2008年06月23日

ニュース短信その14

 この短信の表題一覧。

・3/19石炭火力問題の関西電力への申し入れ報告
・3/19小池元環境相、バイオエタノールの開発中止を主張
・3/20経産省手抜き試算でG8サミットの足を引っ張る
・3/23気候ネットによる事業者の排出量開示作業
・3/23セクター別アプローチの資料記事
・3/26参議院で日本の方針を追及
・3/29南極半島の巨大棚氷の崩壊
・4/12世界のCO2排出量急増−アースポリシー研究所
・4/14イベント案内4/21「穀物争奪戦:バイオ燃料と食料」
・4/16県と市の温暖化対策計画とりまとめ
・4/17英豪首相の揃い踏み−すべての国を含み効果的な新たな国際合意を
・4/23田中宇氏は相変わらずですね
・5/3明日香寿川氏によるセクター別アプローチをめぐる混乱についての解説記事
・5/11独断と偏見に基づく温暖化関連本の紹介
・5/11日本は2050年の国内長期目標でG8サミットに臨む
・5/12小池元環境大臣「2020年で25%減」を目標に
・5/15NPOレインボーの「地球温暖化ニュース/そろそろ間に合わなくなってきた…」
・5/18第372回マル激トーク・オン・ディマンド
・5/22若手専門家による地球温暖化対策審議会
・6/7グッドニュースジャパンに「G8・脱温暖化チームマイナス80」特集
・6/7米連邦上院、排出枠取引法案を廃案に
・6/11フツーの人フクダ氏の冒険「福田ビジョン」
・6/19世界の環境NGOsから福田首相にお手紙を手渡し
・6/20ロイターの環境特集のページ
・6/20トヨタ社長「我々の見方では、石油生産は近い将来にピークを打つ。」
・6/23日経エコロジーに気候ネット浅岡氏インタビュー

−−−−
●日経エコロジーに気候ネット浅岡氏インタビュー
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080619/162858/
”しかし日本は、2013年以降の方向性がとても曖昧です。国の政策がどこへ行くのかが分からないと、企業は事業計画の軸を定めることができません。大きな投資を伴う案件などは、2013年頃のことを今考え始めても遅いくらいですよね。こうした状況は日本の産業界にとって極めて大きなマイナスです。”
”抵抗しているのが自主行動計画に固執している人たちです。日本は本当に島国なんだと思います。そして今は幕末に似ていて、産業界は昔ながらの考え方で、「攘夷だ、攘夷だ」と言っている。この人たちを変えるには政治が動くしかありません。”

●トヨタ社長「我々の見方では、石油生産は近い将来にピークを打つ。」
今週の注目発言-Peak Oil Reviewより(その2)で紹介しました。
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/forum2/13884.html
 早期のピークオイルを日本の会社が公に認めたのはこれが始めてではないでしょうか。
 業界の旗手が持つ見解は、競合他社にも影響を与えざるを得ないでしょう。温暖化対策のスピードにも良い影響を与えることになるはずです。

つづく●ロイターの環境特集のページ
http://jp.reuters.com/news/globalcoverage/environment
が出来ています。G8サミットもあり、温暖化対策の論議も変更が見えてきたためでしょうか。

●世界の環境NGOsから福田首相にお手紙を手渡し
 ボン会議報告が出ています (2008-06-19)
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/post2012/14200.html
の中に一緒に紹介しました。

●フツーの人フクダ氏の冒険「福田ビジョン」
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/post2012/14134.html
を姉妹ブログ『京都議定書の次のステップは何だろう』
に掲載しています。

●米連邦上院、排出枠取引法案を廃案に
米温暖化対策法案、上院で廃案 次期大統領就任後に再提出か
 残念ながら、ブッシュ政権下での長期目標込みの法案はブロックされてしまいました。民主党も見かけ倒しで党内をまとめ切れませんでした。特に原油価格高騰を理由に新たな規制に反対されるようだと、ピークオイル論の論理的な帰結として、もう安い石油の時代は終わりましたから、明示的な温暖化対策は不可能となります。あとはほんとにオバマ候補が不可能を可能にしてくれるのを期待するくらいとなってしまいます。

●グッドニュースジャパンに「G8・脱温暖化チームマイナス80」特集
http://goodnews-japan.net/news/team-80/
 グッドニュースジャパンは、市民メディアの一つでしょうか。 環境NGOのインタビューや集会のレポートなどがよくまとまっています。(…って良く見ると知ってる人が会社の取締役に…世間は狭いですね。)

●若手専門家による地球温暖化対策審議会
http://wakateshin.exblog.jp/
 昨年12月から?審議会が何回も開かれ、中間報告書、最終報告書ともにすでに完成している、とのことでした。取材歓迎モードになっていたようですのに、情報が遅くて今頃の紹介になってすいません。

●第372回マル激トーク・オン・ディマンド(2008年05月17日)
日本が再生可能エネルギーを推進すべきこれだけの理由
ゲスト:飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)
http://www.videonews.com/
ということで、対談のビデオがあります。

●NPOレインボーの「地球温暖化ニュース/そろそろ間に合わなくなってきた…」
http://www.rainbow.gr.jp/news/
 というホームページがありました。
 いろいろな危機的状況についてきちんと紹介するものになっていると思います。
bannerM.png

●小池元環境大臣「2020年で25%減」を目標に
日経NBOnlineより
小池百合子 衆議院議員・元環境大臣に聞く
日本よ、世界の“反面教師”にならないで!
温暖化ガス「2020年で25%減」を目標に
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080507/155521/

日本は2050年の国内長期目標でG8サミットに臨む
を「京都議定書の次のステップは何だろう」に掲載しました。
60-80%削減が現在検討されているとのことです。

独断と偏見に基づく温暖化関連本の紹介(pdf)というのを作っています。ご一読ください。

明日香寿川氏によるセクター別アプローチをめぐる混乱についての解説記事 が掲載されています。

●田中宇氏は相変わらずですね
「地球温暖化問題の裏側」
の中では、相変わらず二酸化炭素他のもたらす温室効果が物理的に確証された事実であることを無視しています。
"温暖化の原因が人類排出の二酸化炭素だとしたら、世界の工業化が進んだ1950−70年代に温暖化が進まねばならないが、実際には、この時期は逆に寒冷化している。このようなジグザグは二酸化炭素ではなく、太陽活動で説明した方が辻褄が合う。"
というのは悪質なプロパガンダです。
2008epi2.png
「世界の工業化が進んだ1950−70年代」に別にCO2の排出ピークがあるわけではありません。指数関数的なCO2の単年度の排出量の増大が続いており、しかも温室効果をもたらすのはその単年度の排出量ではなく(いわば積分形の)蓄積量です。過去の1950−70年代に気温が下がったことは未来におけるCO2蓄積量が大きいためにおこる温室効果を否定する要因ではないのですが、文系の人というのはこれを理解する能力がないのでしょうか?そんなはずはないですね。
 仮に、単年度の政府発行の赤字国債がこの図と同じような険しい上昇を続けていたとして、(積分形の)累積債務が急上昇することを無視して、景気循環でいいときも悪いときもあるのだから国の財政はけっして破綻しないと主張するような人はいない?でしょうから。

英豪首相の揃い踏み−すべての国を含み効果的な新たな国際合意を
ガーディアン紙に連名で投稿したものを仮訳しています。

●県と市の温暖化対策計画とりまとめ
2008 年3月21 日
イーズ調査レポートNo.1
地方自治体の温暖化対策目標と政策に関する調査
http://daily-ondanka.com/report/data/jichitai_ondanka_ojtv.pdfというのが紹介されています。
自治体の地域計画は、目標だけ掲げて達成できなかった恥も感じないというものが大半かとは思いますが、注目が集まることは重要です。

●イベント案内4/21「穀物争奪戦:バイオ燃料と食料」
姉妹ブログ『ん!‐ピークオイル時代を語ろう‐』にも記事「海外の食糧問題記事」を掲載しています。


●世界のCO2排出量急増−アースポリシー研究所
毎日新聞より
CO2排出量:「最悪」超す急増 年間伸び率3.1%、IPCC予測上回る
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20080410dde007040061000c.html
という記事がありました。
” 同研究所によると、00〜06年の排出量の年間伸び率の平均は3・1%で、90年代の2倍以上を記録した。IPCCの報告書(07年)は、00〜10年の年間伸び率の上限を2・3%と想定していた。これを上回って推移しており、同研究所は「気温や海面も同様に上昇するだろう」と予測している。”

英文の元記事はこちら
http://www.earth-policy.org/Indicators/CO2/2008.htm
2008epiSMALL.png
(以前もこんな記事「Global Carbon Projectからのオーマイガッな観測」を作っていましたっけ)
 京都議定書の次期枠組交渉でも日本政府は基準年を変更すべき、と提案していますが、仮に最新年の数字を基準とすれば、科学的に必要とされる削減幅は、90年基準の「半減」ではなく「1/2.5〜1/3に減」と大きくなるわけです。(31億トンC÷83億トンC=0.37)
 仮に「世界全体で2006年基準で2050年までに半減する」というのが日本政府のクールアース50提案で主張していることなのであれば、明らかに削減率が物足りない、不都合な目標であることが明らかとなったという点が重要です。

●南極半島の巨大棚氷の崩壊
Wired Vision:崩壊続く、南極の巨大棚氷
http://wiredvision.jp/news/200803/2008032723.html
”棚氷はもともと海に浮かんでいるので、これが溶けても世界の海面は上昇しない。だが、南極の棚氷は、その奥にある南極大陸の氷河の先端部分にあたる。奥の氷河がさらに速いペースで海に移動し始めたら、海面が上昇することになる。”

Antarctic Wilkins Ice shelf Collapse
</param></param>

●参議院で日本の方針を追及
 福山議員質問パート1−日本提案
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/post2012/13540.html
 福山議員質問パート2−長期エネ需給見通し
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/post2012/13541.html
 福山議員質問パート3−グレンイーグルス対話
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/post2012/13542.html
のテープ起しを作りました。ご一読ください。

セクター別アプローチの資料記事
 を、姉妹ブログ『京都議定書の次のステップは何だろう』に掲載しました。今後もセクター別アプローチ関連はそちらで取り扱うことになると思います。

●気候ネットによる事業者の排出量開示作業
 3/10に、2005年度の排出量データの情報公開法による請求作業がまとめられています。労作です。
2005年度大規模排出事業所からの排出について(確定版)
http://www.kikonet.org/theme/archive/kaiji/2005/databunseki2005.pdf

同・2005年度大規模排出事業所からの排出について(要約)
http://www.kikonet.org/theme/archive/kaiji/2005/summary2005.pdf
”<概要>
・ 2005年度の第1種省エネ法指定事業所7,441の燃料・電力別エネルギー消費量定期報告の開示請求を行い、CO2排出量を求めた(2003年度5,033事業所)。
・ 今回の請求に対して開示を拒否した事業所は、対象事業所の8.2%に相当する612事業所になった(2003年度一次非開示数750(15%)、最終非開示数413(8%))。超大規模排出源である鉄鋼高炉全事業所(推定約1億6,000万トンCO2)および東京電力、関西電力の全発電所(同、約9,800万トンCO2)が開示されなかった。
・ 開示データの分析および他の公開統計からの推計により、全国のわずか150事業所で日本のCO2排出量の半分を占めることが明らかになった。
・ 業務部門の1,595事業所の排出量は、直接排出で1%、電力配分後でも3%にとどまった。
・ 今回の排出量データは、削減対策の余地や、大口排出者の削減制度(排出量取引制度など)の排出枠想定・配分の資料になる。
・ 都道府県別にみると、CO2排出量が最も多い県は千葉県(346事業所9,030万t-CO2)であり、一方で数十万t-CO2規模の県もいくつかある。発電所や製鉄所のある県に排出が集中し、自治体ごとの排出源の種別、量のバラツキが大きく、その取組みの重点も異なることがわかる。”
 とはいえ、企業が排出量を開示しないという状態を許している現状は京都議定書の約束期間に入ってすら、何にもかわらないんでしょうか?
日本政府が企業のための用心棒であるという現状はいつ変わるんでしょう。

 小澤徳太郎のブログ:日本のCO2排出量 もう一つの側面 にも紹介されています。
http://blog.goo.ne.jp/backcast2007/e/d9b4eef1432bb3ea8ca4f2c720080b45

●経産省手抜き試算でG8サミットの足を引っ張る
 独立した記事
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/13502.html

にしました。

●小池元環境相、バイオエタノールの開発中止を主張
みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道:小池百合子元防衛相「バイオエタノール、日本主導で開発中止を」− 正しい戦略眼、あとは多数派工作を!
 というブログ記事を拝見しました。そもそも温暖化対策にもならない可能性が高いことから、同感です。

●石炭火力問題の関西電力への申し入れ報告
エコネット舞鶴の通信の記事をいただきました。
econet61.pdf
2月の中国電力への申し入れ報告も入っています。

ニュース短信その13にもどる
posted by おぐおぐ at 07:18 | TrackBack(3) | ニュース短信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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チグハグな地球温暖化論
Excerpt: 洞爺湖サミットが迫り、テレビやブログなどあちこちで地球温暖化対策がトピックになっているが、相変わらずチグハグ感が否めない。というかてんでバラバラで議論のエントロピーが増大し放しで、ますます議論自体が温..
Weblog: 佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン
Tracked: 2008-05-19 21:55

3つの長期エネルギービジョン
Excerpt: 今週末は、青森でエネルギー大臣会合が開催されていますが、私も以下のシンポジウムに
Weblog: サステイナブルなもの -Something Sustainable-
Tracked: 2008-06-08 09:13

3つの2050年エネルギービジョン
Excerpt: (タイトルを少し変えました) 今週末は、青森でエネルギー大臣会合が開催されていま
Weblog: サステイナブルなもの -Something Sustainable-
Tracked: 2008-06-08 11:51
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