2008年02月11日

「気候のコードレッド」レポート−持続可能性に関する緊急警報

「気候のコードレッド(緊急事態)」レポート
Climate Code Red: The case for a sustainability emergency
http://www.carbonequity.info/download.php?id=6

 環境NGOsのカーボンイクイティ、グリーンリープとFoE(地球の友)オーストラリアによる新しいレポート「気候のコードレッド(緊急事態)」がEnergy Bulletinに紹介されていました。
”This post reproduces the report's discussion of why peak oil and climate change must be treated together.”

 「コードレッド」というとコンピュータウィルスだか米軍のリンチ映画だか、の名前でしか知られていませんが、SOSとかスクランブルといった緊急事態の意味でしょう。

 この紹介をもう少し。表紙には月からみた地球の姿が使われています。

目次はこちら。

Foreword iv
Preface v
Overview vi
Part 1: After the big melt 1
1.1 Introduction 1
1.2 The accelerating loss of the Arctic sea-ice 2
1.3 The fate of the Greenland ice sheet 5
1.4 A 5-metre sea-level rise by 2100? 8
1.5 Trouble in the Antarctic 11
1.6 The impact of “slow” climate feedbacks 12
1.7 Can ecosystems adapt to fast change? 17
1.8 IPCC deficiencies 18

Part 2: Target practice 21
2.1 Framing the question 21
2.2 What we have done and where we are headed 21
2.3 What is “dangerous climate change”? 24
2.4 What is a safe temperature target? 26
2.5 Are we getting the third degree? 29
2.6 How to avoid dangerous climate change 32
2.7 Global equity and climate action 36
2.8 Goals for a safe-climate world 37

Part 3: Facing up to the challenge 43
3.1 This is an emergency! 43
3.2 A systemic breakdown? 44
3.3 What happens when what we need to do is not “reasonable”? 47
3.4 Making effective decisions for climate action 50
3.5 Climate solutions 53
3.6 Can “politics as usual” solve the problem? 58
3.7 What does an emergency look like? 63
3.8 The climate emergency in practice 66
3.9 Conclusion 69

Responses to “Climate Code Red” 73
Appendix: Labor’s “60/2050” policy 81
Bibliography 83

Foreword序文 を仮訳しておきました、ご一読ください。−−−
 2007年11月に世界中の150社の企業が、国連気候変動交渉バリ会合の先ぶれとして注目すべき宣言を作った。その「バリ・コミュニケ」は4項目の行動点を含むもので頑固なまでに簡潔なものだったが、その意図と重要性は見逃せない。

この文書は、政治的に可能「合理的」と想定されるものではなく科学に基づいて、危険な気候変動を避けるために必要な温室効果ガス排出削減目標を決めることを求めていた。

 緊急な削減の必要性が議論の余地がないほど明らかであるにも関わらず、バリに集まった政府代表団は、人類が今直面している急を要する問題を打ち負かすのに必要なビジョンも行動も示さなかった。

 米国の主導的な気候科学者、ジェームズ・ハンセンによれば、我々はすでにいくつかの気候の「ティッピングポインツ」を超えており、今後数十年間、危険な気候変動が待ち受けている。

 その証拠が圧倒的なまでに積み上がる一方で、各国政府は、世界の大多数に対して豊かな国々が負っている膨大な環境債務を無視しつつ、誰が最初に動き出すべきかについての果てしのない交渉と言い逃れをすることで10年間を無駄遣いしてしまった。

 少しばかり「より環境に優しいビジネス」をする程度では、必要な変化のスピードと深化を起こすには不十分であることは明らかである。

 オーストラリアでは、論争の焦点は排出削減の手法としての排出量取引に焦中しているのに、排出の総枠のための明確な目標値にすら合意できていないのだ!

 産業界が提案する対策案は、気候の問題を緩らげるかもしれないが解決することはできない。例えば「クリーン」石炭はCO2の排出を削減するとしても全くゼロにすることはできず、必要な規模でうまく機能すると証明もされていない。あるいは、核兵器の製造・保有能力の拡散につながる「地球に優しい」原子力発電のように他の大きな問題を引き起こす。

 いつになれば私たちは共同体として、単に現在の反応が不充分であり貴重な時間を無駄にしており、より悪いトラブルに引きずり込んでいることを認めるようになるのだろう?

 どの地点で私たちは、現在の思考モデルとモードの限界を片付けることが必要かどうかを自問するようになるのだろう?
 どの地点で私たちは、安全な気候を達成するための明確な公的政策がなくても、科学が必要としている削減を技術進歩と市場メカニズムが果たしてくれると仮定するのを止め、生活様式の変更を含む全ての措置を活用するようになるのだろう?

 どの地点で、地域共同体とグローバル共同体としての私たちは地球温暖化の問題を真剣に取ることが必要であると認め、かつてはBauを超えているため立ち入り禁止とされたすべての有効なオプションを熟慮するようになるのだろう?

 この報告書はまさにこれらの疑問を問うものである。私たちはなにか新しいもの、地球温暖化の世紀の始まりに当たって直面している深遠で広大なものを探さなければならないと議論している。
 良いニュースは、かつての人類の危機においては、強力でビジョンを持った政府の介入が必要であり、全ての人口が貢献することが必要なとき、対策の緊急性を理解し、隣人たちが同じ事を準備するのを見たときに、挑戦によく応えたことをこの報告書の著者たちが見い出したことである。

 誰かが言うような、地球温暖化に対する「戦争」を私たちは必要としてはいない。しかし現在テーブル上に示されている「解決策」が、私たち皆が直面している危機の大きさに適合してはいないことを私たちは認識する必要がある。

 我々が地球を燃え上がらせることなく、最も貧しい共同体のニーズを提供することを全ての国々に許しつつ、私たちがオーストラリア一国ではなく地球全体としてみんなのニーズを満たす方法を、著しく転換することが必要だ。

 必要とされる時間内に「これまでどおりのやり方」を脇に追い遣って、緊急性と目的、統一した行動に基づく経済的・文化的・政治的なプログラムを求めるようになるという転換が起こることは想像しにくい。

 ここにこそ、この「持続可能性に関する緊急警報」宣言の存在意義があるのだろう。
−−−

後日記:
 著者の一人、Sutton氏へのインタビューはこちら。
The Case for a Sustainability Emergency: Philip Sutton interview
http://energybulletin.net/40619.html

 やはり北極の海氷が融けてなくなりつつあること、それがグリーンランドの氷床も解かすことになる問題を新たな視点で指摘しています。
posted by おぐおぐ at 17:46 | TrackBack(0) | 気候カタストロフィ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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