2008年12月19日

ニュース短信その16

 この短信の目次一覧。

・9/26ティッピングポイントの解説アニメーション
・9/3010月から再度、国内の排出権取引試行始まる
・11/6 米大統領選にオバマ勝利
・11/10アル・ゴアも説くグリーンニューディール
・11/14IEAのWEO2008発表で、温暖化のシナリオを詳述
・11/20 オバマ次期大統領、世界と共に温暖化と闘うと約束
・11/29 ポズナニCOP14会合の情報はこちらから
・12/5 小島嶼国連合(AOSIS)は350ppmと1.5℃の安定化を求める
・12/12 ポズナニでのピークオイル論紹介は不発
・12/16 ニューディール政策とオバマ
・12/16 本「地球温暖化の予測は「正しい」か? (江守)」
・12/17 勝ち組日本車メーカーが垂直落下
・12/19 石炭ピークは温暖化の未来を決めるか

−−−−
●石炭ピークは温暖化の未来を決めるか
アメリカ地球物理学会(AGU)で議論になっているとのことです。
Natureblog:AGU 2008: Peak fuel reserves
http://feeds.nature.com/~r/reports/rss/climate_feedback_with_comments/~3/481792917/american_geophysical_union_200.html
BBC:Climate outcome 'hangs on coal'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7789249.stm
Scientific American:Coal Poses Climate Catastrophe as "Peak Oil" Approaches
http://www.sciam.com/article.cfm?id=coal-poses-climate-catastrophe-after-peak-oil
ピークオイルがあるので石炭液化が問題という立場、いや石炭ピークも近いという立場、350ppmを求めるからにはいずれにしても石炭規制は欠かせないという立場、の議論がそれぞれあるという報道のようです。

 H O P Eですねえ。
Yes We Can - Barack Obama Music Video
</param></param></param>

つづく●勝ち組日本車メーカーが垂直落下
 週刊東洋経済2008/12/20号の表紙は、
「自動車 全滅! ニッポン大恐慌の現実シナリオ」
独自データ:自動車関連企業321社の「業績壊滅度ランキング」
トヨタ赤字転落の危機!勝ち組日本車メーカーが垂直落下
となっています。
http://www.toyokeizai.net/shop/magazine/toyo/detail/BI/dbddeade43c6a09f82248e9751007354/#mokuji
に目次紹介があります。
 日本の自動車産業が操業停止に追い込まれれば、大きな排出削減が起こっても不思議ではありません。ピークオイルにともなう?不況の副産物として京都議定書の目標達成、というシナリオが描けそうです。

●本「地球温暖化の予測は「正しい」か? (江守)」
http://web.sfc.keio.ac.jp/~masudako/books_ja/emori2008.html
アマゾンへのリンクはこちら
 増田耕一氏による書評が出ています。気候モデル研究者が気候モデルの意味を解説している本です。温暖化懐疑論の方への説明のためにも、時間があれば僕も書評を書きたいなあ。

●ニューディール政策とオバマ
ブログ「中岡望の目からウロコのアメリカ」
バラク・オバマに関する2つの省察:ニューディール政策とオバマ
http://www.redcruise.com/nakaoka/?p=269

●ポズナニでのピークオイル論紹介は不発
Guardianコメント:At Poznan, no one is listening
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2008/dec/11/climate-change-peak-oil
 ジェレミー・レゲットが英国企業団体のピークオイル研究の発表のためにポズナニに向かった記を書いています。IEAのWEO2008解説ではピークオイルを国際官僚たちは隠さないといけないようだとか田中事務局長とのやり取りが出ています。自分のサイドイベントでは12人ほどしか聴衆が集まらなかったとか、こういう経験はなかなかコタエルでしょうね。

●小島嶼国連合(AOSIS)は350ppmと1.5℃の安定化を求める
 Earth Negotiations Bulletinの日本語版の、12月2日の議事録
http://www.iisd.ca/climate/cop14/japanese/enb12387j.pdf
によれば、
−−−
AWG-LCA ワークショップ
 AWG-LCA のMachado 議長が、ワークショップは共有ビジョンに対する共通理解を深めるための機会であると説明した。バハマが、小島嶼国連合(AOSIS)の立場から「共有ビジョンはSIDS やLDCs への更なる影響を防止するものであるべきだ」と述べ、350 ppm での濃度安定化と気温上昇を1.5oC に抑制することを支持し、すべての締約国による緩和を求めた。
 日本は、2050 年までに世界全体の排出量を50%削減する目標の採択を提案した。・・・ 
−−−
ということで、小島嶼国連合(AOSIS)は公式に、350ppmでの濃度安定化目標を議論のテーブルに上げました。

 同じく、NGOによるレポート、http://www.climatesafety.orgの中でも、北極の海氷の融解の加速など危険な気候変動を考慮して、350ppm安定化目標を模索する必要がある、という趣旨の議論が行われています。(CAN気候行動ネットワークが発行しているEcoの第4号で紹介されていました。)

●ポズナニCOP14会合の情報はこちらから
ブログ『京都議定書の次のステップは何だろう』
ポズナニCOP14の事前情報
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/post2012/15739.html
へどうぞ。

●オバマ次期大統領、世界と共に温暖化と闘うと約束
Obama Commits the U.S. to Climate Action!
http://www.350.org/obama-commits
350.orgより、オバマ次期米国大統領のYouTube発言紹介がありました。
−−−
ヤッタネ!
 私たちは次期米国大統領に、米国が世界のほかの人たちと共にあると再び誓うことを強く求めてきた。8年間の無行動の後に、気候変動を食い止めるために他の国と共に働く用意があるということを示すよう、5万人が次期大統領に署名を送ってくれた。
 そして今日、「知事たちの気候サミット」に向けてオバマ次期大統領は以下の発言をした。
「また、世界中からポーランドに来月集う代表たちに特別なメッセージを送らせてほしい。あなた方の仕事は地球にとって必須のものだ。会合時には私は大統領ではなく、そして米国の大統領は一時に一人だけなのだが、私は会議にオブザーバー参加する議会メンバーたちに、彼らがそこで何を学んだかを戻って語ってもらうよう頼んでいる。」
−−−
Youtube:A New Chapter on Climate Change(オバマの声明はこちら)
http://jp.youtube.com/watch?v=hvG2XptIEJk
</param></param></param>

●IEAのWEO2008発表で、温暖化のシナリオを詳述
要約の日本語版pdf

http://www.worldenergyoutlook.org/docs/weo2008/WEO2008_es_japanese.pdf

ちなみに、ピークオイル関連の記述については、
「IEAの公式発表では…」を参照ください。
その他:
IEA Calls For Significant New Steps To Battle Looming Climate Change
http://www.redorbit.com/news/science/1600393/iea_calls_for_significant_new_steps_to_battle_looming_climate/index.html?source=r_science
IEA stokes doubts over world's climate fight
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSTRE4AB2L220081112?feedType=RSS&feedName=environmentNews
グリーンピースの批判:IEA falls short of an Energy Revolution needed to avert catastrophic climate change
http://www.greenpeace.org/international/press/releases/iea-falls-short-of-energy-revolution-12112008

●アル・ゴアも説くグリーンニューディール
NYTimesに書いたコラム:The Climate for Change
http://www.nytimes.com/2008/11/09/opinion/09gore.html?_r=1&oref=slogin
”Here is the good news: the bold steps that are needed to solve the climate crisis are exactly the same steps that ought to be taken in order to solve the economic crisis and the energy security crisis.”
”At the time, the United States imported less than a third of its oil from foreign countries. Yet today, after all six of the presidents succeeding Nixon repeated some version of his goal, our dependence has doubled from one-third to nearly two-thirds ― and many feel that global oil production is at or near its peak.”
 主張は以前のもの(アル・ゴアのエネルギー提案−大統領選への働きかけ)と同じですが、経済危機が主張に説得力を与えています。

●米大統領選にオバマ勝利
○cocolith earth watchより
「100万人の地球市民からオバマ氏にメッセージを送ろう」
http://blog.goo.ne.jp/coccolith/e/53d1d92df0c49dd08d3f418a5485a1ca
−−−
 下記は、オバマ氏が掲げた世界に関わる10項目の選挙公約です。ブッシュ政権には考えられなかったことです。特に3番目の核兵器廃絶を掲げていることは、唯一の被爆国日本として大いに歓迎できることです。

1.2050年までにアメリカの炭素排出を80%削減と、京都議定書に代わる世界的拘束力のある協定締結交渉への積極的関与
2.16か月以内のイラクからの戦闘部隊撤退と、イラク国内に永久基地を持たないこと
3.世界からの核兵器廃絶に向けての明確なゴール設定
4.グアンタナモ拘置所の閉鎖
5.2015年までの極度の貧困半減と、HIV/AIDS、結核、マラリア撲滅の闘い加速のための援助倍増
6.緊張の平和的解決追求のためのイランやシリアとの外交的対話の開催
7、米軍をイラクに進駐させたような情報操作の繰返しを避けるための、軍情報部の政治的影響力除去
8.ダルフールでの殺戮を停止させるための大がかりな外交的努力の開始
9.新たな貿易協定の合意を、労働条件と環境の保全を満たすものに限定
10.10年間で1500億ドル投資による再生可能エネルギー事業支援と、2015年までに100万台のプラグイン電気自動車走行実現
−−−
 オバマはどれだけグリーンなものかは分かりませんが、いずれにしてもニュー・ニューディールを始めることを求められていることは間違いありません。手腕に期待ですね。
○Nature blog:Obama victory brings new hope for climate policy, dark days for fossil fuels
http://blogs.nature.com/climatefeedback/2008/11/obama_victory_brings_new_hope_1.html
の記事では、環境保護派の高まる期待について紹介しています。
○オバマの勝利でグローバル炭素市場に近づいた
、と投資家は排出権取引の拡大見込みに大喜びしています。
http://www.businessgreen.com/business-green/news/2229805/global-carbon-market-moves
”Investors in the carbon market are likely to be celebrating after the historic election of Barack Obama as US president brought the prospect of a global carbon market a major step closer to reality.”
○オバマ次期大統領の演説
ブログ「経済ニュースゼミ」では、逐語訳を作っています。感動的な内容かと思います。
http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/archives/50758728.html
○gooニュース「アメリカに変化がやってきた」 オバマ次期米大統領の勝利演説・全文翻訳 <特集・米大統領選>
http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/gooeditor-20081105-05.html
○gooニュース「変化はいつかやってくる」という歌を聴いたことがありますか? コラム「大手町から見る米大統領選」(68回目)
http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/gooeditor-20081107-01.html
加藤祐子さんの解説がいいですね〜。

●10月から再度、国内での排出権取引試行始まる
 日本人は「お手合わせ」がお好きなようですが、本物のストリートファイトではない、畳の上の水練を何回やっても意味ないっしょ。
ブログ「R氏の3R・イン・東京」より
英語圏とのタイムラグ
http://blogs.yahoo.co.jp/r_shi2006/35766541.html
紹介している、「排出量取引インサイト」4.海外の国内排出量取引制度
http://www.ets-japan.jp/ovs/index.html
 というのは政府がまとめたものでしょうが。

●ティッピングポイントの解説アニメーション
http://wakeupfreakout.org/film/tipping.html
がnatureBlogに紹介されていました。

Wake Up, Freak Out - then Get a Grip from Leo Murray on Vimeo.

ニュース短信その15 につづく
posted by おぐおぐ at 08:42 | TrackBack(0) | ニュース短信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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