばせ。

後日記:
経産省では、こんな文書を出していますので、購買力平価基準についても気にはしているようです。この評価では、日本の原単位当たりの一次エネルギー供給量はEU27カ国とほぼ同等となります。

 以下、質疑応答の温暖化関連の全文をテープ起ししたものを貼り付けておきます。
1/23参議院本会議
市田忠義(共産)議員質問より続きを読む
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2008年01月19日

本日の甘利経済産業大臣発言録・温暖化編その2

甘利経済産業大臣の閣議後大臣記者会見の概要
http://www.meti.go.jp/speeches/index.html
 から、最近の発言を逆順に掲載しておきます。

●平成20年1月18日(金)
10:08〜10:28
於:記者会見室
【地球温暖化対策】
Q: 先日、5閣僚の中で、地球温暖化に向けた削減目標について議論があったかと思うのですが、政府内では、洞爺湖サミットまでに日本独自の削減目標を掲げるべきではないかという意見もあるようですが、大臣としては、その点についてはどのようにお考えですか。

A: 何度も申し上げていますけれども、主要排出国が脱落しないように、このハードルを上げていくということが大事なのですね。そのために、どういうアプローチが必要かと、いろいろな知恵があると思います。その知恵を、手法をうまく組み合わせていって、洞爺湖サミットに結びつけ、そして翌年のCOP15で皆揃って実効性の上がる仕組みができ上がるということが大事だと思います。いまから、特に私から各論について、詳細な決め打ちはしない方がいいと思います。総理ご自身がこれからいろいろな機会で、日本の考え方を発信していかれると思います。


Q: いまの関係で、政府内でこれまでの検討の結果、各セクターごとにボトムアップで積み上げていったもの、その結果を一つ、数値を込めた目標として、掲げるのが妥当ではないかということで、意見が収れんしつつあるというように聞き及んではいるのですけれども、こういう考え方につきましては、いかがでしょうか。

A: そういう報道がされたというのは、私も承知しておりますが、いま最終調整中ですから、どういう方向に決まったということではありませんで、ダボスで総理がどうおっしゃるか、ぜひ楽しみにしていただきたいと思います。

【暫定税率】
Q: この間も伺いました暫定税率の件で改めてなのですけれども、民主党はガソリン国会と銘打って、この問題をやろうとしていますが、大臣ご自身のお考えとして、既に世の中の間では、3月31日から4月1日にかけて、3月から4月にかけて、需給の大きな振れができるのではないか、また4月1日は相当ガソリンスタンドに行列ができて、行ってみたものの、蔵出しが3月中だったために、下がってないので何だとか、相当なトラブルが起きるのではないかという懸念も消費者内で出ていますけれども、大臣ご自身、この問題についての見解をお願いします。

A: 暫定税率を維持するという法案は、この国会に出るわけです。要するに、成立が間に合うかどうかという話になるわけです。そうしますと、仮に成立が間に合わない場合は、一時の間だけの世の中の混乱が起きるわけでありますから、それについては無用な混乱が極力起こらない方がいいと思います。道路も当然必要なわけですし、自動車ユーザーに資するような使い方にも、いろいろと道路関連で使われるわけですから、いずれにしても穴が開いた部分について、必要な部分は他の予算を使って埋めなければならないという事態になりますから、そうしますと、他の予算、他の政策執行がその分だけ滞ることになるわけでありますから、それはいかがなものかなと思います。

 租税特別措置の法改正は、一括として提出をされるはずですから、いずれにしても中小企業対策とか、いろいろな部分が同様なことになってしまうということも懸念をしております。

つづく続きを読む
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