2009年01月09日

オバマ政権の原発政策?

 姉妹ブログの『ん!-ピークオイル時代を語ろう-』の記事
「09年1月20日はポストピークオイルディ?」
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/forum2/15885.html
の中で、オバマ次期政権のエネルギー政策について紹介しています。

 この中でも出てくる、オバマ次期政権の政権移行チームのジョン・ポデスタがかつて設立したシンクタンク「Center for American Progress」のHPに研究報告が掲載されていました。
 この記事の著者はJoseph Rommという、Climate Progressというブログのライターです。有名なワシントンDCの(政治的に穏健な?)環境保護活動家のはずです。

The Staggering Cost of New Nuclear Power
Part One in a Series on a New Nuclear Cost Study原発新設の費用研究その1
http://www.americanprogress.org/issues/2009/01/nuclear_power.html

Warning to Taxpayers, Investors: Nukes May Become Troubled Assets
Part Two in a Series on a New Nuclear Cost Study原発新設の費用研究その2
http://www.americanprogress.org/issues/2009/01/nuclear_power_part2.html
 
”新たな研究は、新設原発からの電力生産コストは25-30セント/kWhであり、米国の電気料金の3倍!にも上ることを示した。

 このビックリさせる価格は、今日利用可能なさまざまな二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギー源の費用よりもはるかに高い。また、省エネの費用の10倍にも上る。”

論文のリンク
Business Risks and Costs of New Nuclear Power
http://climateprogress.org/wp-content/uploads/2009/01/nuclear-costs-2009.pdf
…ということで、温暖化対策の観点から既存の原発の活用を容認しつつ、新設は経済的にコストが掛かりますよ、といういわば相手側(産業界側)の土俵での議論を進めようとしている状況かと思います。
 といっても、実際にはアメリカで1978年以降原発の新規建設が途絶えてきた理由は、この経済性のなさによるものが大きいので、原発を使わない一番強力な論点であるのは確かですが。

 さて、このような立場が実際に1月20日以降のオバマ新政権の方針になるのかどうかは分かりませんがそういう主張が政権内に通っているという根拠として、挙げておきましょう。

 高価な対策にお金を掛けることで、「クラウディングアウト」とでも呼べそうな、原発建設へ投資することで他の自然エネルギー等に投資が回らないという問題が起こることになります。
 とはいえ、グリーン・ニューディールという名目で無原則に大きな投資を容認するようなことになれば、原発にも投資をドンと積むことになりかねません。

 先日出てきた、「日本版の緑のニューディール」という話には、その付和雷同ぶりに笑っちゃいました(そんなもん、2020年の削減数値目標と一緒にポズナニCOP14の前に出さんかい!)が、本家のオバマにはそんな無原則な公共投資ばかりにならないよう、環境NGOsの声がきちんと反映されることを望みます。
posted by おぐおぐ at 09:52 | TrackBack(0) | 核エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月17日

だけどそれでも原発は必要じゃないbyジョージ・モンビオ

ジョージ・モンビオがガーディアン紙に書いた脱原発側の主張から抜粋をしておきます。
Thanks, But We Still Don’t Need It
「ありがと、だけどそれでも必要じゃない」


−論点のいくつかはもう有効ではないが、それでも原発は間違った技術だ−
By George Monbiot. Published in the Guardian 11th July 2006.
−−−   −−−   −−−
”環境運動の中で諍いの種を播きたいなら原発以上にいいものを作れないだろう。
私たちは公式には今日英国政府が発表したエネルギーレビューを口をそろえて攻撃するとしても、自分たちが正しい決定をしたのかどうかを内輪で問いかけ始めれば、互いへの毒舌のいくつかは差し控えることだろう。”

”もし原発を火力発電に転換すれば、英国の年間のCO2排出量は約5100万トン(全体の8%分)増加する。”

”グリーンピースや新経済基金、持続可能な発展委員会などの団体は、私たちが原子力に舵を切らないでも2050年までにCO2排出量の60%削減という政府の目標を達成できることを示す報告書を作っている。彼らは正しいが、その目標は今や不適切になった。”

”私が9月に出そうとしている本の中では、人口の増加と炭素吸収源の将来の吸収能力低下を考慮に入れれば、2030年までに世界的に人口一人当たりの排出量を約60%削減することが必要である。もし排出を公平に分配するならば、英国では今後24年間で87%の削減が必要であるとしている。”続きを読む
posted by おぐおぐ at 07:14| 核エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月17日

プルサーマルはエネルギー支出を正当化できるのか

高速増殖炉の未来のなさ、原発のピークウラン問題という制約について続けて見てきました。今度は、現在進行形の「プルサーマル」自体のエネルギー収支比について考えてみましょう。

プルサーマルとは、要は、使用済み核燃料の中から再処理でプルトニウムを取り出して、再度原発の燃料に混ぜて使うという仕組みです。
つまりワンス・スルー方式で、再処理をせず、使用済み核燃料を単に冷却・保管し続ける場合と比べて、プルサーマル方式では本当にネット(正味)のエネルギーが得られるのかどうかという評価になります。

●各地の動き
今年の3月末を区切りとして、六ヶ所村の使用済み核燃料の再処理工場の実質稼動と共にプルサーマル導入についても各地で地元の同意や国の事業申請許可があるなど大きな動きがありました。

九州電力玄海原発…地元自治体首長と県知事による同意
 →今後MOX燃料の製造を海外に発注して、数年後から装荷・運転開始へ

四国電力伊方原発…国が電力会社から出していた申請書の安全審査を終え、認可
 →今後、地元自治体と県知事による同意の予定

中国電力島根原発…中国電力が申請?

中部電力浜岡原発…中部電力が方針を発表

この六ヶ所村の工場と各地のプルサーマルの2つの関係は分かったようでよく分からない、誰にも説明できない状態が続いています(なので、「戦艦大和」と呼ばれるわけですが)。

六ヶ所村工場で取り出されたプルトニウムを使って発電しましょう、というのなら話は分かりやすいのですが、なぜか過去に海外の再処理工場で再処理、保管されていたプルトニウムを使って英仏ベルギーあたりでMOX燃料を作ってもらい、それを輸入してきて使うことが当面計画されています。
(ほな、なんで六ヶ所村の再処理工場を動かすねん、というツッコミは当然のことですが。)続きを読む
posted by おぐおぐ at 05:59| 核エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月14日

ピークウラン問題

風力発電とEPRの続きです。

[Wind Turbine EPR]の単語でググッてみました。もちろん英語圏の論文についてです。
まだ一部しか目を通していませんが、以下のようなのがひっかかりました。

・The Wolf at the Doorのホームページ(ピークオイル関係のページ)
Alternate Energy Sources
この中ではそれぞれEPRを、バイオエタノール0.7-1.8 水力11.2 風力0.03-2 潮力15 地熱1.9-13 太陽熱1.6-1.9 (温水器), 4.2 (タワー式発電) 太陽光1.7-10
と数字だけ示しています。風力は低い数字も出ていますね。今後の要検討課題とさせてください。

また、nuclearでは

原発のEPRを4としています。

しかも原発の数字の元データの論文に当ってみると、4というのは最良のウラン資源の場合であるというのです。

http://www.stormsmith.nl/report20050803/Chap_1.pdf
でLCCO2をかなり包括的に検討をしているようですね。
ここでは、濃縮精錬前のウラン鉱石中のUの濃度が0.1%を切るとCO2削減効果は悪化し始め、0.01%以下になると石油を直接燃やしたほうが良くなる、といった評価となっています。続きを読む
posted by おぐおぐ at 01:50| 核エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月09日

六ヶ所村の放射能汚染問題

“STOP!再処理 ネットワーキング”に賛同し参加します。

 特筆しておきたいのですが、温暖化対策をしなければならないと思う人たちが、間違って「原子力村」である今の官+産+学各分野にいる官僚たちの後押しをしたりしないようにして欲しいと思っています。
彼らのハードエネルギー路線には、変革とか方針転換という文字はないからです。

温暖化対策はなによりもまず、2℃の気温上限での安定化といった、従来路線とは異なる根本的な「変革」に進む合意を得ようとすることから始めなければなりません。
いのちがだいじ、と思い「変革」を求めて行動している人たちを敵に回して、官僚と一緒に温暖化対策を進められる、と思っているとすればそれはひどい錯覚というものです。続きを読む
posted by おぐおぐ at 20:58| 核エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月08日

高速増殖炉開発は検証に耐えうる計画なのかその1

●ハードエネルギーパスの雄、原発
ハードエネルギー路線推進派である現在の日本の官−産−学界にとって今のところもっとも受けの良い、いわば希望の星であるのは原発(原子力発電)であると言えるでしょう(こうしていわゆる原子力村が原発を推進する構造になっています)。

(もう一方のハード路線、つまり石炭火力発電所をどんどん建設するという方向は、石炭が単位熱量当りのCO2排出量が高い最悪の化石燃料であり地球温暖化の問題で制約される上、他のSOx、NOxやPM、水銀、フッ素と言った大気汚染物質のオンパレードにもなってしまうため、制約をどんどん厳しくしていかなくてはなりません。)

ところで実績としての原発は、放射性廃棄物の処分方法ができていない、あるいは重大事故を呼び込みかねない様々な故障を起こし、広域の電力供給不安も起こしましたし、さらに人身事故まで起こすなど、過去に孕んできた問題が多々ありました。

●ピークウラン問題続きを読む
posted by おぐおぐ at 12:58| 核エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

高速増殖炉開発は検証に耐えうる計画なのかその2

●さらに本質的な問題−増殖の幻
 さて、反原発運動の論客である京大原子炉実験所の小出氏は以下のように記しています。

”…おまけに電力会社による試算でも、高速増殖炉が理想通りに実用化できたとして、はじめの原子炉を作ってから次の原子炉を立ち上げるのに必要なプルトニウムを生み出すまでには90年かかるというのです。今日のようにエネルギー消費を急速に拡大している社会にとっては、高速増殖炉はもともと無意味な代物でした。”幻だったプルトニウム利用(小出裕章)より)
つまり、増殖炉1基分の燃料が倍にならないと、次の増殖炉で発電できないが、それに90年も掛かるのだとすれば、大規模なエネルギー供給に使えるようになるのは22世紀以降の話です。

まあこの点についてはあえて推進派研究者の代弁をしておけば、元々酸化物(MOX燃料)の形で燃料を作るがために増殖期間が長く掛かるのであって、炭化物や窒化物あるいは金属の形で使えれば倍増に10年程度という短い期間を見込むことも可能だとして、研究を進めようとしているものなのだそうです。

”he has noted that‘we have made a beginning with oxide fuel (in the fast reactor) but we have to change this fuel cycle to metallic fuel. Metallic fuel gives you short-doubling time, of the order of 12.14 years, even 10. Then only … the third stage comes in. ”
参考:Nuclear dilemma: The deal and beyond(インドでの原子力開発の概要) by K. R. Rao
http://www.ias.ac.in/currsci/mar252006/759.pdf
より続きを読む
posted by おぐおぐ at 01:14| 核エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月25日

浜岡原発を止めよう!ブログで囲もう運動

 ちょうど今日から、第三回目の「ブログで囲もう浜岡原発!」のトラックバック・キャンペーン?が始まっています。

 以下ちょっと毛色は違いますが関係する政策ですのでキャンペーンに参加しておきたいと思います。
−−−−
 20数万人の方が犠牲になったスマトラ沖地震(インド洋大津波の方が一般的でしょうか)から一年。津波をはじめ、大地震の力の凄まじさを感じました。
 (まだ本当の死者行方不明者数は確定していないようですね。)
 日本でも、スマトラ沖と同じプレート型の東海地震が刻一刻と迫っており、その震源域に浜岡原発があります。続きを読む
posted by おぐおぐ at 16:43| 核エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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