2008年07月07日

マッキベンの『ディープ・エコノミー』

 20年前頃、地球温暖化を説いた『自然の終焉』などの本で知られるビル・マッキベン氏の本が最近日本語訳されています。

『ディープ・エコノミー』
http://www.amazon.co.jp/ディープエコノミー-生命を育む経済へ-DIPシリーズ-ビル・マッキベン/dp/4862760295/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1215381086&sr=1-1

 題名は、"Relocalize now!"と付けられていてもおかしくないと思いました。そういうピークオイル対応策の観点から読みたかった本にたまたまめぐり合ったという感じです。CSA=TEIKEIの実例も出てきて読み応えがあります。
 また、ハーマンデイリーなどの持続可能性についての経済学の近況を読み解いています。

 なお、マッキベンの最近のキャンペーンは以前、350.orgで紹介しています。続きを読む
posted by おぐおぐ at 05:41| 環境哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月03日

正月のNHK番組をみての感想

 とにかくNHKさんには質量ともに圧倒されました。
今年は「地球エコ2008」http://www.nhk.or.jp/eco2008/という題で各チャンネルでキャンペーンのような特集を組んでいきたい、ということです。
 できるだけ簡単に各番組を紹介をしておきます。

●12月30日11:10〜12:00
地球特派員2007
「アメリカ 動き出した温暖化対策」
 デスク金子勝、取材伊藤洋一で、米国の再生可能エネルギー植物油で動くディーゼル車に乗換える、カリフォルニア州の温暖化対策法(域内排出枠取引)、ビルツメモにみる政府の科学への検閲、背景となる石油産業の関与と産業界からの前向き圧力、環境ビジネス、エタノールブーム等を紹介していました。

 伊藤氏:「米国取材に行って分かったのは、ブッシュの政権はそうなんだけど、草の根は動き出しているなあ、国の動きにも影響を与えているなあ。」
 バスに乗り遅れるな、というメッセージはNHKが戦略的に出そうとしているものかもしれません。

●12月30日13:15〜14:00
BSフォーラム「新時代の自転車ライフ」
 んーいーですねえ、吉本多香美さん健康的で。プライベートでは自転車でキャンピングまでやるそうで、、、おっと失礼。
 自転車の交通問題というだけでなく自転車に乗る歓びがこれほど取り上げられるとは、時代は変わったものだと思います。続きを読む
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2007年12月12日

本の紹介『未来は緑  ドイツ緑の党 新綱領』

 皆さん感じていることと思いますが、地球温暖化対策の規模というのはおそらく、脱温暖化社会への大転換という形で社会全体を組みなおすということが必要なほどのものでしょう。

 そのための参考文献として挙げておきたいと思います。
未来は緑―ドイツ緑の党新綱領(著)同盟90/ドイツ緑の党
未来は緑―ドイツ緑の党新綱領
出版社/メーカー:緑風出版
価格:¥ 2,625
ISBN/ASIN:4846107191
Rating:ZERO


以下、翻訳チームからのメッセージの転載をしておきます。続きを読む
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2007年09月30日

そして二人は一緒に笑った

気候のサインにも関わらず科学者たちは希望を持ち続ける
Scientists Hopeful Despite Climate Signs
http://ap.google.com/article/ALeqM5hQgBCb6lEVac4JPDJK_TRRWSGixQ
AP電よりほぼ全訳しておきます。

−−−

 気候の科学者たちは、人類は気温を上昇させており、極地の氷床を溶かし海水を危険なレベルまで上昇させ、大量絶滅の引き金を引いていると言う。しかし、彼らはもっとも破滅的な結末は回避しうるしそうなるだろうと語る。

 マイケル・マンはこう言った。
「ときおり私達は自分があまり陰気なメッセージを送りすぎており、楽観する理由があることを十分伝えていないことを怖れている」、「私達は希望をもっている、あなた方もそうすべきだ」と笑う。続きを読む
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2006年04月21日

「不確実な未来をどう扱うか」

NHKなどで紹介されてきた気候シミュレーションを見ていて思うことですが、ともすれば辿れる路線があまりにも少ない、という誤解をさせる危険性があるのではないかと思います。

ちょっとはその中和薬になればと思い書いてみます。

日経サイエンス誌の2005年7月号に、「不確実な未来をどう扱うか」という記事が載っていました。
アメリカのランド研究所のポパー、レンパート、バンクスらの論文で、「緊急の課題に比べて、正確な予測が難しい気候変動のような長期的な問題の解決は先送りされがちだ だが予測できない未来に対応する方法があるはずだ」
とあります。

四角の枠に囲んだ要約として
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 不確実な未来に取り組む
■科学は政府や企業での意思決定に不可欠だが、費用便益分析をはじめとする意思決定の枠組みは、不確実性があるために正しく機能しないことがある。結局人間は何もしないことを選んだり、長期的展望を悪化させるような行動を取ったりすることも多い。
■著者たちは柔軟性に重点を置いた新しい枠組みを開発した。これは何がおきても十分に機能する政策を示し、テストを行い、それを実行するというものだ。
■状況に合わせて変更できるような仕組みを備えた政策が考えられる。温暖化防止に関するこのような仕組みの一つが「安全弁」方式で、確実に排出量を削減しながら費用が高くなりすぎないようにする。
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としています。ピークオイルあり、急激な気候変動ありの、まさに「危」「機」の時代の意思決定をどう支援するかというのが問題意識なのでしょう。

後日記:
 1.気候モデルはどこまで信用できるか/信頼できるか
 2.不確実な科学の現状で何を想定するか
 3.実験による確認は可能か
 4.予防原則とノーリグレット対策
のそれぞれの記事もご覧下さい。続きを読む
posted by おぐおぐ at 21:01| 環境哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月24日

本の紹介:「新・環境倫理学のすすめ」

 「沸騰!環境ビジネス」のブロガーふぁるこんさんが紹介してくれたことで、この本を読んでみました。

 あとがきより。「京都議定書のような国際協調体制が生まれることを同時代人に向かって期待しながら書いた前著と、京都議定書が誕生すると同時に傷だらけになっている現状で書いた本書との間には気分的に大きな違いがある。さらに深刻になる環境問題に直面する若い世代に向けて、重い課題を投げ出さないで引き受けて欲しいと願う気持ちで執筆したのが本書である。」

 以前僕も紹介しましたが、ピーター・シンガーの倫理学からの公正な大気の割り当ての根拠付けの中で、功利主義理由に基づく視点として紹介していますが、元のシンガーの論理はちょっと違う4種の中での相対比較を行っており、それらと比べて穏当な理由付けだから支持するとしていることを見落として評価を行っているようです。シンガーの論点は加藤氏の話の進め方と比べると政治的な存在感を重視している政治文書のように思います。
まあ、発刊までの最終の局面で急いで読んで加えたものとのことですのでしょうがないとは思いますが。続きを読む
posted by おぐおぐ at 15:52| 環境哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月10日

本の紹介:『グローバリゼーションの倫理学』

 二つ前の本の紹介の中で、高村氏によるゾルレン(べきである)とザイン(である)の2つの方向のアプローチをどう統合するかが重要だ、というメッセージを紹介しました。また、田中氏の考え方は、まずはポスト2012(注:「ポスト京都」→「次期枠組」と読み替えてください)の交渉の最初の獲得目標として、グローバルな長期目標の設定を進めるべきという考え方でした。
 もう一つの大問題の、分配の公正さについて倫理学のゾルレンの視点を分かり易く示した本として、今日紹介する本の第2章「一つの大気」がお薦めです。(もっとも「一つの共同体」あたりまでは一気に全体を読んでしまわないと、著者の言わんとするところが腑に落ちないかもしれません、ポスト9.11時代の国際関係論としても重要な教科書になると思います。)
 著者のピーター・シンガー氏は痛みの感覚を持つかどうかに着目した動物解放論で有名な人のようで、「闘う」倫理学者のようなスタンスの人のようです。
(ちなみに、フレッド・シンガー氏と いうのは長年の温暖化懐疑論者、フレッド・ピアス氏というのはニューサイエンティスト誌の記者だか編集者だか、で温暖化問題をよく取り上げている人です。)


グローバリゼーションの倫理学(著)ピーター シンガー,Peter Singer,山内 友三郎,樫 則章
グローバリゼーションの倫理学
出版社/メーカー:昭和堂
価格:¥ 2,415
ISBN/ASIN:4812205212
Rating:ZERO
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posted by おぐおぐ at 15:43| 環境哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月03日

フロン規制の教訓

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第24回会合が9月28日までモントリオールで開催されていました。
先日のIPCC会合では、もう一つのオゾン層破壊(代替フロン)問題とのかかわりについての特別報告書もフルペーパーが公開されました。これはモントリオール議定書の「技術経済評価パネル」との共著ですね。
『オゾン層と地球気候系を保護する:HFC類とPFC類』
http://www.ipcc.ch/activity/specialrprt05/IPCC_low_en.pdf

 この中の33ページの右側の図TS-9(フロン/代替フロン類の排出量推計(英文)) を眺めてアッと驚く人もいるかもしれません。フロン類は1989年の排出量ピークに比べて最新年では排出量を実に約1/3にまで(66%)削減できています。
 やればできるは魔法の合言葉〜♪、とどこかの高校野球の校歌にもありましたが、温室効果ガスの排出ってぐいっと減らせるものだったんだ、という実例がここにはあります。
 もっともそれは別の環境問題に対する別の環境規制の副産物として、でした。続きを読む
posted by おぐおぐ at 15:33| 環境哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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