2008年01月01日

NHKの朝まで番組で温暖化問題討論その2

テープ起し版
「夜通しナマ解説−地球環境の未来は?」の続きです。



司会
 これだけいろんな思惑交錯している中で、まとめていこうとすると、どうしても日本のような国は削減義務を負うことが必要だと思うんですが、これから来年から削減が始まる京都議定書をいかに達成していくかが大事かと思います。

「解説ビデオ」

司会
 いよいよ来年から京都議定書の約束期間に入りますが目標達成なかなか難しいようです。

村山
 中国言いましたが日本もなかなか難しい、大苦戦中なんですが。
国内のCO2排出の状況、産業が一番大きいんですが、産業は自主努力でマイナス5.6%減とマイナスなんですが、見ていただいて分かりますように業務と家庭が非常に急増しているわけですね。業務のオフィスなどは41.7%増、家庭が30.4%増。これをどう達成するかということで、目標達成計画、計画を立てているんですが、適用の拡大をする、家庭部門については一日一人1キログラム削減をと国民運動を進めようとしているが、構造的な問題があって、なかなか削減は困難だろう。

今井
 なかなか一気に削減は難しいだろう。日本は製造業が多いわけですね、それでまた省エネも進めている、そういう中で生産量増えていく中で大幅に削減していくというのはなかなか難しい。
一方家庭を見ていきますと、家電一台一台は省エネ化がそうとう進んでいるんですが、例えば温水を使うトイレやパソコン、新しい製品がどんどん家庭の中に増えてきている。またかつては一家に一台だったエアコンが今や一部屋に一台。それを減らしていくというのはこういう便利さをどこまで捨てることができるかということにつながる。
 NHKが11月に行ったアンケートでも、実に2/3の企業が目標達成計画の達成が難しいという見方を示しているんですね。

司会
 現象としてもなかなか減らない。その一方で日本には吸収源も認められているんですがそこはどうなっていますか。

藤原
 忘れてはならないのは、世界の森林だけでなく日本の森林も実は問題なんですね。日本の削減目標6%の内、森林が吸収できるとして見込まれているのは 3.8%までとなっているんですが、ところがこれ保証されているわけではないんですね。というのは京都議定書で算入されているのは1990年以降に新植林された若い、活性化された、つまり人間の手が入った管理された森林であると規定しているんです。
ですから日本の多くの間伐されていない、あるいは下草刈りがなされていない、人の手が入っていない管理されていていない森林というのは、吸収源として認められない可能性があるわけです。試算では3.8%の中の2割がカウントできないかもしれない。これは非常に大きな問題。
 日本政府が国をあげて森林整備の仕組みを作らなくてはならない。この森林を管理するということは、クマが出没する、鹿が出る、野生動物の問題、あるいは過疎、地域の活性化そういったものすべてを含んで解決できるかもしれないそういう要素を含んでいるので森林をしっかり管理すべきだ、と思います。

司会
 まず排出が増えているオフィス部門ですね、これなぜ増えているんですか。

嶋津
 産業工場部門は70年代の石油危機の時代から省エネ努力をずっと続けてきたんですね。その延長線上にやっている。一方オフィス部門というのは90年代と比べて何が大きな誤算だったかというと、大変なIT社会になっちゃったわけですね。オフィスでみんな一人パソコンを持ち、サーバーで例えばデータセンターなんかは膨大なエネルギーを使っているわけですね。情報化社会、例えば映像の電送なんていうのは電力を使うわけです。IT社会がこんなに広がっちゃったと言うのは大変な誤算なんです。
 個々の企業、個人の努力も大事なんですけれどもIT社会の省エネ化を進めていくにはもう一回政府がきちんと対策を打ち出さなければだめでしょうね。今井
 オフィスということでいうとコンビニやスーパー商業施設も増加が目立っているんですね。これ店がどんどん増えていますし、営業時間も長くなっている。たとえば他にコンビニでいうとおでん、銀行のATM、ドリンクを管理するケースとか新しい機械がどんどん増えている。消費者のニーズに合わせようと思えば思うほど、エネルギーを使ってしまう。
例えば床材を反射率高くして照明を減らすなど努力はしているが消費者のニーズに合わせようと思うと限界がある。

司会
 削減できなかったら一体どうなるかという問題なんだと思うんですが。

室山
 構造的な問題あったんだけど、この産業部門の大きなパイもなんとかしないと、全体で減らしていかないと、なかなか後手後手ではだめだと。
 お金のことなんですよ。
 藤原さんの森林のことにしても京都メカニズムにしても、例えば京都メカニズムマイナス1.6%減には5年間で2千億円から3千億円の税金が使われるわけですよ。企業の自主対策にしても、電力なんかは5年で3千億円以上、原発の稼働率が低下したのでお金が必要かもしれない。

司会
 必要っていうのは?

室山
 要するに排出権を買うわけです。

司会
 海外にお金を出すわけですか。

室山
 お金で帳尻を合わせるわけだけれども、この夏実はなかなか削減が進まない、1.5から2.7%不足見込みだということで、財務省が試算をしたら2500億円から1兆2千億円のお金がいるかもしれないと。
いま幸いなことにね、環境省などが新しい計画を立てているのでそのお金は消えましたけれども、上手くいかないともう一度その話出てくると。
だから後手後手でお金が出てくると最悪の状況になると私は思います。
 基本的にマイナス6%削減というのは、その先にある2050年当たりの本格的な低炭素社会につながる道をやらなきゃいけないわけなので、お金で収拾している場合ではない。もっと大きなアクションをしないといけない状況に我々はいると思いますね。

司会
 ただ1兆2千億円ってどうしますかね。

室山
 どうしますかね。

司会
 国内の対策について沢山のお便りをいただいてます。

(お便り紹介)

司会
 まずコンビニですがこの意見どう思いますか。

今井
 営業時間を短くしたらどうかというご意見ですね。
これ業界がコンビニを24時間営業から、午前を止めて午前7時から夜11時までの16時間営業に短縮した場合どうなるか、という試算をしたんですね。
確かに排出減るんですけど、一方で夜の時間に配送を店に配送ができない、道路が込んでいる昼間に配送しなきゃいけないということで全体とすると二酸化炭素の排出量3−4%程度しか減らないという結果になったんです。
 まあそれでも国民に深夜型のライフスタイルを変更を促すための象徴、ショック療法として営業時間を短縮すべきだ、という意見はあります。これサマータイムの問題もおんなじなんですね。ただ、こうした問題、国民の生活スタイルそのものに関わってくると思いますので国民全体で考えて決断をする、そういう覚悟が必要だと思います。

嶋津
 コンビニ業界分かりやすいんで取り上げられるんですけど、実はコンビニ業界だけの問題じゃないわけですよね。要するに夜中働いている人たちが沢山いるという現実があるわけですから、もしコンビニの営業時間を規制するんだったら他の業種の真夜中の仕事をどうするのか、というそういう問題になってくるわけです。政府規制によって企業の営業の自由を縛る、ということなわけです。そうなれば当然そこで働いている人の給料は減るでしょうし、場合によっては失業問題にもつながっていくかもしれません。
 さきほど税金を使って排出権買ってこなければならなくなると国民負担大変だという話もありましたけれども、実はこうした形で経済成長率も場合によったら犠牲にしなければならないかもしれないという、そこだけそれだけ厳しい問題だということなんですね。


 コンビニを含めてね、快適性と利便性を求めて都市を作ってきたわけですよね。都市はコンクリートで覆われているしビルが建っています。土があると夏場暗くなるとさっと風が吹くんです。コンクリートは熱を溜め込みますから、夏の夜に最低気温が25℃を上回るような寝苦しい夜が続いたり、あるいは都市の上空で積乱雲が発達して雨が降って川があふれるという状況が出ている。
 快適性と利便性を求めたことがその都市の環境が人間に不都合な影響をもたらしてきているわけですね。
そうやって考えてくると、これから少子化の時代になりますからかつてのように川に蓋をして水辺を埋め立てて新しい土地を作るんじゃなくて、もう一回都市の中に緑や水をよみがえらせて都市の中を冷やしていくというような新しい取り組みが必要だと思いますね。


 当たり前ですけど一人一人の責任ですので、国の責任も企業の責任もありますけれども、枠組条約と一緒で、一人一人が差異のある責任を果たしていくというのが基本でやらなければいけない。

藤原
 私たち一番やらないといけないと思うのは暮らしていく中で二酸化炭素をどれだけ出しながら生きているのかを認識していないことなんですね。それだけ環境負荷にはお金が掛かるもんなんだという認識をどこまで浸透させるか、連動させるかということが大事なんだと思います。
 重要なのは生活レベルを下げないで、いかに省エネをあるいは温暖化防止をできるかと、そういう仕組みができるかどうか。それに対してはどれだけインセンティブを与えられるか、そういう仕組みをどうやってつくるのかというのが大事だと。
 で、二酸化炭素を抑制すればそれだけ自分たちも得するぞ、というメカニズムを作る鍵はおそらく自分たちの家族、子どもたち孫たち、の行く末の人たちがどれだけ快適な生活が維持できるのかということに掛かっていると思う。

司会
 難しいと思う。さきほどスーパーでこういう深夜の放送をやっていることが一番まずいんじゃないかというお便りが流れたんですが、NHKもスタジオもそうなんですが、できるだけ省エネの機材に変えていると。
平成18年からデジタル衛星ハイビジョンと教育テレビは深夜・未明の放送を休止していると、さらに今年度中の早い時期にNHKも数値目標を出したいということであります。
 ただ、たしかに深夜放送やめたらどうだというのは災害放送に備えてずっと火を入れておかなければならないと、どっちかということではなかなか考えられないということですね。


 決定的に減らすことはできなくて、組み合わせでいくしかないということなんですね。一つ一つをあげつらっていけば欠点はあるんですが、それを平準化していくと、負担をしていくということを考えていかなければならないですね。

司会
 嶋津さんね、先ほど代替エネルギーの話が出てきました。これはどういう風にお考えですか。

嶋津
 代替エネルギーあるいは再生可能エネルギーいろんな可能性があるわけですからいろんな試みていくことは大切。その中でなにかのブレイクスルーが生まれていくかもしれない、そういう期待、可能性に賭けるのは大事だと思う。
ただ、気をつけないといけないのはやはり無理なことをやろうとすると落とし穴があると。
 私はその最たるものはいま世界中でブームのバイオ燃料なんだと思います。
アメリカEUが今とにかくバイオ燃料ではしっています。しかしこれはこのままでいけば必ず世界食糧危機になると思います。特にサブサハラのアフリカの貧しい国の食糧問題に直結すると思います。EUが今むちゃくちゃなバイオディーゼルの導入拡大を計画を進めているんですけれども、これによって何が起きているかというと、今インドネシアのカリマンタン島で、熱帯林の伐採とヤシ油のプランテーションの拡大ということが起きているわけですね。こういうことがあるんで、やはり代替エネルギー開発大事なんだけれどもそこんところは相当気をつけてやらないとあぶないですよ、ということは言いたいですね。

室山
 基本的には自然の循環に僕らが戻ると、今のバイオ燃料の問題にしても僕らがその問題が出ないように上手にコントロールすることだと思うんだけれど、太陽エネルギーのデータを一つ紹介、地球に到達している太陽エネルギーを全部合わせると人類エネルギーの1万倍の潜在能力があると、全部集めるとですよ。ポテンシャリティがあるけれどもそれをどウ引き出していくのかということなんですね。
 内閣府の試算ですけれども公共施設に太陽電池を普及すると原発10基分になるという試算もあるんですね。
だけど日本はちょっとその編の努力不足がありまして、一次エネルギーの中の再生可能エネルギー、水力込みで言いますけれども、EUは2020年まで20%にすると、日本は2030年までに10%と、大幅出遅れという状況ですね。
 ですから再生可能エネルギーどこまで積極的に能力を引き出せるかという施策にトライするべきだと思うんですね。

島田
 もう一つ気をつけないといけないと思うのは、日本でもいま遅れていると、過渡的にも火力から原子力だと、いうこの流れを加速させようということがまた出てくると思うんですね、しかしこの原子力は地震国日本では安全性のことを考えると、今後さらに経費掛かってくると思うんですよ。
 それと古い原子力発電所の廃炉解体作業、これにもどれくらいのお金が掛かるかとということがまだはっきりしない。しかも最終処分地、廃棄物の最終処分地というのはまだ場所も確定していない。そういう非常に未成熟な部分あるんですよね。
ですからやっぱり太陽光発電、水力発電、地熱、風力といった、組み合わせですよね、これ確かに発電コスト掛かるっていう面あるかもしれないけれども、原子力にお金を掛けるよりはみんなにその先のそうした分野に投資をする、消費者もその分の負担は背負う。ドイツなんかはそれがあるから国策として進んでいるわけですよ。こういったところを気をつけながら、考えていかなきゃいけないと思う。

嶋津
 一言。去年もこの場で言ったが、再生可能エネルギーか原子力か、という選択肢じゃないんですよ。両方やらなきゃ、これから数十年の、この温暖化問題というのはこれからのエネルギー供給問題と裏腹なわけですから、これだけ世界のエネルギー供給が厳しい中で原子力か再生可能エネルギーかじゃないんですよ。両方やらなきゃここ数十年は乗り切っていけないということだけは言いたいと思います。

島田
 脱原発が今すぐ無理でも原発に依存する部分というのは相対的に低下させていくという努力も必要じゃないかと思いますけれどもね。

嶋津
 とにかくアメリカや中国インドで石炭火力発電所がどんどん建っている。
この現実をその潮流をなんとかとめなきゃいけないと言う方がはるかに優先課題だと思いますよ。

島田
 まあそこは非常に議論のあるところですけどね。

司会
 とにかくすべてを白紙からひとまず見直していくというふうにしないと目標には行けないと思うんですが、そうなるとオフィス家庭も重要だと思うんですが、もっとも排出量の多い工場など産業部門でいうと、現在産業界は自主目標を設定して削減に努力するとなっていますが、別の仕組みを取り入れるべきだという議論もありますね。

室山
 これバリ島の会合あたりから新しい考え方がずいぶん言われていまして、インセンティブを持たせましょうということなんです。
 これ国内排出量取引という考えなんですね。
今までの京都議定書の中で行われている排出量取引の国内版というふうなことだと思いますが、たとえばA社B社が一定の例えば同じ二酸化炭素を排出しているとしますと、そこに削減目標を設定すると、義務を負わせるわけですね。これに向かって努力するわけですが、例えばA社はがんばって目標を超えたと、B社は超えなかったと言う場合に、B社がA社にお金を払って、この超えている分をこちらに肩代わりしてもらうと、全体としては目標を達成する、とこういう考え方ですね。
 これは今世界的な潮流になり始めていて、EUそれからアメリカも今上院委員会で法案が可決したり、オーストラリア、ニュージーランドなども導入の動きと。
これをやると何がいいかというと、確実にガラス張りの削減ができるということと、低炭素型技術への革新を起こせることと、最小コストで二酸化炭素を削減できるということで、低炭素社会作りの水先案内というような部分があると言われているものなんですね。

司会
 ただこの排出量取引については、かなり国内でも反対があって、もめていると言う状況だと思うんです。今井さん、これ産業界どうして反対なんです。

今井
 あまり産業界を代弁したくもないんですけど、ただやっぱり難しいと思うのはですね、最初にどういう風に個別の企業に排出量を割り当てるか、という問題だと思うんですね。過去の実績に応じて決めましょう、というとこれまで削減してきたとこは更に重い義務を課せられる。でも一方サボってきたところは軽い負担で済ませられる。そういう仕組みであれば問題だと思うんですね。そうなると工場の海外流出というのも招きかねない。そう簡単な問題ではない。

 
 どのくらいの量割り当てていくかと言うのも、段階的に割り当てていかないと削減量が増えていきませんから、排出量コントロールが非常に難しいという面もありますね。

室山
 公平性の話はよく出るんだけれども、現実は産業の中のばらつきの方がよっぽどひどいわけです。ですから今の現状の方がよっぽど不公平じゃないか、ということもあるわけで、そういう公平性を目指していくと言う方向性もあると思うんですよね。

司会
 これEUがすでに先行して取り組みをやっているんだけれどもどうですか。

百瀬
 これは2008年からの議定書で約束した温室効果ガス排出削減の補助的な手段として運用しようということで、2005年から試験的に導入されたんですね。
でもちろんメリットとか、村山さんがおっしゃっていた通りなんですけれども、ただ問題も出ていてですね各国に排出量を割り当てる、それが本当にガラス張りってことおっしゃったけれどガラス張りになっていないじゃないか、っていう声が出てきたり、排出枠を割り当てたときに、甘めに割り振ったもんですから、取引する価格ですねCO2の価格が暴落したりいろんな問題が出ているんです。
それからそもそも考え方として金を出せばいくら排出してもいいのか、それでいいのかっていうそういう議論もあるわけなんですね。ただEUの方がカナダやアメリカの州を巻き込んで世界的に広めようという思惑をもっていることも事実なんですね。ただ私はやっぱり一つ懸念するのは、この制度を導入すればすごく効果が上がるんだっていう考え方がバアーっと世界中に広がっていることは、ちょっと違和感を感じるんですね。EUのシステムも試行錯誤状態ですから私は多少こう慎重に見た方がいいんじゃないかっていう気はする。

嶋津
 いま、アメリカの大統領選、民主党の候補なんかみんな排出量取引をやるっていっているんですね。ある意味確かにおっしゃるようにブームなんですよ、世界的に。だけど本当にこれが上手く行けばいいんですけど、あんまりこれに期待をかけて、これが結果的に上手くいかなかったときにじゃあどういう手段があるんだ、っていう話になっちゃうわけです。
 私は排出量取引が良くないとかなんとかいう判断を今下せるほど私は今知識がないんですけど、百瀬さん言うように、少なくとも2005年から始まったEUの排出量取引の第一段階は成功したとは言いがたいですよね。だから来年から始まる第二段階の、まあ結果ずーっと待てとは言わないけれども少なくとも2、3年様子を見たらどうですか。そこでいろんな問題点やメリット、そういったものが分かってくるんじゃないかと私は思う。

百瀬
 そうですね、手直しというのも近く発表されますし、それを注視する必要はあるんじゃないでしょうか。

室山
 いろいろ試して可能性を確認すればいいと思うんだけれども、忘れてはいけないのはもう一度言いたいんだけれども、我々はマイナス6%すらですね、こんなに苦労しているわけです。だけどこの先2050年に、二酸化炭素半減ですよ。そういう社会を作らなければいけないときに、6%削減ぐらいでこんな状況になっていて、なにか大きな仕組みを変えないとやっぱり到達できない、じゃあ一体何をやるのかな。
ということですので、やはりいろいろ試して可能性を見極めるべきだと。


 そういう意味では排出量取引だけではなくてやっぱりいろいろ手を広げて、それこそ技術開発も当然しなければいけないし、日本の技術はやっぱり中国とかインド以外の途上国に持っていって、そこの経済発展も確かめつつ、しかも二酸化炭素も減らしていくという

室山
 議論もありますが炭素税もやっていく。

司会
 いずれにしても2013年以降の仕組みを2009年までに決める、となっているわけですね。そうした意味でも来年は地球環境をテーマとした洞爺湖サミットが日本で開かれるわけですね。
CO2削減についての枠組の何らかの進展が期待されているわけですが、どういう風にここに臨めばいいのか、何人かの方に発言を。

嶋津
 先日のバリ島の会議で、ようやく来年から次期枠組の交渉が始まるとなったわけですけれども、ご承知のように実態は始まるということが決まっただけで、それぞれバラバラの状況なわけですね。
そういう中でEUが言ってみればEUの対応に基づいた考え方、20年に25%から40%の削減をやるという考え方に対して、日本やアメリカは数字を出していないわけです。2050年で半減というのが、日本がサミットで打ち出しただけなんですね。ですから来年の洞爺湖サミットが近づいてくるにつれて、おそらく日本国内でマスコミの中から当然、なんで日本がEUのような中期の削減目標、ちょうど次の枠組に当たる削減目標をなんで出さないのか、という非難の合唱になると思うんですよ。それは場合によったら出さなければ行けないのかも知れませんけれども、私は気をつけなければいけないのは、90年比で25%〜40%削減というのは、EUが非常に京都議定書の外交をうまくやった結果EUに有利な形でできた枠組なんですよ。ですからそれが同じ土俵に日本が乗っかるというのは相当難しい。
 さっき言いましたようにアメリカは90年比でプラマイゼロにするのが最大限だと、ヒラリーさんもオバマさんも言っているくらいなんですから、だから日本は、もしどうしてもEUが目標を定めようというんだったら、例えばそれは90年比じゃなくて2000年比でやりましょう、と言う風に切り替えした方が私はいいと思います。
 そういう問題が多分サミットに向けてかまびすしい議論になっていくと思うんですね。

百瀬
 京都方式がEUにとって有利というのは嶋津さんおっしゃるとおりだと思うんです。ただヨーロッパの場合はそれに安住しないで、例えば個別のクルマのCO2排出規制とか、具体的な数値目標を出して実現することを前進させているわけなんですね。これはなぜかというと結局拘束力を欠いた目標ってのは今まで何度もやったけれども、結局ダメだったという反省に立っているんですね。
 私は日本政府の憤懣とか不満というのは良く分かるんですけれど、外交交渉で仮に京都議定書でEUが有利になったということはそれはEUの外交力が高かったということを意味するわけですから、そのEUの壁を突き破るようなそういう知恵と団結力とを示して欲しいです。

司会
 島田さんそこどうですか。

島田
 交渉の中身についてはいろいろあると思うんですが日本でこの環境の問題を大きなテーマにしなければならない洞爺湖サミットを主催するんですから、退路を断つような中期目標を何らかの形で示していくことはやっぱり避けられないと思うんですよ。
 今んとこ福田さんは自分で洞爺湖サミットをぜひという意欲を示していますけれども、何回も言いましたが来年の日本の政治状況どうなるか分からない。
政権がいったいどういう枠組で組まれるようになったとしても、日本として国際社会に対して退路を断った姿の中で、自分たちがリードしていくと、これをどこまで打ち出せるか、これを今出ている複合的な組み合わせを知恵をめぐらして日本として世界に示すとそういう努力が必要だと思います。


 具体的に技術開発のロードマップをきちんと示すと。なかなかプログラムが見えないと納得できないと思いますね。

室山
 私は子どもに対する環境教育をちゃんとやるべきだと思うんだけれども、よく子どもが低炭素社会ってがまんしなきゃいけないんだよね、クルマ乗っちゃいけないんだよね、暗いことばっかり言うんです。
 そうじゃない、自転車に乗るとものすごくさわやかだよ、と。汗をかいてさわやかだと。自分たちの体、自然の循環の中でいることがいかに楽しいか、こういう積極的な部分を教えるべきだと、それが低炭素社会の新しい文明を支える哲学じゃないかと思うんですよね。
 そういう面も教えながら、長期的にアクセルが踏めるような子どもを育てていくということを同時にやらなきゃいけないと思いますね。

司会
 ありがとうございました。地球環境における日本の役割、洞爺湖サミットについてもこんなお便りをいただいています。

(お手紙紹介)

司会
 お便りにもありますように、地球温暖化は国と国との関係だけでなくて、世代間の問題でもあります。今後20年から30年における対策が鍵を握るという科学者の言葉を受ければ、2013年からのポスト京都議定書(注:「ポスト京都」→「次期枠組」と読み替えてください)の枠組、これきわめて重要になってきます。
 しかし一方で、CO2を減らすことは痛みを伴うことでもあります。自らが率先して提案を行い、議論を引っ張っていくことができるのか、サミット議長国である日本にとって、来年は覚悟が試される年になりそうな気がします。

(更に読み上げ)

終り


posted by おぐおぐ at 16:10 | TrackBack(0) | 温暖化の政治・動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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