2008年08月02日

コメント欄より:沈思黙考さんとのやり取り

(一つ前の記事、「CO2の温室効果は飽和する?」
の続きとしてお読みください。量が多すぎて、記事の更新が出来なくなりましたので、別記事として独立させておきます。)

 以下に、沈思黙考さんとの以前のコメント欄でのやり取りを保存します。

●Posted by 沈思黙考 at 2008-07-28 04:30:29
はじめまして。
私は、懐疑論(温暖化の原因=分からない・・・
少なくとも人為的に排出されたCO2だとは考えられない)に
コミットしている者ですが、私とは異なるSGWさんの見解を伺ってみたくて投稿いたしました。

> 真空の宇宙空間に向かって熱を逃がすメカニズムは
> 放射以外にはありません。
「地球からの熱放射」・・・SGWさんご指摘の
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/dd/Atmospheric_Transmission_JA.png
> 真空の宇宙空間に向かって熱を逃がすメカニズム
は、いわゆる「大気の窓」を通じてであって、

 (SGW:後だしジャンケンの解説をさせてもらえれば、この引用されているグラフの右側の青い地球放射の成分は、地表面の固体液体から「大気の窓」を通じて直接宇宙空間に逃げ出している成分だけしか表示していません。総合的な熱のやり取りを示した下のグラフの中では40と、ほんの一部です。一方、温室効果ガスの寄与は、Emitted by Atmosphere=165です。)
0dim.png


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%B0%97%E3%81%AE%E7%AA%93
温室効果ガスの吸収帯とは違いますよね。
帯域が違うということは、温室効果ガスによる放射そのものは、
大気圏を循環しているだけで、宇宙へは、ほぼ漏れ出していないと見なせませんか?
「大気の窓」を通じた放射=黒体輻射
が「地球からの熱放射」であって、温室効果ガスによる放射は
> 真空の宇宙空間に向かって熱を逃がすメカニズム
"そのもの" としては、無視できる程度なのではないでしょうか?

私が申しているのは、
> 一旦吸収されて分子の運動に変わったエネルギーは、
> 再びCO2の励起スペクトルの窓からふく射の形で
> 逃げ出す以外に逃げ場はないんだ
というご意見は、間違っているのではないか? ということです。
> 一旦吸収されて分子の運動に変わったエネルギーは、
> CO2の励起スペクトルの窓
ではなく、「黒体輻射」の形で「大気の窓」を通じて、
宇宙に逃げ出すのではないか? ということです。

繰り返しますと、各種熱運動に変換されたエネルギーが「黒体輻射」として、「大気の窓」を通じて宇宙に放射される・・・というのが、私の「地球からの熱放射」に対する見解です。
温室効果ガスによる放射は、概ね、自由エネルギーのより小さい熱運動のエネルギーに変換されることになる訳ですが、
CO2の濃度 << 水蒸気の濃度
を勘案すると、「黒体輻射」へのチャンネルの1つとしての
CO2の役割は小さいと考えている次第です。

●Posted by SGW at 2008-07-28 09:37:07
沈思黙考さん、どうもです。

 「黒体」というのは、科学者が想定した仮想的な物体でして、考慮すべき赤外波長領域のあらゆる波長に渡って、単色ふく射率(=単色吸収率)が1となっている「モデル」物質です。

 ということで、
>各種熱運動に変換されたエネルギーが「黒体輻射」として、
>「大気の窓」を通じて宇宙に放射される・・・というのが、
>私の「地球からの熱放射」に対する見解です。
 という誰かが書いた文書にあるような「黒体ふく射をする物質」が現実に存在しているわけではありません。

 黒体ふく射の何十%程度の(全波長に渡って積分させた)総合ふく射率をもつのが、個別の気体分子であったり、雲を構成する氷の固体があったり、地表の水の表面があったりで、それらからのすべてごっちゃに合わせた、波長によって強度がまちまちな(赤外)光が上下両方向に飛び交っているわけです。

 「大気の窓」というのは、その中で特に水分子の特性に応じてできている吸収の少ない波長領域です。
地表面の固体液体から上向きに放射される赤外線はこの波長では宇宙空間まで届きやすいという特徴はあります。

 んで、そのいわゆる「大気の窓」を効果的に塞いでしまうということで、微量な温室効果ガスの増加による影響が大きいということが言われています。この範疇に入る温室効果ガスは、フロンガス、代替フロンガスなどでして、CO2の温室効果の2万倍といった大きなGWPをもっている大きな要因が、これらのガスの吸収率が高い波長が「大気の窓」の波長と重なっているという問題です。
CO2についても15ミクロン当たりでこの大気の窓に重なっています。(このへんですでに暑さボケしていますね。)

「分光吸収スペクトル」について
 いろんな化学物質の分光ふく射スペクトルを調べた文献を探してみてください。でもそのようなデータはどこにもありません。分光吸収スペクトルと全く同じものだからです。
 単色ふく射率=単色吸収率という関係にあります。
 この記事の本文の下側に、大気による分光吸収スペクトルの図を添付しておきます。
地表での分光吸収スペクトルと高度11kmでの分光吸収スペクトルが違うのは、各温室効果ガス成分(特に水蒸気)の濃度が違うからですね。
 さて、大気の窓以外の波長の赤外光は結局どこから宇宙空間に出て行っているのでしょう?

●Posted by 沈思黙考 at 2008-07-28 22:34:21
SGWさん、ご返事読ませていただきました。
突然の問いかけにもかかわらず、速やかに応答してくださり、感謝する次第です。いま少し、お相手ください。

> 「黒体ふく射をする物質」が現実に存在しているわけではありません。
私は、ご指摘の件は了解した上で、
CO2を重視することに疑問をもつ観点から、
黒体近似で記述できるスペクトル成分(大気の窓)について
言及したつもりなんですが、どこかおかしな点がありましたか?

> 微量な温室効果ガスの増加による影響が大きい
私はこの点・・・地球温暖化を有意に促すほどの効果を水蒸気以外の温室効果ガスに求めるのはおかしいと考えています。

> CO2についても15ミクロン当たりでこの大気の窓に重なっています。
重なっていないとまでは申しませんが、無視できる程度ではないでしょうか?

> 単色ふく射率=単色吸収率
アインシュタインのB係数(誘導放出係数=吸収係数)のことですよね?
アインシュタインのA係数(自然放出係数)まで考慮すると違うんじゃないですか?

私は、
> 一旦吸収されて分子の運動に変わったエネルギーは、
> 再びCO2の励起スペクトルの窓からふく射の形で
> 逃げ出す以外に逃げ場はないんだ
というご意見(・・・以外に逃げ場はない)に、温室効果ガスの吸収帯域以外の主たる逃げ場として、大気の窓がある旨を述べた訳です。
温室効果ガスの吸収帯以外の主たる逃げ場があるのか?ないのか? についての検討であれば噛み合うのですが、
> 大気の窓以外の波長の赤外光は
> 結局どこから宇宙空間に出て行っているのでしょう?
という問いかけは、論点がずれてませんんか?

●Posted by SGW at 2008-07-29 14:39:24
沈思黙考さん

>黒体近似で記述できるスペクトル成分(大気の窓)について
>言及したつもりなんですが、どこかおかしな点がありましたか?

 一般的には、地表温度の黒体近似としては記述できない、欠けているスペクトル成分の波長帯「が」大気の窓と呼ばれています。すんません、後で将棋のマッタをかけさせていただきました。用語の使い方がどこかへんです。

>> 微量な温室効果ガスの増加による影響が大きい
>私はこの点・・・地球温暖化を有意に促すほどの効果を
>水蒸気以外の温室効果ガスに求めるのはおかしいと考えて>います。

 大気の窓とは、実際には水蒸気がカバーしていない、欠けているスペクトル成分のことなんですが。

 実績として、グラフのデータを見ていただければ分かるように、高度11kmにおける吸収の主体?は水蒸気以外の分子です。この層でのこれらの吸収率が1に近い波長での吸収とふく射には、これらの固有のスペクトルを持つ分子だけが関与しています。
 水蒸気はこの高度(対流圏上端)には実質上存在していません(分圧が非常に低い)から影響を及ぼしていませんが、他の温室効果ガス分子は存在して、分光特性として現れているわけです。

>> CO2についても15ミクロン当たりでこの大気の窓に重
>なっています。
>重なっていないとまでは申しませんが、
>無視できる程度ではないでしょうか?

 上に書いたように高度によって寄与の度合いは変わります。

>> 単色ふく射率=単色吸収率
>アインシュタインのB係数(誘導放出係数=吸収係数)の
>
ことですよね?

 アインシュタインの係数については寡聞にして知りませんが、光は波長で決まるエネルギーを持っていることから、キルヒホッフの法則においてエネルギーバランスが整合性のある式としてなりたつためには、すべての波長にわたって、単色ふく射率=単色吸収率となっているわけです。
 そうでなければ、まさに熱力学の法則が間違っていたことになり、熱を溜め込むブラックボックスができる、パラドックスが生じます。

つづくPosted by SGW at 2008-07-29 14:42:45
>> 一旦吸収されて分子の運動に変わったエネルギーは、
>> 再びCO2の励起スペクトルの窓からふく射の形で
>> 逃げ出す以外に逃げ場はないんだ
>というご意見(・・・以外に逃げ場はない)に、
>温室効果ガスの吸収帯域以外の
>主たる逃げ場として、大気の窓がある旨を述べた訳です。
>温室効果ガスの吸収帯以外の主たる逃げ場があるのか?
>ないのか? についての検討であれば噛み合うのですが、
>> 大気の窓以外の波長の赤外光は
>> 結局どこから宇宙空間に出て行っているのでしょう?
>という問いかけは、論点がずれてませんんか?

 沈思黙考さんの用語体系と僕の認識している用語体系がずれているのだと思います。
正直言って話が成立しているとは思えませんが、どうしましょうね。

 大気の窓は、水蒸気(温室効果ガス)のカバーしていない範囲なので、ここに吸収スペクトルをもつ微量温室効果ガスは、わずかな濃度でも地表から直接宇宙空間に逃げる熱を妨害するので効きます。

 大気の窓以外の波長では、水蒸気からの黒体類似のふく射の外側をCO2などの温室効果ガスが取り囲んでいる形になっています。

 さて、(水蒸気による)大気の窓というのは地表0メートルの高度では非常に限られたスペクトルしか窓が開いていないわけですが、だんだん高い高度を見ていくにしたがって、窓は全開に広がっていくわけです。
なので、上空にある温室効果ガスのふく射環境には、(水蒸気による)大気の窓の影響は限定的にしか現れません。

●Posted by 沈思黙考 at 2008-07-29 21:44:34
> 正直言って話が成立しているとは思えませんが、どうしましょうね。
いつごろでしょうか? 随分精力的に活動されているなあ・・・と、半ば感心しながら・・・、様々なコメントに対して、対処されている様子を、興味深く拝見しておりました。
もし、面倒であればスルーしてくださって結構ですよ。
ブログを管理する大変さは承知しているつもりです。

> 大気の窓とは、実際には水蒸気がカバーしていない
大気の窓とは、水蒸気のみではなく、CO2も含めた
大気一般を対象にした透過率の高い帯域ではないのですか?
> (水蒸気による)大気の窓
という記述は、水蒸気のみならず大気一般を想定する旨を理解しているからこその表現だと解しましたが・・・
大気一般を対象にした透過率の高い帯域という意味で、大気の窓に対するCO2の吸収に関して、「重なっていないとまでは申しませんが、無視できる程度ではないでしょうか?」と申し上げた次第です。

> 用語の使い方がどこかへんです。
大気の窓 = 大気一般を対象とした透過率の高い帯域 を想定すれば、折り合いはつくと思いますが如何でしょう?

> 高度11kmにおける吸収の主体?は水蒸気以外の分子です。
> 高度によって寄与の度合いは変わります。
了解しております。それでも、上で述べた大気の窓が透過率の高い帯域であることに変わりないのではありませんか?

> そうでなければ、まさに熱力学の法則が間違っていたことになり、
> 熱を溜め込むブラックボックスができる、パラドックスが生じます。
間違ってますよ。輻射に関わる過程(放射・吸収)のみを考えた場合、状態数の違い(励起状態の数密度:Ne < 基底状態の数密度:Ng)で、熱平衡(≠ 熱を溜め込むブラックボックス)
が担保されるわけですから。熱平衡下では、放射数密度 = 吸収数密度、単色光の強度密度:ρ=一定 ですから、
(A+B・ρ)・Ne = B・ρ・Ng
アインシュタインのA係数:A、アインシュタインのB係数:B
熱平衡下で、必ず Ne < Ng(ボルツマン分布)となるのは、
SGWさんの用語を使えば、
単色ふく射率(A+B・ρ)> 単色吸収率(B・ρ)だからです。(つづく)

Posted by 沈思黙考 at 2008-07-29 21:46:03
> 「分光吸収スペクトル」について
>  いろんな化学物質の分光ふく射スペクトルを調べた文献を
> 探してみてください。でもそのようなデータはどこにもありません。
> 分光吸収スペクトルと全く同じものだからです。
> 単色ふく射率=単色吸収率という関係にあります。
赤外分光で、吸収スペクトルと発光スペクトルが一致するのは、
単色ふく射率=単色吸収率に基づくものではなく、紫外・可視分光のように、電子遷移を伴わないことに起因しているのです。
紫外・可視領域(電子基底状態と電子励起状態を伴う)では、それぞれの状態における原子核の安定配置が異なるため、吸収スペクトルと発光スペクトルは、一般に鏡像関係になるのですが、赤外領域(電子基底状態のみ)では、原子核の安定配置に変化がないため、吸収スペクトルと発光スペクトルが一致する訳です。

> 一旦吸収されて分子の運動に変わったエネルギーは、
> 再びCO2の励起スペクトルの窓からふく射の形で
> 逃げ出す以外に逃げ場はないんだ
というご意見(・・・以外に逃げ場はない)に対する私の反論を
逐次形式で記述すると以下のようになります。

温室効果ガスによる赤外線の吸収 → 温室効果ガスの励起状態
→ 温室効果ガスの分子振動(無放射失括)
  (= 温室効果ガスの主たる緩和過程 ≠ 温室効果ガスの再放射)
→ 他の大気分子(主に、N2とO2)の分子振動
   by 温室効果ガスからの振動エネルギー移動
→ Σ(様々な分子振動)← 伝導・対流
→ 温室効果ガスの吸収帯域以外(∈ 私の言う「大気の窓」)での
  赤外線の放射
  (= 主たる逃げ場 ≠ 温室効果ガスの再放射 = 副次的逃げ場)

●Posted by SGW at 2008-07-29 23:17:23

 うーむ、われながら暑さで頭がボケていた、と言い訳をさせていただきますが、「大気の窓」についての自分の書いた説明がそもそもおかしいですね。ここは沈思黙考さんの書いている方が通常の説明のはずです。
ちょっとタンマです。

 しかし、熱的緩和が行われていない状況での再放射なんて議論は、成層圏の一番上の当たりの希薄な分子の状態でしか適用されない話、だというのがBlackcrow'sのブログでの議論の結論になっていたのではないでしょうか。つまり、通常の温室効果ガスの赤外線領域での吸収放出については、赤外分光吸収スペクトル=赤外ふく射スペクトルとみなして実質上問題はない、という状態のはずです。

●Posted by SGW at 2008-07-29 23:44:10
Posted by 沈思黙考 at 2008-07-29 21:46:03さんの中の論理について伺います。
温室効果ガスによる赤外線の吸収 → 温室効果ガスの励起状態
→ 温室効果ガスの分子振動(無放射失括)
  (= 温室効果ガスの主たる緩和過程 ≠ 温室効果ガスの再放射)
→ 他の大気分子(主に、N2とO2)の分子振動
   by 温室効果ガスからの振動エネルギー移動
→ Σ(様々な分子振動)← 伝導・対流
→ 温室効果ガスの吸収帯域以外(∈ 私の言う「大気の窓」)での
  赤外線の放射
  (= 主たる逃げ場 ≠ 温室効果ガスの再放射 = 副次的逃げ場)

この一番最後の赤外線の放射は、何から出てくる赤外線ですか?黒体ですか?
温室効果ガスの吸収帯域(=ふく射帯域)以外の何から赤外線がでるのでしょうか。

●Posted by 沈思黙考 at 2008-07-30 02:01:00
前回のコメントで終わりにしようかと思っていたのですが、
素早い返答にビックリしてしまいました。
> 自分の書いた説明がそもそもおかしいですね。
科学に携わる方の率直さはいいものですね。
私も忘れないように、戒めといたします。

> この一番最後の赤外線の放射は、
> 何から出てくる赤外線ですか?黒体ですか?
はい。黒体という表現(近似)を使うのは、
曖昧さを逃れませんが、事実、
大気の窓を通じて放射されております。
私の想定しているモデルとは、
地球+対流圏=黒体 です。

質問に質問で返すのは非礼かもしれませんが、いい機会なので、教えてください。
私は、有名な「温暖化の発見とは何か」をはじめ、内嶋善兵衛先生や住明正先生の一連の著作、その他、地球温暖化の原因としてCO2を重視する本を、好奇心の赴くままに、読んでみたのですが、未だ了解できないのです。
(個人的には、廣田勇先生のご見解を伺ってみたいと 思っているのですが、ご存知ですか?)
そこで、質問なんですが、人為的に排出されたCO2が、自然要因のみでは説明のつかない地球温暖化の原因であると、SGWさんご自身が確信されたのは、どういう根拠に基づいてなのでしょうか?

明日香壽川先生と吉村純先生の「地球温暖化問題懐疑論へのコメント」に掲載されていたように、シミュレーション結果が根拠なのでしょうか?

私、個人的には、シミュレーションに頼らざるを得ない分野というのは、十分あり得ると考えております。
ただ、地球温暖化の原因としてCO2を特定する上で問題なのは、光化学の観点から、地球温暖化の構図を描いている大家がいないことだと考えております。
温室効果ガスの光化学反応(励起分子の緩和過程 赤外分光)そのものが対象であるにもかかわらず・・・
私が、地球温暖化問題で、シミュレーションに重きを置けないのは、光化学的考察の甘さにあると申し上げる次第です。

●Posted by SGW at 2008-07-30 03:13:31
 沈思黙考さん、
 うーむ、僕自身の動機はフロンガスメーカー謙エアコンメーカーの研究職として過去に10年間勤めていたという理由によるものです。フロンガス/代替フロンガス自身は大気の窓を効率よく塞いでいる微量温室効果ガスですよね。
 CO2の方はまあ、エアコンを使い続けることに伴う公害=温暖化汚染のうちの最大の部分という認識で、温室効果そのものへの疑問は抱きようもなかったわけです。

 さて、沈思黙考さんの認識がおかしいところがようやく分かった気がします。
 大気の窓から宇宙空間へ放出されている赤外線の由来は、すべてが地表面の固体液体からの直接放射によるものであり、(あなたのいわゆる)黒体ふく射による赤外線は、大気の窓の波長帯ではゼロだ、というのが僕の認識です。

(たとえあなたが温室効果ガスでないと想定していても、)その波長でのふく射率がゼロではないガスが大気中にあるのなら、その波長での地表からの赤外線を吸収してしまい、その波長帯は大気の窓ではなくなるという点に根本的な矛盾があるわけです。

 したがって、あなたの書いた論理では、ガスが赤外線を溜め込む一方になってしまい、マクスウェルの悪魔の存在を仮定したものとなってしまいます。

 大気からのふく射は「ふく射率がゼロな大気の窓の波長以外の波長で」ふく射率100%の波長での赤外線がふく射されているのを、(黒体ふく射的なもの)と呼んでいるものです。

というあたりでお開きになるかと。

●Posted by 沈思黙考 at 2008-07-30 21:27:16
> 大気の窓から宇宙空間へ放出されている赤外線の由来は、
> すべてが地表面の固体液体からの直接放射によるものであり、
> (あなたのいわゆる)黒体ふく射による赤外線は、
> 大気の窓の波長帯ではゼロだ、というのが僕の認識です。
> (たとえあなたが温室効果ガスでないと想定していても、)
> その波長でのふく射率がゼロではないガスが大気中にあるのなら、
> その波長での地表からの赤外線を吸収してしまい、
> その波長帯は大気の窓ではなくなるという点に
> 根本的な矛盾があるわけです。
ご指摘の反論は、想定しておりました。
空中浮遊粒子や雲を介した(微小)黒体からの放射は、確かにあると思います。
問題は、対流圏から地表面へのエネルギー移動をSGWさんが考慮されていない様子であることです。
私は、地表面から大気の窓を通じた放射には、対流圏が大いに関与していると考えております。
> 根本的な矛盾がある
というご批判は、当たらないと考えますが、いかがでしょう?

SGWさんは、私の見解を吟味した上でなお、
> 一旦吸収されて分子の運動に変わったエネルギーは、
> 再びCO2の励起スペクトルの窓からふく射の形で
> 逃げ出す以外に逃げ場はないんだ
というご意見(・・・以外に逃げ場はない)を、堅持されるつもりなのでしょうか?

●Posted by SGW at 2008-07-31 01:52:28
 確認になりますが、僕の主張は沈思黙考さんの主張とほぼ同じだと思っています。

Posted by 沈思黙考 at 2008-07-29 21:46:03さんの中の論理の中の一番最後のあたりが違うだけです。

温室効果ガスによる赤外線の吸収 → 温室効果ガスの励起状態
→ 温室効果ガスの分子振動(無放射失括)
  (= 温室効果ガスの主たる緩和過程 ≠ 温室効果ガスの再放射)
→ 他の大気分子(主に、N2とO2)の分子振動
   by 温室効果ガスからの振動エネルギー移動
→ Σ(様々な分子振動)← 伝導・対流
→ 温室効果ガスの吸収(=ふく射)帯域(∈ 「大気の窓」以外にある)での赤外線の熱励起による放射
  (= 逃げ場 =温室効果ガスの放射)

つまり伝導・対流の項の存在を否定しているわけでは全然ありません。熱的緩和時間後の熱的に励起された放射を想定しています。

違うのは、「沈思黙考さんが主張している」大気の窓の波長領域でのその高度のガスからのふく射が存在するのかどうか、だけです。

●Posted by SGW at 2008-07-31 19:34:19
沈思黙考さん、
>SGWさんは、私の見解を吟味した上でなお、
>> 一旦吸収されて分子の運動に変わったエネルギーは、
>> 再びCO2の励起スペクトルの窓からふく射の形で
>> 逃げ出す以外に逃げ場はないんだ
>というご意見(・・・以外に逃げ場はない)を、
>堅持されるつもりなのでしょうか?

 本文のこの文章は筆が滑ってます、あいすみませんでしたね。
「CO2」→「すべての温室効果ガス」に後日書き直しておきます。

●Posted by 沈思黙考 at 2008-07-31 22:25:41
ご返事拝読しました。
意見交換くださったことに感謝する次第です。
posted by おぐおぐ at 02:00| 温暖化懐疑派・否定論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。