2007年12月22日

来年から京都議定書の第一約束期間に入るというのに

 気候ネットワークより、特別なコメントが発表されています。

2007年12月21日

中央環境審議会地球環境部会・産業構造審議会環境部会地球環境小委員会合同会合最終報告に際してのコメント

浅岡美恵(中環審委員、気候ネットワーク代表)
明日香壽川(合同部会意見陳述人、東北大学教授)
飯田哲也(中環審臨時委員、環境エネルギー政策研究所所長)
植田和弘(中環審臨時委員・産構審委員、京都大学教授)
桝井成夫(中環審臨時委員、前読売新聞論説委員)
三橋規宏(中環審臨時委員、千葉商科大学教授)
諸富徹(合同部会意見陳述人、京都大学準教授)
横山裕道(中環審臨時委員、淑徳大学教授)

1 最終報告案について
IPCC第4次評価報告書が出され、2007年12月にインドネシア・バリで開かれた会議(COP13/COPMOP3)において、2050年までに世界で半減し、今後10〜15年までに排出のピークを迎え、2020年までに先進国は25〜40%削減といった方向が示された。地球温暖化も温暖化に対する世界の取り組みも加速的に進行しているなかで、本報告案は危機意識に欠ける。
このままでは、世界の動きに取り残されることが懸念される。

2 本報告書の問題
(1)追加対策とされる「自主行動計画の拡大・強化」で1800万トン、「国民運動」で678〜1050万トンなどの対策は、
@その数字は、根拠が明らかでなく、計測・報告・検証のできないものが大半である。
A削減量の追加性がほとんどない(自主行動計画について別紙)
B他の追加対策やこれまでの対策との重複が少なくない(自主行動計画の拡大・強化、国民運動)。

(2)発電所や大規模工場についての自主行動計画の問題点は既に指摘したとおり。自主行動計画の目標の妥当性等について十分な検証がなされないまま、「自主行動計画の拡大・強化」とその継続を掲げ、他方で、EUのみならず米国や豪州で準備されているキャップ&トレード型国内排出量取引の導入やその具体策の評価・検討も、大幅に先送りさせようとするものとなっている。

(3)環境税(炭素税)の記述は実質的にないに等しい。

(4)自然エネルギーの追加政策は実質的には何もなく、むしろ後退している。

(5)このように、追加対策のほとんどが実効性のない数字あわせというほかない対策を羅列であるだけでなく、そのことによって、排出量取引などの実効性のある新しい政策の導入を阻む言い訳として使われているといわざるをえない。

(6)裏付けのない発言などが放置され、それが「両論併記」の根拠として利用される一方で、浮かび上がった論点が真面目に詰められてこなかった。また、報告案の内容は実質的には各省間の折衝にゆだねられ、合同会議が委員間の真摯な議論が反映される場となってこなかった。

(7)計画の毎年の進捗管理に言及しているものの、目標達成計画の評価・見直しを行うことは担保されていない。第1約束期間においても、毎年の進捗管理において、あわせて評価・見直しを行い、国内排出量取引・環境税・政府と産業界との協定化・自然エネルギー固定価格買取制度など、必要なあらゆる政策を検討することとすべき。

−−−
ということで、環境省の下で開かれている中央環境審議会・地球環境部会と経済産業省の下で開かれている産業構造審議会環境部会地球環境小委員会との委員が合同で行っていた「京都議定書目標達成計画」の見直しでは、およそ意味のないつじつまあわせが行われていて、目標達成もおぼつかない、ということです。

 経済産業省の官僚の意に沿った委員ばかりが入っている?ためか、産業構造審議会側の委員はこのコメントに参加していません。メディアの記事

フジサンケイビジネスアイ
温室効果ガス削減 「目標達成は可能」 審議会最終報告書
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200712220010a.nwc

問われる実効性 温室効果ガス排出量 数字合わせの指摘も
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200712220027a.nwc

日経新聞
議定書達成なお課題・政府最終案、3500万―3600万トン削減明記
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20071221AT3S2101R21122007.html


posted by おぐおぐ at 18:43 | TrackBack(1) | 温暖化の政治・動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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中国の環境保全へ共同基金、首相訪中で提案検討
Excerpt:  日経ECOLOMY(-環境+経済+私-)ニュースコーナー12月23日付記事である。タイトルは、「(12/23)中国の環境保全へ共同基金、首相訪中で提案検討」である。  来年7月の主要国首脳会議(洞爺..
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