2008年09月11日

温暖化懐疑本の流行

環境新聞:環境図書月間売上ベスト10  2008年7月21日〜8月24日
http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news/showbody.cgi?CCODE=69&NCODE=108
と言うのがありました。

「環境図書月間売り上げベスト10」
八重洲ブックセンター本店3階しらべ (08年7月21日〜8月24日)

1偽善エコロジー 武田邦彦
2科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている 丸山茂徳
4「地球温暖化」論に騙されるな! 丸山茂徳
5地球温暖化論のウソとワナ 伊藤公紀・渡辺正
7ほんとうの環境問題 池田清彦・養老孟司
8正しく知る地球温暖化 赤祖父俊一

 以下の4冊を除いてトップ10の温暖化関係の本はすべて温暖化懐疑本です。

3トコトンやさしい太陽電池の本
6環境白書
9新・よくわかるISO環境法
10太陽光発電システムがわかる本

 ここまでくると笑うしかないですね。
懐疑本の編集者の皆さんは、狙いが中ってウハウハで笑いがとまらんでしょう。

 丸山氏の2位の本については、
ブログ『気候変動・千夜一話』に
「宝島社の新刊本」
http://blog.livedoor.jp/climatescientists/archives/401015.html
という記事があります。

コメント: すべての本をかっちり読んでもいないのに私自身の感想を垂れ流すとは、とお叱りを受けそうな気もしますが、正直言って、槌田敦氏やネット上の一部の懐疑派はまだ真剣に問題に取り組んでいるように思えて反論を作ってきましたが、それらの議論と比べても武田邦彦、渡辺正の両氏は非常に冷笑的な本の書き方をしていると感じます。
(武田邦彦批判というのを綾波シンジさんのブログ『環境問題補完計画』で独立したカテゴリーとして扱っていますね。)

 また、養老氏、池田氏のような解剖学者としての「権威をもった」ど素人が共感を得やすいような語りでポピュリズムを誘導するものも、じゃあ同じようなポピュリズムを刺激する役者が対抗の言論を吐けばいいんじゃないか、と短絡してしまいそうで、役者でない自分にとっては正直対象外です。

 伊藤公紀氏のあれもある、これもある、という提案は、海外の文献をフォローしての紹介と言う意味で、比較的まともに取り組まなければという気にさせるものです。

 丸山氏のは、新たに学会をでっち上げての扇動まではじめようとしているようですが、その批判の根拠が誤読だらけの過去のプロキシーデータたった一つ、というお寒い状況のようです。
 これは明日香氏らの地球温暖化問題懐疑論へのコメントVer2.4に新規の項目(議論8. 過去約2000年間の気温変動に比べれば、過去約100年間の温暖化は異常なものではない。(丸山 2008b, 183-186ページ))として掲載されています。
 ラブロックが提唱しているガイア論の裏にある、太陽活動の数十億年単位の活発化については全然知らないようで、石灰岩や生物によるCO2の吸収が過去数億年間の寒冷化に寄与した役割を無視していれば、近い将来の寒冷化を心配するのもありだろうな、ですが、ラブロック同様に野心的なプリュームテクトニクス論を唱えたトンデモな科学者だからこそ、論理整合性に無頓着でもまあしゃあないか、と思われ、このあたりは槌田敦氏にも近い性格的な穴があるように思います。

 赤祖父氏については、北極の気象についての専門家でもあり、本を読んでいろいろ反論の論文も調べる必要があると思います、彼自身についての評価はペンディングになりますが、IPCCの評価の中身を見ないでの批判には根拠がないはずです。
 以前書いた記事、「北極の海氷の減少は「オゾンホール発見」物語のようなものか?」の記事の中で紹介した北極振動フィードバックの研究者たちの上司だったはずなので、その部下の研究についてどうみているのか、というあたりも関心があります。

 ということで、懐疑論の興隆に敬意を表して、一冊だけ、赤祖父氏のを買って読んでいきたいと思います。 つづく。
posted by おぐおぐ at 11:33 | TrackBack(0) | 温暖化懐疑派・否定論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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