2008年01月03日

正月のNHK番組をみての感想

 とにかくNHKさんには質量ともに圧倒されました。
今年は「地球エコ2008」http://www.nhk.or.jp/eco2008/という題で各チャンネルでキャンペーンのような特集を組んでいきたい、ということです。
 できるだけ簡単に各番組を紹介をしておきます。

●12月30日11:10〜12:00
地球特派員2007
「アメリカ 動き出した温暖化対策」
 デスク金子勝、取材伊藤洋一で、米国の再生可能エネルギー植物油で動くディーゼル車に乗換える、カリフォルニア州の温暖化対策法(域内排出枠取引)、ビルツメモにみる政府の科学への検閲、背景となる石油産業の関与と産業界からの前向き圧力、環境ビジネス、エタノールブーム等を紹介していました。

 伊藤氏:「米国取材に行って分かったのは、ブッシュの政権はそうなんだけど、草の根は動き出しているなあ、国の動きにも影響を与えているなあ。」
 バスに乗り遅れるな、というメッセージはNHKが戦略的に出そうとしているものかもしれません。

●12月30日13:15〜14:00
BSフォーラム「新時代の自転車ライフ」
 んーいーですねえ、吉本多香美さん健康的で。プライベートでは自転車でキャンピングまでやるそうで、、、おっと失礼。
 自転車の交通問題というだけでなく自転車に乗る歓びがこれほど取り上げられるとは、時代は変わったものだと思います。●1月1日(火)19;10-21:00(及び2日(水)10:10-12:00) いずれも NHK衛星第一
地球特派員スペシャル「カーボンチャンス〜温暖化が世界経済を変える〜」
 ”2008年、激動する世界経済を左右するのは二酸化炭素(CO2)だ。環境を制する者がビジネスを制する時代、温暖化というカーボンリスクを回避し、カーボンチャンスにいかに変えられるかが問われる。自然エネルギーにシフトして世界をリードするドイツや、CO2排出大国の中国、アメリカに特派員を派遣。ポスト京都議定書(注:「ポスト京都」→「次期枠組」と読み替えてください。)をにらんだ世界経済の新潮流を読み解く。”

 カーボンチャンスというのはカーボンリスクの裏面という意味の造語でしょう、
 特派員として伊藤洋一、江川詔子、江上剛、司会に寺島実郎、コメンテイターに金子勝、榊原英資の各氏という豪華な顔ぶれです。
 第一部のドイツ紹介でボルボが水素自動車の普及を狙っているのはムリムリだと思いますが、Qセルズ社の太陽電池やら技術者養成講座、国中を覆う風力発電という政府の戦略意思を紹介していたのが印象的でした。
 ドイツの小型分散型への移行という方向性も寺島氏が光をあてて議論になっていたのは特によかったと思います。
 第ニ部ではCDM(チャイニーズ・ドリーム・メカニズム?by江上氏)景気に沸く中国と、原油価格高騰を受けて30年ぶりに原発の復活をもくろむ米国の動向という、それぞれある種の陰の面に光をあてていました。
 日本の問題点についての議論では、やはり政治家のリーダーシップがないこと、商売人の国なら商売人の国らしく自分たちでできることを考えるべき、温暖化対策で先手を打ったものが国際意思を握れる、という戦略がない。大変な外交ベタ、地位を下げる。ジャパン・パッシング、もう一回松岡洋右が出てきて脱退するのか? 効率化ということで日本が達成している実績の実現を強く訴えるべき、今起こっていることは、ショックと同じパラダイムシフトが求められている、といった意見が交わされていました。
 最後の一言ずつを紹介しておきます。

伊藤:「私、自分が持っていた、日本は京都議定書の締結国なんだという自信を木っ端微塵に破られてきたので、一体自分が何ができるのか、というところから初めて、家庭生活も含めてやっぱり日本はもう一度基本に立ち返らないと世界の潮流に乗れないなあ、おいてかれるなと感じた。」

江川:「ドイツで出会った人たちはやっぱり自分のいる条件の中でできることをやっていたので、私も自分のできることをやっていきたい。今だけじゃなくて次の世代、未来のことを考えることが大事で、未来を考えるということはある種希望だと思う。希望を持てる社会というのが人間が幸せに暮らせる社会だと思うので、将来のこと、未来のことを考えながら、今何ができるのかというふうに考えていきたいと思います。」

江上:「日本自身がこれから先プライドを持って生きていくために、国際社会の中でふさわしい位置づけをしてもらうということだろう。そのためには環境問題でそれなりに自分たちもちゃんと痛んでリーダーシップを取っていく、そういうことが2008年には期待される、絶対しなくちゃいけないと思う。そうしないと国際社会でかつての栄光だけを見ながら、みんなで落ちていくのだけを眺めるだけの時代になるでしょうね。」

金子:「今考えなきゃいけないのは、大きな歴史の流れなんですね。石炭を基礎にイギリスが繁栄し、石油を基礎にしてアメリカが繁栄したと、つまりこのひどい温暖化であるとか石油価格の暴騰、中東の戦争、こういうものはある種そういう時代が新しく転換を始まっていると、再生可能エネルギーに向かう大きな動きというのはそういう大きな流れだと。これは私たちにとってピンチだけれど、この機会を逃せば、我々の国そのものがやっていけなくなる可能性をもっている。それが政治でも外交でも経済でも同じことなんだ。そういう認識でもっと前に、たくましく、闘っていく、という日本全体がそういう形にならないと僕は日本の未来って相当暗いんじゃないかなと思いますね。」

榊原:「去年の12月にノーベル賞を取ったIPCCの議長のパチャウリさんが京都で言ったこと。非常にいい言葉なんで最後のメッセージにしたい。まず、行動のないビジョンというのは白昼夢だ、と。ビジョンのないアクションは悪夢である、と。ですから地球温暖化問題考えるときに非常に大事なのは、ビジョンとアクション両方があるということですね。アクションというのは非常に大事ですね。」

寺島:「今日の議論を私自身も振り返ってみて、国際会議でよく出る言葉。3つのEと言う言葉思い出した。エコノミー、環境、エネルギーの3つはバランスが取れていなくてはなりません、と。今までは建前論ですよね、という言う形でその言い方を聞き逃していたんだけれども、そうでもないと。やはりこれこそ3つのEのバランスをしっかり取り戻していくことこそ重要と、今日の議論の中で考えた。
 番組の冒頭でカーボンチャンスという言葉になっている。リスクということになっているのをチャンスに変えていこうと。特にこれを金儲けにしていこうというチャンスではなくてですね、新しい時代を創造していくという、我々の生き方とか考え方とか、社会のあり方を変えていくチャンスにしよう、ということを、今日の番組をもう一回振り返りながら長時間お付き合いいただいた視聴者のみなさんに言って番組を締めくくりたいと思います。」


●1月1日(火)21:40-22:40 NHK総合 未来への提言スペシャル「地球温暖化に挑む〜世界のキーパーソンからのメッセージ」
 ”人類最大の課題「地球温暖化」。洞爺湖サミットが開かれる2008年の元日、巻頭言として、温暖化に挑む世界のキーパーソンからのメッセージをお届けする。
プレゼンターは毛利衛さん。NASAのハンセン博士や「気候変動の経済学」の著者スターン博士へのインタビューに加え、ノーベル平和賞のゴア前米副大統領や国連IPCCパチャウリ議長、俳優レオナルド・ディカプリオも登場。温暖化を食い止めるため何ができるのか考える。”

 ハンセンへのインタビュー(後述)は、グリーンランドと西南極氷床のダイナミックな崩壊というティッピングポイントの警告を紹介する良いものだったとはいえます。
 レオナルド・ディカプリオの「11時」映画のメッセージも良いですね。
 スターン報告書のスターン氏(後述)のインタビューもGoodでした。枝広淳子さんの質問内容もさすがですね。
 ラジェンドラ・パチャウリ氏のインタビュー(後述)は昨年行った番組からの引用で、再放送がやはり2日に放送されていました。
 毛利衛さんがNASAの宇宙飛行士の訓練の中で、最後の最後まであきらめない、ということを教えるんだ、と力説していたのが、当たり前のようですがでも意外で、力強かったです。
  NHKの総合向けに、メッセージをダイジェスト化した番組だと思いますが、やっぱり1時間だと足りないですね。


●1月2日(水)14:10-15:00
NHK衛星第一
BS特集 未来への提言「地球温暖化に挑む」
 ラジェンドラ・パチャウリIPCC議長
昨年5月20日に放送したものの再放送です。
「ガンジーはあなたが見たいと思う世界にあなた自身がなりなさい、と言いました。」本人はBe the change ...としゃべっていたようですが。この話の続きと、上でNHK総合の方の番組の中で喋った内容とは違っていましたが、編集したのかしら?


●1月2日(水)22:10-23:00、(及び 3日(木)10:10-11:00) いずれも NHK衛星第一
BS特集 未来への提言スペシャル「地球温暖化に挑む」。
 ”人類最大の課題「地球温暖化」。ノーベル平和賞を受賞した国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、ことし報告書をまとめ、世界の科学者の総意として、温暖化の原因は人間の活動が生み出す温室効果ガスだとほぼ断定。このまま何の対策も講じないでいると、21世紀末、気温は最大で6.4度も上昇し、生態系に大打撃が生じると警告した。日本で洞爺湖サミットが開かれる2008年の年始にあたり、「未来への提言」のスペシャルバージョンとして、地球温暖化に挑む世界のキーパーソンからのメッセージを特集する。
[第一部] ジェームス・ハンセン博士。
 NASAゴダード宇宙研究所の所長を務めるハンセン博士は、1980年代から地球温暖化を指摘してきた温暖化研究の権威的存在。北極海の氷の面積がこの夏、過去最小となるなど、IPCCの報告書のペースよりも温暖化が加速しているとして警鐘を鳴らしている。温暖化研究の最新の状況や、地球の危機にどう立ち向かうべきか、じっくりと聞く。【聞き手】毛利衛。”

 同上でさらにNASAのこれまでの研究に焦点を当てた、詳しい紹介になっています。ハンセンを取り上げて特集を作るとはさすがNHKさん、論争のポイントを押さえていますね。
 ただ温暖化対策としてすべきことについての議論では、残念ながら、ハンセンがピークオイル時代を認識していることを紹介しそこねていました(もしピークオイル問題がなかったならハンセンの提案する石炭モラトリアム対策だけでは十分な対策にならないことはすぐわかるでしょうに)。
 結果として、視聴者にとってはたんなる科学者の微温的な対策提言として受け取られたのではないか、ということが心配です。ピークオイル問題というのがあるので、石油の使いすぎについては心配しすぎなくても良いから、石炭を先回りして規制する合意を作り上げるのだ、というのが彼の主張の流れなんですよ。
 この点ではマスコミのピークオイル嫌悪症が、世論をミスリードする問題になりつつあるのではないでしょうか。


●1月2日(水)23:10-24:00、(及び3日(木)11:10-12:00) いずれも NHK衛星第一
BS特集 未来への提言スペシャル「地球温暖化に挑む」。
”[第二部] ニコラス・スターン博士。
 スターン博士は、英財務省の依頼で温暖化が世界経済に与える影響を試算した「スターン・レビュー(気候変動の経済学)」の著者で元世界銀行チーフエコノミスト。このまま対策をせず、CO2が増加していった場合、世界経済が被る損失は「世界大戦並み」になると予測。最も甚大な被害に見舞われるのは、アフリカなど貧困に苦しむ途上国、食糧不足による飢餓や感染症の増大を懸念する。「いま対策をするほうが、予測される損害より安くつく」と訴える博士から、私たちに何ができるのかを聞き、「低炭素社会」への道筋を探る。【聞き手】枝廣淳子。”

 このあたりまで来るともう何がなにやら覚えていません。また後日。


posted by おぐおぐ at 20:06 | TrackBack(0) | 環境哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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