2009年02月16日

オバマ政権の景気回復法案

 連邦議会(上下両院)で妥協案が成立し、オバマ政権の最初の景気刺激パッケージが動き出しました。
(オバマ大統領は18日に妥協法案に署名、成立しました。)

 シンクタンクCenter for American Progress
の記事
Recovery Plan Captures the Energy Opportunity
が紹介している法案の中身を紹介しておきます。

”クリーンエネルギーへのかつてない規模の投資がこの回復プランの中心の要素だ。現在各プログラムに支出している3倍の、710億ドルをクリーンエネルギープログラムに拠出し、同時にクリーンエネルギーへの200億ドルの減税を行う。”

”世界資源研究所(WRI)は従来型のインフラ投資と異なり、雇用創出効果は著しいと評価している。クリーンエネルギープログラムへの10億ドルの投資ごとにインフラ投資に比べ5000人近い雇用を増やす。”

”この中の断熱補助プログラムは、低収入の住宅への断熱補修に50億ドルを与え、100万戸を断熱し、直接間接に37万5千人の雇用を生み、さらに低収入家庭は年間のエネルギーコストを350ドル削減できる。”

”もう一つの連邦グリーンビルプログラムは45億ドルを受け取り、毎年連邦政府のエネルギー消費を数百万ドル分節約する。”

”居住用/商業ビルへの省エネグラントは63億ドルを受け取る。”

”84億ドルを輸送プロジェクトへ、80億を高速鉄道に費やす。現在おおむね787の計画がすぐさま実行可能になっている。公共交通機関への投資10億ドルごとに2万人近く雇用が創出される”

”風力他へのProduction Tax Creditの3年間の延長を含め200億ドルをクリーンエネルギーの税金控除にあてる。信用収縮で滞っている投資を再び引き付けるために建設費用の30%までを融資する。”

”このパッケージは問題が指摘されている送電網の問題にも取り組み、「スマートグリッド」と3000マイルの新たな送電網のために170億ドルの支出と信用保証を与える。”

”良いことには、最終法案は、上院案の「低排出」原発への500億ドルもの信用保証につながる5億ドルの枠を除外した。”

 一番最後には、
”It is 21st-century energy policy that follows eight years of inertia and reaction, and it is a remarkable achievement for an administration that isn’t yet a month old.これは8年間の惰性と反応の後に続いて始まった21世紀のエネルギー政策であり、一月しかたっていない政権としては素晴らしい成果である。”
と絶賛しています。

 政策シンクタンクにとっての嬉しい瞬間なのでしょう。続きを読む
posted by おぐおぐ at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 再生可能エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月29日

新エネについてのパブコメ

 今日までの締め切りのものにコメントを送っておきました。

−−−
氏名 ###

連絡先
<@>

本件への意見

 洞爺湖サミットを経た現在、エネルギーをめぐる4つの状況が明らかになっています。
 現状の低いレベルの新エネルギー普及率を正当化するためだけの国際比較は無意味です。
国際比較の項目に、下記の4項目の現状を記述した上で、再度緊急提言を一から作り直すべきです。
 そしてこれらの4つの状況を真摯に受け止めて、7/17にアル・ゴアが提案した「10年間で電力を全て脱化石燃料化する」提案や、あるいはレスター・ブラウンが本『プランB3.0』の中で示している提案「2020年までに80%削減」に匹敵するレベルの「緊急事態対応計画」を作ったうえで、新エネルギー推進のための国民総動員体制をとるべきです。
 当然、現在の新エネルギー普及の手詰まり状況を引き起こしているいわゆるRPS法は撤廃し、最速で最大限の新エネルギー導入をできる制度(現在知られている中ではFIT制度が最も有用でしょう)を採用してください。


1.「地球最後のオイルショック」=石油生産量の歴史的なピーク、つまりピークオイルが近いという懸念が顕在化してきたこと。

・Nzのクラーク首相がピークオイルは近いかもう入っていると認めるなど、ピークオイル問題を認識した国々では、2030年カーボンニュートラル国家宣言(ノルウェー)や2020年までの脱石油国家計画(スウェーデン)など、緊急事態対応計画を策定し、自然エネルギーの推進をその中核に据えています。
・北海油田が生産量ピークを過ぎ、すでに石油の純輸入国に転落した英国のブラウン首相も、今が第三次石油ショックであることと、市場がピークオイル懸念を深めていることが投機も含めた現在の高騰の原因であると主張しており、「つまり英国が低炭素経済に変わるという目標は、環境面の意味だけでなく経済面の優先課題ともなっている。」と主張しています。
・前述のアル・ゴアの発言の中でも、「再生可能エネルギーがまだコストが高すぎるという人たちへ尋ねよう。世界中で増加し続ける需要を満たすために急速に減耗しつつあるエネルギー源に我々が頼り続けさえすれば、石油と石炭のコストは増加を止めるというのか?石油と石炭への需要が高まれれば価格は上がる。しかし太陽電池への需要が高まれば価格はしばしば下がるものだ。それが違う点だ。一つの燃料は高くてますます高くなる。もう一方は永久にタダだ。」とあります。
やはり彼の認識するピークオイルの現状を背景に米国に大転換を求めていると言えます。
参考:「アル・ゴアのエネルギー提案−大統領選への働きかけ」
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/14474.html

・IEAも7月の中期予測で示した分析は「かつてなくピークオイル論に近づいている(byウォールストリートジャーナル)」状況です。
・ドバイのような石油に浮かぶ産油国政府ですら、脱石油エネルギーの見本となる都市を建設し、経済を脱石油化する努力を始めています。
・日本は石油を産出しない上、ピークオイルに伴う資源確保競争によって、天然ガスや石炭など他の化石燃料も高騰し、供給も不安定化することが目に見えています。アメリカの「オイル・ショックウェーブ」シナリオ研究では、真っ先に没落するのは日本であるとされています。
・しかし日本企業では6月にトヨタの渡辺社長もピークオイルが近いと認めており、プラグインハイブリッド車などの省エネ車の推進体制を作るなど真剣に動き始めている動きもあります。

参考:ん!:ニュース短信その11 
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/forum2/14349.html


2.京都議定書の第一約束期間に入り、排出権購入が義務となったこと。

 今年から5年間の平均で6%削減が必要です。達成できない年次の排出権を海外から購入するため、国内で実施可能な対策を1年でも前倒しで達成すれば、日本政府の排出権購入を通じて海外に流出する国富を最小限にすることができます。


3.来年末に妥結する予定の「ポスト京都」の交渉において、2013年以降も強化された規制が続くことが想定できるようになったこと。

 自国での対策をサボることで、排出権取引を通じて購入しなければならない費用も高騰することが、今から目に見えています。割高に見える投資も、複数の約束期間排出権を買い続けることと比べれば採算が取れてきます。


4.温暖化の科学者から、あと10年間以内に温暖化対策が手遅れとなるティッピングポイントを過ぎる恐れが指摘され、新たな大気中CO2濃度目標として350ppm(20年前のレベル)へ、オーバーシュートして回帰することが必要だという声が上がり始めており、この声を受けて更に温暖化対策の目標レベルが大幅に強化される可能性が出ています。
 
・スウェーデンのテルベリで開かれたテルベリ・フォーラムでは、350ppmでの安定化を求めるコンセンサス決議が採択され、同フォーラムは今年6月23日のフィナンシャルタイムズ紙、ニューヨークタイムズ紙、インターナショナルヘラルドトリビューン紙にこの趣旨の広告を掲載しています。

・350.orgという運動団体もまた、G8洞爺湖サミットに向けてのオンライン署名運動を行い、G8のリーダーに対する申し入れを行っています。

参考:「G8のリーダーへ350ppmの新目標設定を求める署名」
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/14375.html


終りに
 必要な対策ではなく、政治的にできることしかやらない、という姿勢は、リーダーが取るべき姿勢ではありません。
 日本政府はリーダーシップを取ることはないとお考えかもしれませんが、だとすればなおさら、世界の風を「読む」ことは重要な審議会の役割です。
4項目のそれぞれについて追加掲載をしていただくようお願いします。

−−−
 やれやれ、主張というよりも事実関係を掲載するように、というメッセージのパブコメにしましたが、まあ4つの状況の内の一つも載せられないでしょう。続きを読む
posted by おぐおぐ at 20:56| 再生可能エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月14日

Renewable Energy Focus誌

 あまりニュースというわけでもないのですが。

 先日のPVEXPOで貰った雑誌、Renewable Energy Focus誌08年1,2月号の中から、興味を引いた記事を紹介しておきます。
http://www.renewableenergyfocus.com/

 やはり紙の雑誌はまとまっていて、読み応えがあるなあ、情報を集めるためにも英語の雑誌を取りたいと思うようになりました。

・Wind financing deals, coming of age
”EUにおける風力発電のための投資スキームは、初期において小規模なものがリスクマネジメントに無頓着なものであったが、市場が急拡大して大手エネルギー投資家が参入してきたことにより、成熟しつつある。
投資家の供給過剰によって限られた優良プロジェクトを奪い合う状態となっている。
各国でのFITやRPSなどの制度が異なる点が、複数の国と州の間での投資の遅れにつながりかねない。
将来の改善が求められる。”

・Germany's Promise
・英国政府はDong Energy社にアイリッシュ海のWalney洋上風力ファームの認可を与えた。450MW(45万kW)9億ポンド。
フェーズ1は2011年まで160MW、フェーズ2は2013年から290MW、送電線の系統強化の後に。
・デンマークのRodsand2は最終Sanctionが与えられた。EON社の215MWプロジェクトは2009年にも始まる。
・スウェーデンのLillgrundプロジェクトは110MW、今年末にほぼ完工。
・ドイツ−約束された市場
Windland Energy..社は北海のMeeruirul South&Eastの最初の40基の建設事業者および投資家を募集している。
ドイツでは電力会社が中心の英国に比べ小さな事業者が多く、投資協定の締結ができるかどうかがカギとなっている。
PrysminSpa社は、60MWのAlplan Venusプロジェクトのための海底ケーブル設置を受注した。
08年6月に11okV線を66km引く。
・ABB社は、4億米ドルのEON社の400MW Borkum2プロジェクト用の送電線を受注した。
ドイツ海岸から100km離れた北海のサイト、09年9月に。

波力/潮力プロジェクト
・豪Oceanlinx社(前Energythch社)はBOO方式で出資を募っている。Krembra港沖合いの50kWデモプロジェクトは06年に完成している。同社は英国のコンウォール沖のWave Hubプロジェクトに5MWの契約を結んでいる。オーストラリア、米国、ナミビアで計画がある。
・Marine Current Turbine社では、08年3月に1.2MWのSeagen機を設置予定。Seaflow機の後継モデル。北アイルランド沖のStrangford Loughに設置予定。
・EON社とLunar Energy社は5MWの波力発電機を南ウェールズ沖合いに計画している。環境アセス中。
8基のタービンを持ち、08−10年に建設。BERR部局が支援している。
・OpenHydro社は4千万ユーロのプライベートイクイティを集めている。今年中に新型のタービンを完成させ、オークニーの欧州海洋エネルギーセンターに設置される予定。元の装置は準備のために取り外し中。


Climate showdown in Bali by Steve Sawyer(GWEC、世界風力エネルギー協議会)
”米国はバリロードマップに合意した。すなわち2009年COP5コペンハーゲン会合を最終期限とする、明確な交渉プロセスを行うこと、その中で議論すべきことのリストに合意したのだ。信じないかもしれないが、これは1年前には到底考えられなかった前進だと言える。”

 CSPの進展期待、てのもありましたが。そろそろ根気が切れました。
posted by おぐおぐ at 22:41 | TrackBack(0) | 再生可能エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月01日

第一回国際太陽電池EXPO

 金曜日に有明であった第一回国際太陽電池EXPOへ出かけてきました。
 太陽電池の完成品そのものではなく各種太陽電池の製造装置関連機器の展示会という側面が多かったように思います。見学している外人さんもそれなりにいました。人出も多くて期待が高いんでしょう。

 でもまあ僕にとって一番の収穫は、Renewable Energy Focus誌08年1,2月号の無料配布物でした。後日記事の紹介をしたいと思います。
 
・アモルファスのロール式太陽電池
 富士電機(F-WAVE)カタログの依頼が多すぎて後で送るということでした。
 三菱重工もアモルファスの展示を
(いずれも系統連携用ということで電圧は100V級と高いんですね。)

・色素増感太陽電池
 島根県産業技術センター
 触媒化成工業の塗布機械
 他にもアチコチありましたが…。効率はまだまだのようです。先日書いたNHKの報道で勘違いをしていたようで、上のアモルファスのロール式太陽電池だったようですね。

・球状シリコン太陽電池
 京セミ社−透過型
 KIS社(集光型)フレキシブルな太陽電池
 これはSiの資源有効活用のための新製法といったものですが、まあ効率は高いままでどれだけ安く製造できるのか?を聞けるわけもなく…。

・ホンダソルテックのCIGS系
全国で販売開始で初めてちゃんとしたカタログをみたような。
各地の代理店について聞いてみましたが、コールセンターへ問い合わせ下さいとのことでした。

・台湾の企業が特設ブースで固まって、単結晶シリコン太陽電池の製品を数多く展示していました。

・中国企業のサンテックもでかでかと展示していました。

同時併設のセミナーは一つも聞けませんでしたので、実際にはなにも情報を仕入れていないようなものです。出展社のHPをこれから少しずつ回ってみましょう。

 同時開催の第4回水素・燃料電池展もざっと回りました。続きを読む
posted by おぐおぐ at 14:48 | TrackBack(0) | 再生可能エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月14日

薄膜太陽電池各社のどう?こう?/海外編も

(写真は昭和シェルの説明パネル@もったいない学会懇親会)

化合物薄膜型太陽電池
から1年経っての続編です。

・ホンダさんはCIGS太陽電池の新会社ホンダソルテックを12月に立ち上げました。

ブログ「ソフトエネルギー」:Honda、太陽電池事業子会社 ホンダ ソルテックを設立し 太陽電池事業に本格参入 / プレスリリース
http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2006/12/__7c72.html

 そこの熊本工場は来年秋に生産開始ということですから、今のうちからモニター?販売する先行の太陽電池は、試作のための関東のラインで出来た製品を使うものでしょうか。続きを読む
posted by おぐおぐ at 12:25| 再生可能エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月06日

再生可能エネルギーの講演会と展示会

ブログ:ソフトエネルギー
さんの記事で
イベント 10/11-13 第一回新エネルギー世界展示会 Renewable Energy 2006
http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2006/09/_101113_renewab_463d.html
という紹介がありました。


再生可能エネルギー2006国際会議(10/9-13)
http://www2.convention.co.jp/re2006/jpn-conf/index.html

第1回新エネルギー世界展示会(併設)
http://www.cnt-inc.co.jp/energy/top.html
"世界の再生可能エネルギー関連メーカー200 社が「見て!触れて!明日を拓く新エネルギー」をテーマに最新の商品・素材・製造技術・測定器・周辺機器等を展示します。"
だそうです。

 国際会議の方は参加費が高い(それに長丁場です)のでパスするとしても、併設の展示会(こちらは無料)とその関連イベント、併設イベントを聞きに行くだけでも面白そうですので、行ってみようと思います。もし行けたらいいな、無理かも状態です。

 国際会議の中の12、13日のジャパン・デーでは、
○ジャパン・デー
 「太陽・風力エネルギー合同研究発表会」を、2006 年度は本国際会議の中に組込み、日本語で行なうジャパン・デーとして実施する。ジャパン・デーの参加者は一定の追加費用で国際会議にも参加でき、国際会議参加者はジャパン・デーのセッションにも自由に参加できる。わが国の多くの参加者が活用できるよう工夫している。


ということですので、ここだけでも価値がありそうですね。
posted by おぐおぐ at 11:38| 再生可能エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月28日

世界各国ではどんな再生可能エネルギーに熱い視線を送っているか

Google Trends でキーワードが使われている頻度を調べてみました。

傾向と対策/search and mitigate. その1 by『南十字星通信』 を参照下さい。

上のグラフは、
上側は各地域のHPの中で、下側はオンラインのニュースの中で、過去2年半ほどの間にある用語が使われた頻度を時系列のグラフにしたものです。
各々の折れ線は、それぞれ、水色=geothermal 赤=biomass オレンジ=solar water 緑=wind turbine 青=solar cellという用語を示しています。

 また個別のキーワードごとに言葉が使われたトレンドやニュースとなった件数、都市別、国別、言語別のシェアが分かります。
やってみると意外な結果が…。続きを読む
posted by おぐおぐ at 22:51| 再生可能エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月16日

自然エネルギー開発を阻害している新エネRPS法へのパブコメは5月18日まで

風力発電の最速成長曲線はどうして日本に当てはまらない? の続き、「インドや中国といった積極的な途上国にも追い抜かれつつある日本の風力発電復活の鍵はなんなんでしょう。」の解答編です。


日本の風力発電導入の減速、これは、飯田哲也氏が2004年の時点で、# 第3回 風車が切り開いた「新しい論争」 の中ですでに詳細に解説していたように、予期されていた停滞でした。

 一部引用。
−−−
 ”ところが、日本の風力発電業界には陰うつな空気が漂っている。多くの計画が、実現の見通しが立たずに「立ち枯れ」状態になっており、ようやく成長し始めたばかりの日本の風力発電が、なんと「存亡の危機」にあるからだ。”

 ”現在の無惨な状況は、何よりも第1に、昨年4月に施行された「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」、通称「新エネRPS法」が原因である。”続きを読む
posted by おぐおぐ at 06:23| 再生可能エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。