2008年02月22日

ニュース短信その12

この短信の表題一覧。

・1/11フィナンシャル・タイムズで日本のへっぴり腰批判
・1/11環境NGOsのCOP13報告会
・1/17ノルウェーは2030年のカーボンニュートラル国家を目指す
・1/23世銀レポートを中日新聞が報道
・1/24北畑経済産業事務次官の世銀レポートへの反応
・1/27経済産業省の"最終兵器"に関する中間評価検討会を聞いてきました
・1/29米ブッシュ大統領の最後の一般教書演説
・2/4科学者の投票−IPCCの海面上昇予測は過少評価か
・2/4チームマイナス6%のホームページに週刊誌風ポータル
・2/5ティム・レントンのティッピングポインツについての研究報告
・2/6気候ネットワーク他によるCOP13/CMP3報告会のビデオがJANJANに掲載
・2/8民主党岡田副代表も道路特定財源問題を予算委員会で質疑
・2/8気候変動に関する日・EU共同シンポジウム
・2/8EUの2020年20%削減政策についての両側からの批判
・2/11気候のコードレッド(緊急事態)レポート
・2/12ハンセンの350ppm提案の詳細
・2/13北極の氷の融けるメカニズム
・2/16バイオ燃料は温暖化を加速−論文が山積
・2/16今日は京都議定書発効記念日(2005年)
・2/16ネイチャー誌発行の気候変動ポッドキャスト
・2/19民主党福山議員の洞爺湖サミットに向けた質疑
・2/19中国電力へ申し入れ「石炭火力発電所の建設中止を」(1)
・2/21NEDOのレポートで欧州委員会温暖化対策2020年目標を紹介
−−−−
●NEDOのレポートで欧州委員会温暖化対策2020年目標を紹介
 NEDO海外レポートNo.1017
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1017/1017-12.pdf?nem
 この説明の中では、ユニラテラル目標のユニラテラル目標たるゆえん(国際協調で目標を嵩上げしたい、最低限がこうですという趣旨)を無視してしまっているのが大きな問題ですが。
「EUのポストキョウト提案骨子が明らかに」
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/8722.html
を参照してください。

つづく●中国電力へ申し入れ「石炭火力発電所の建設中止を」(1)
http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802160901/1.php
JanJanに掲載していただきました。

●民主党福山議員の洞爺湖サミットに向けた質疑
地球温暖化問題(国別総量目標等、ダボス会議)行政監視委員会での質問
http://www.fukuyama.gr.jp/old/Document_2008.htm#080213
 ”福山議員:ただ、衆議院の予算委員会の議論の中で福田総理は、今年に入ってからなんですけど、二〇五〇年で半減でいいのかどうか、ほかの国が半減できないときには世界の全体の量は日本がその分頑張らなければいけないということもあるかもしれないし、他の国にそういうことを要請することもあるかもしれないと、そういう長期目標を掲げたということで、これから努力して合意を得ていくと答弁されました。
 これも実は随分踏み込まれて、日本は五〇%やるのは当然で、ほかの国ができないときには全体の量は日本がその分頑張らなければいけないとおっしゃったんです。
 これはなかなかの答弁でございまして、ということは二〇五〇年、日本の総量削減目標は五〇%が最低ラインだということを総理が自らある程度認められたということだというふうに思いますが、これは官房長官も環境大臣もお認めいただけるということでよろしいでしょうか。”
”○国務大臣(鴨下一郎君) ハイリゲンダムで安倍前総理がクールアース50を言いました。そのときに、二〇五〇年に世界でCO2排出量を半減しなければ様々な問題が起こってくると、こういうようなことの趣旨だというふうに理解をしています。そういう中で、クールアース50を提言した日本が、じゃ、世界各国が半減をする中で半減をすることができないというようなことにはならないんだろうなというふうに思っております。
 そして、これは、福田総理もこのところで五〇年に半減がするというようなことを前提に日本はどういう貢献をするかということでありますから、私はこれはすべての国が半減をある種約束をすると、こういう方向性を日本がリーダーシップを取っていくべきだと、こういうふうに理解をしています。”

●ネイチャー誌発行の気候変動ポッドキャスト
 第三号が出ています。英語のヒアリング能力向上のためにもどうぞ登録してください。
Podcast RSS feed
http://www.nature.com/climate/podcast/rss/index.xml

●今日は京都議定書発効記念日(2005年2月16日)
です。

●バイオ燃料は温暖化を加速−論文が山積
ワイヤードビジョン:「現行バイオ燃料のCO2排出量は、ガソリンの5割増しから2倍」研究論文
http://wiredvision.jp/news/200802/2008021220.html
が最近の総論となっています。EUはこの1月の決定で、一部の輸入バイオ燃料について規制的な見直しをすることになりました。(不十分だという批判も上がっていますが)

農業情報研究所(WAPIC):バイオ燃料→土地利用変化で温暖化ガスが激増 森林等破壊防止規制も無効 新研究
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/energy/news/08020901.htm
に2つのサイエンス誌論文が詳しく紹介されています。

IPSJapanの記事
「バイオ燃料生産は温暖化を促進する」と研究者らが指摘
http://www.news.janjan.jp/world/0802/0802160924/1.php

●北極の氷の融けるメカニズム
30年で40%減った北極の海氷−今夏にも極点から消滅も
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20080206/146532/
 悪循環の一つ、氷−アルベドフィードバックを引き起こす北極の海氷のメカニズムを説明しています。
 詳細はJAMSTECの2/16講演会でどうぞ。

●ハンセンの350ppm提案の詳細
 http://www.worldchanging.com/archives/007829.htmlより
 NASAのジェームズ・ハンセンの今年1月の講演pdfがありました。
石油とガスのピークを2010年ころ、ないし2030年頃として、2030年までに石炭(CCSなしのもの)の段階的全廃を行うことをグラフで示しています。

●気候のコードレッド(緊急事態)レポート
 詳細はこちら

●EUの2020年20%削減政策についての両側からの批判
EU climate plan "hits the sweet spot"?
http://blogs.nature.com/climatefeedback/2008/01/eu_climate_plan_hits_the_sweet_1.html
ネイチャー誌のブログClimate Feedbackより
”Even though the European Commission's scheme will automatically raise emissions cuts to 30% if a global deal is reached (Guardian), Caroline Lucas, Green MEP for southeast England, described the tentative 20% target as "negatively prejudging the outcome of international climate negotiations and sending the wrong signal to the rest of world".”
”the Danish prime minister joined the US in warning the EU against trade protectionism in the name of the planet. Import tariffs have been suggested to keep European products competitive with those from more climate-lenient countries, but that move could trigger a trade war.”

気候変動に関する日・EU共同シンポジウム
 1/23にスロベニアで開催された本シンポ、欧州の気候変動対策の発表についても紹介しています。講演者のプレゼンpdfもあり一見の価値あり。

●民主党岡田副代表も道路特定財源問題を予算委員会で質疑
 民主党のニュースより【衆院予算委】岡田副代表、道路特定財源、地球温暖化対策を質問
国内の温暖化対策が遅れている問題についても追及していました。
京都COP3以降の温暖化対策の『失われた10年』については、公明党の斉藤議員の質問の中でも、10年間の停滞を紹介していました。
岡田かつやTALK-ABOUT:予算委員会――道路、温暖化について総理に質す

●気候ネットワーク他によるCOP13/CMP3報告会のビデオがJANJANに掲載
されています。
JANJAN:「問われる日本政府・地球温暖化」
http://www.news.janjan.jp/world/0802/0802040214/1.php

●ティム・レントンのティッピングポインツについての研究報告
”Tipping elements in the Earth’s climate system”
http://researchpages.net/media/resources/2008/02/05/final_proof.pdf
がTIMES紙で紹介されました。
Nine zones are identified as key climate ‘tipping points’
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/environment/article3308359.ece
 9つのティッピング要素とは、
Arctic Sea-Ice.(失礼しました抜けていました。)
Greenland Ice Sheet (GIS).
West Antarctic Ice Sheet (WAIS).
Atlantic Thermohaline Circulation (THC).
El Nino Southern Oscillation (ENSO).
Indian Summer Monsoon (ISM).
Sahara/Sahel and West African Monsoon (WAM).
Amazon Rainforest.
Boreal Forest.
Others.だそうです。
以前の記事はこちら。
renton.png

●チームマイナス6%のホームページに週刊誌風ポータル
http://www.team-6.jp/futsugou/index.html
 一つ一つの表題をクリックすると説明のページにジャンプします。

●科学者の投票−IPCCの海面上昇予測は過少評価か
ロイター電:Latest Scientists' Views of Sea Level Rise
 によると、10人の気候学者の見解を聞いたところ、6人が、IPCCAR4の予測幅を現在でも支持すると答え、4人が南極とグリーンランドの融解(&氷河の崩壊)でそれ以上になるだろうと答えた。過大評価だとした科学者はいなかった。

米ブッシュ大統領の最後の一般教書演説
 経済ニュースゼミ:ブッシュ大統領の一般教書演説
に環境関連の文言が紹介されています。
目新しい話は出てこなかった?ようです。

To build a future of energy security, we must trust in the creative genius of American researchers and entrepreneurs and empower them to pioneer a new generation of clean energy technology. (Applause.) Our security, our prosperity, and our environment all require reducing our dependence on oil. Last year, I asked you to pass legislation to reduce oil consumption over the next decade, and you responded. Together we should take the next steps: Let us fund new technologies that can generate coal power while capturing carbon emissions. (Applause.) Let us increase the use of renewable power and emissions-free nuclear power. (Applause.) Let us continue investing in advanced battery technology and renewable fuels to power the cars and trucks of the future. (Applause.) Let us create a new international clean technology fund, which will help developing nations like India and China make greater use of clean energy sources. And let us complete an international agreement that has the potential to slow, stop, and eventually reverse the growth of greenhouse gases. (Applause.)

This agreement will be effective only if it includes commitments by every major economy and gives none a free ride. (Applause.) The United States is committed to strengthening our energy security and confronting global climate change. And the best way to meet these goals is for America to continue leading the way toward the development of cleaner and more energy-efficient technology. (Applause.) ”

●経済産業省の"最終兵器"に関する中間評価検討会を聞いてきました
 1/21に東京に出かけて、とある審議会を傍聴してきました。
 座長は言いました。
「この技術はいわば(地球温暖化対策の)最終兵器」と。
タララ、タララ、タララララララララ♪
 なにやら初期のゴジラ映画の一場面、ゴジラを迎え撃つための作戦会議をしていて、ゴジラのテーマが帝都に流れるという、おどろおどろしいイメージを思い浮かべてしまいました。
 さて、その技術の中身ですが、「二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影響予測技術開発」というものです。これは実際はそれ以外の二酸化炭素の貯留・隔離(CCS)の概念とは正反対の方向をつきつめたもので、できるかぎり広く薄く、数千メートル下の海水の中に積極的に大量の回収CO2をばら撒いて拡散させるというアイデアです。
海水で積極的にCO2を薄めてやった場合の海洋生態系への環境影響がないことを示しておいて、イザこのような対策が必要となったときの議論に供しようというものです。
(正直、2000メートルの深さに垂らした配管を引きずりながら船が動き回れるものか、船団同士で配管が干渉しあったりしないものか、というあたりの概念段階ですでにダメダメな提案のような気もします。)
 第一期には実際にハワイ沖でわざわざ製造したCO2を海中にぶちまけようとして、反対運動があって潰された研究なのですが、しぶとく続けられているということです。

 まあ、そんな馬鹿げたことまでやることで、ビジネス・アズ・ユージュアルの暮らしをしたがる奇特な人たちもいるということを忘れてはいけないでしょう。

●北畑経済産業事務次官の世銀レポートへの反応
http://www.meti.go.jp/speeches/data_ej/ej080121j.html
”A:正式な報告はまだ出てないのではないかと思います。報道で見る限り、石炭火力のことが取り上げられているというのですけれども、何でそういう評価をしたということを確認しなければいけないと思うのです。”ということで、どの報告書のことなのかすら把握できていないようですね。世銀レポートというのは昨年10月に出ています。(↓下のもの)

●世銀レポートを中日新聞が報道
 石炭の問題、を含めて中日新聞がきちんと取り上げています。
日本、先進国で最下位 石炭発電依存が低評価
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/earth_heat/list/200801/CK2008012002080962.html
 産経新聞でも同じ記事をアップしています。
日本の温暖化対策、先進国で最低レベル
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/080119/env0801191814001-n1.htm
 経済産業省を震撼させた??世銀レポート本体はこちら
Growth and CO2 Emissions:
How do Different Countries Fare?
Environment Department
The World Bank
http://siteresources.worldbank.org/INTCC/214574-1192124923600/21511758/CO2DecompositionfinalOct2007.pdf

Table 6: Coefficients of Offsetting for Decomposition of Emissions 1994 – 2004
という表で日本が先進国中最低に悪化しているという「失われた10年間」を、
Figure 4: Decomposition for “Negative Offsetting” Countries: 1994 – 2004
という棒グラフでその要因(化石燃料の原単位当たりCO2排出量悪化)を紹介しています。

幻想の省エネ大国・日本?
という記事もありました。

●ノルウェーは2030年のカーボンニュートラル国家を目指す
 Norway says aims to go carbon neutral by 2030
http://www.guardian.co.uk/feedarticle?id=7233176
 ”すでに昨年、世界で最も野心的な目標を掲げていたノルウェーは木曜日、カーボンニュートラルになる期限を20年前倒しして2030年とすると発表した。労働党が主導する与党連合が野党3党ともの合意に達した。”
この「ニュートラル」の中には、途上国での森林減少を食い止めるなどのオフセット事業のクレジットも活用するとはいうものの、野心的な目標と自他共に認めています。

●環境NGOsのCOP13報告会
東京では1/23(水)NGO報告会「バリ会議(COP13/CMP3)の結果について」
京都では1/27(日)「バリ会議(COP13/CMP3)報告会・京都」

●フィナンシャル・タイムズで日本のへっぴり腰批判
Japan must aim higher than ‘Kyoto-light’
David Pilling氏のコラムです。京都の目標を達成するために、風呂敷普及でできることは大してないだろう、ということと、クールアース50の目標が中期目標を欠く限りは見せかけにすぎず、またブッシュ政権の言い逃れのための逃げ道を作るだけだという批判をしています。前向きな政策を求める海外からの声ということですね。

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posted by おぐおぐ at 00:56 | TrackBack(2) | ニュース短信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 話題のネイチャードキュメンタリー映画「アース」を観てきました。以前にNHKでも放送され、驚異的な視聴率を記録した「プラネット・アース」のスタッフが再結集、制作されたその作品は実に見ごたえあり、また環境..
Weblog: Steel Designing シャイな社員のお仕事& ???ブログ
Tracked: 2008-01-23 21:22

地球温暖化問題
Excerpt: 地球温暖化問題の解決の為には、まずどの程度で気候を安定させるかが大切になります。2030年までは、どんな対策をとっても気温は上がり続けるそうです。大気は徐々に上へあがっていくので、過去に出した温室効果..
Weblog: 環境問題を柔らかく考える
Tracked: 2008-02-09 00:12
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