2007年12月24日

「石炭などを原料とする巨大火力発電所の建設中止を」求める声明

 不手際で公開が遅くなってしまいました。この場を借りてお詫びいたします。

 以前にも一度「火力発電所問題全国交流集会」
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/402.html
で、集会案内を紹介したことがありました。
その会のメーリングリスト経由で、10月に開かれた年次集会で作られたアピール文をいただきました。
上のグラフはそこに添付されていたものです。

”データは資源エネルギー庁のHPにある総合エネルギー統計の中にある炭素簡易表、その中で、事業用発電の経年変化をみました。燃料別の割合は、石炭(青色)57% LNG(クリーム色)30% 石油(紫色)13%となり、石炭が60%近くになっています。”
 という説明をいただきました。

 90年の京都議定書の基準年以降、もっともCO2排出原単位の大きな石炭火力での発電が、近年に到るまで増加し続けていることが分かります。このザマで電力会社が温暖化対策に取り組んでいるなどとは、片腹痛いと言えるでしょう。

−−−転載。
 アピール文は、10電力会社本社及び石炭火力の建設計画がある発電所とその所在地の県知事、市町村長、環境省、経済産業省、内閣総理大臣に送付しました。

 石炭火力は、能代、常陸那珂、磯子新、松島、舞鶴、大崎、三隅の計画が残っています。

 中国電力と関西電力本社へは、直接申し入れを計画中です。状況が刻々変化していますので、申し入れ内容は少し変わるかもしれません。
−−−
ということでした。(秋田県、茨城県、千葉県、宮城県、京都府、広島県、島根県の各地で計画が残っているとのこと。)

 今回の京都議定書目標達成計画の中で、抜本改正をすべき第一は、これから新設の石炭火力発電所を建設する計画を中止させることだと言えます。

 以下、アピール文書の本文を転載しておきます。
「石炭などを原料とする巨大火力発電所の建設中止を求めます」 全国各地で巨大火力発電所建設に反対してきた私たちは、気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)をきっかけに1998年、神戸で「火力発電所問題全国連絡会」を結成し、火力発電所政策の見直しと低濃度・慢性汚染による健康被害、植物、農作物、樹木被害などの解決を求め、各地域で取り組みを進めてきました。

 10年の節目となる今年、島根県浜田市で第11回目の交流集会を開催し、火力発電所政策を検証しました。その中で明らかになったことは、火電設備の増加とそれに伴うCO2排出量の増加でした。1990年から、2006年の間に、火電の設備容量は、3899万kW増加しています。(石炭火電2338万kW増、石油火電567万kW減、LNG火電2128万kW増)2005年、火電からのCO2排出量は、1990年と比べて、6600万トン-CO2増加。燃料別みると、石炭火電からのCO2排出量の増加が著しくなっています。   

 (ここに上のグラフが入っています)

 さらに、世界中での相次ぐ石炭火力新規立地中止という流れに反して、日本では、石炭火電の新規立地が続いていることも、注目すべき点です。舞鶴2(90万kW)と磯子新2(60万kW)の2つの発電所が2010年までに運転開始を予定。それ以降も、385万kWもの建設が予定されています。

 このCO2排出量増大という結末は、政府、電力会社の温暖化対策の方針の甘さから引き起こされています。電気事業連合会は、1996年、「2010年度のCO2排出原単位を、1990年度実績から20%低減する」ことを目標にかかげ、そのための方策として、原発推進、火力発電所の運用改善と高効率化、京都メカニズムを打ち出しました。ところが、原発のみに依存する現実味のない方策であったため、原発での事故、データ隠し、地震などによるトラブルが続く中、安い石炭を燃料とする石炭火電の利用率を上げざるを得ず、CO2の排出量の大増加を招いています。これは、原発増設のみならず、高効率化を名目として、2002年まで、石炭火電建設のための工事費を低金利で融資し続け、大増設してきた結果といえます。2002年以降、やっと、政府は、石炭火電天然ガス転換補助事業費を予算化し、石炭火電の増設の見直しを図りましたが、転換した発電所は、水島3、仙台4 計73.16万kWにしかすぎません。
 この火電大増設の事実を直視せず、ここ数年、電力会社は、京都メカニズムによる削減量を増やすために、国外での排出量取引を強化しています。また、その動きを後押しするかのように、今年になって、政府は、排出原単位に、京都メカニズム分を加えるため方法の検討を始めています。

 気候変動枠組み条約のもともとの考え方は、先進国が今まで排出した温室効果ガスによる温暖化の責任を認め、国内で使用される化石燃料によるCO2排出量の削減を目指したことです。国内の森林整備による削減や、京都メカニズムによる削減は、二次的な対策です。
その意味で、現在の電気事業における削減方策が京都メカニズム一辺倒に進む流れは、過去にCO2を大量に排出してきたわが国の責任をあいまいにし、数字のつじつま合わせだけをしようとしているとしか言いようがありません。

 原油高を始めとしてエネルギー資源の高騰が続く今、ピークオイル対策に加えて2020年代という近い将来の石炭ピーク対策も真剣に考え始める時期にきています。今まで問題視されてきたエネルギー資源の大量使用による環境破壊だけでなく、エネルギー資源の欠乏を視野に入れて、運転できる期間が短くなったり燃料価格が高騰しすぎて使えなくなるリスクも考慮しながら、発電所立地を、発電所の廃止を含めて、再考すべきです。

 今あるエネルギー資源は、大量生産、大量消費、大量廃棄という現在のぬるま湯状態を続けるために使うべきなく、次の世代に必要な世の中のシステム作りに使用し、少しでも早く、方向転換することが、地球システムを持続可能なものにすることはいうまでもありません。そのための、第一歩として、石炭などを原料とする巨大火力発電所の建設中止をもとめます。

2007年11月19日

火力発電所問題全国連絡会  参加団体 13団体
 銚子市民運動ネットワーク、
 衣浦石炭火力発電所建設計画反対住民の会、
 梅枯れ対策期成連盟、
 日高地域公害研究会、
 住金埋め立て地にLNG火力をつくらせない会、
 エコネットまいづる、
 石炭火力発電所問題を考える市民ネットワーク、
 神鋼石炭火力発電公害問題灘区連絡会、
 神鋼石炭火電問題を考える中央区連絡会、
 行動する環境グループ「葦の風」、
 橘湾の巨大火電に反対する会、
 広島県芸南地区火電阻止連絡協議会、
 三隅火電を考える会

連絡先 〒729-2314 広島県竹原市忠海床浦3-18-8 松田宏明方 /fax 0846-23-2029 

−−−
後日記:
石炭の問題、を中日新聞がきちんと取り上げています。
日本、先進国で最下位 石炭発電依存が低評価
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/earth_heat/list/200801/CK2008012002080962.html


posted by おぐおぐ at 11:26 | TrackBack(0) | 運動論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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