2008年03月26日

ブラックカーボンの温室効果のレビュー

 IPCCの第4次報告書の中でも、いまだに評価の精度が低いとされているエーロゾル、微粒子の温暖化/寒冷化影響のうち、硫酸エーロゾルの寒冷化効果はよく知られているかと思います。

 今回、温暖化の影響を持つブラックカーボンについてのレビューが出たことで、いくつかの欧米でのマスコミ報道が出てきているようです。
 IPCCの第4次報告での評価に比べて、数倍の上方修正になるということで、より対策が急務であるという指摘になっているようです。

ネイチャーのブログより
Carbon dioxide - not the only culprit
http://blogs.nature.com/climatefeedback/2008/03/carbon_dioxide_not_the_only_cu.html

 Nature GeoScienceの記事はこちら。
http://www.nature.com/ngeo/journal/vaop/ncurrent/full/ngeo156.html#a1


 エーロゾル関係の研究会を2回くらい覗いたことがこれまでありますが、全体像はまだまだつかめないというような評価だったかと思います、今回のレビューをちゃんと読みこなさないといけないでしょう。 Nature GeoScienceの記事より、要約部分を仮訳しておきます。

2008年3月23日号
”Global and regional climate changes due to black carbon”
「ブラックカーボンによる地球規模の/地域的な気候変動」
V. Ramanathan & G. Carmichael、スクリプス海洋研究所/アイオワ工科大学

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要約
 すすの中のブラックカーボンは大気中で可視の太陽光放射を吸収している主なものである。

 人間活動としてのブラックカーボンの排出源は、地球全域に分布してはいるが、太陽放射量が最も大きな熱帯地域に、最も集中して存在する。

 ブラックカーボンはしばしば長距離を移動し、途中で他のエーロゾルと混合する。この混合エーロゾルは、鉛直方向に3-5kmの幅の、大陸間を横断する、大気の灰色雲のプリュームを形成する。

 太陽光強度とほぼ相似となる地域分布と、高い吸収率、そして他のエーロゾルと混合して広範な大気の灰色雲を形成する能力とがあいまって、このブラックカーボンの排出は、現在起こっている温暖化に関して、CO2の排出に次ぐ2番目に強力な原因となっている。

 ヒマラヤ地域においては、高い高度でのブラックカーボンによる太陽加熱は氷雪と氷河の融解にCO2と同等に重要な役割を果たしている。

 大気の灰色雲が太陽放射を途中でさえぎることは、地球の表面の暗化(ディミング)を引き起こしており、水力学サイクルにとって重要な含意がある。またブラックカーボンの沈降により雪氷面が黒くなることが、特に北極の海氷の融解に寄与している。
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 ひとまずここまで。


posted by おぐおぐ at 08:50 | TrackBack(0) | 温暖化の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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