2007年10月28日

ニュース短信その10

この短信の表題一覧

・このところテレビ報道で地球温暖化特集が目立ちます
・沖縄・石垣島白保のサンゴ礁の白化問題
・ピークオイルと地球温暖化の統合対策について
・メルケル独首相は京都で、途上国向けに一人当たり排出量目標を提案
・台風9号は東日本を縦断して北海道まで
・英国で波力発電のテストファーム”Wind Hub”認可
・24日に国連総会の気候変動特別セッション開催
・日経社説は日本の良心です
・ピークオイルシナリオの一つ
・参議院に「国際・地球温暖化問題に関する調査委員会」設置
・TBSの「ニュース23」でグリーンランドの氷河の動きを紹介
・アル・ゴアとIPCCがノーベル平和賞を受賞
・「自主」的取り組みの各業界が目標値をアップ
・石炭火力発電所はCO2を大気中に排出するので建設差し止め
・民主党福山議員の参議院予算委質疑
・CNNでPlanet in Perilという番組を放送しています
・宇宙線の影響についての否定的な評価がありました

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●宇宙線の影響についての否定的な評価がありました
「地球温暖化の原因は太陽の活動」説を否定する新論文(1)
「地球温暖化の原因は太陽の活動」説を否定する新論文(2)
 放射線を大気中に撒き散らす同様な実験は戦後の大気中核実験の際にも行われていた、ということは指摘できるかもしれません。

つづく●CNNでPlanet in Perilという番組を放送しています
 10/23,24の朝10:00〜(日本時間)
 その最中も緊急ニュースということで南カリフォルニアの森林火災の被害が示されています。ハリウッドスターたちの自宅が焼けそうになっているので、日本のテレビでも報道されていますね。番組の感想はまた今度。

●民主党福山議員の参議院予算委質疑
議事録未訂稿がHPに掲載されています。面白そうなところだけ一部抜粋を。
”福山哲郎君 我が国は二〇五〇年に世界で半減という議論をしていますが、当然、国内としても総量目標を設定するという考えで、総理、よろしいですね。
 内閣総理大臣(福田康夫君) 当然そういうことでございます。”
…ということで日本経団連が主張していた国際的な部門別の目標のことは想定していないようです。

”福山議員 洞爺湖サミットまでに総量目標を作るということなのか、次の枠組みが見えないと総量目標は作れないということなのか、はっきりお答えいただけますか。
○国務大臣(鴨下一郎君) 総量目標はできるだけ年内にも打ち出したいというふうに思っておりますが、ただ、先ほど申し上げましたように、洞爺湖サミットで私たちはホスト国でありますから、この段階でほかの国が言わば脱落するような目標を立てても意味がありません。ですから、そういう意味で、慎重に進めながら、なおかつ、先生がおっしゃるように我々はそれなりに高めの目標を立てていきたいと、こういうふうに考えております。”
…ということで、ポスト2012の日本についての目標値はサミット前には出てきそうです。(後日記:当たり前ですが、なかなか出てきません)

”福山哲郎君 大臣自身は京都議定書は評価されるんですね。いろんな問題はあるとしても、京都議定書は評価するし、我が国は批准しているんですから、達成しなければいけないということは間違いないですね。
 国務大臣(甘利明君) 全力を挙げて達成しなきゃならぬと思っています。”
…これも重要な念押しですね。

”福山議員 最後に総理、二酸化炭素は汚染物質であり原因物質であるということをお認めいただけるかどうかお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(鴨下一郎君) それから、炭酸ガスについての御質問でありますけれども、基本的には、日本の場合には、温暖化対策の中で明らかに地球温暖化のための温室効果ガスと、こういうような位置付けになっておりまして、いわゆるアメリカのクリーン・エア・アクトとはまたおのずと違う位置付けなんだろうというふうに思っておりますが、先生おっしゃるのは、そういう中で多分、CO2も汚染物質の一つとして数えて、より規制を厳しくしろと、こういうようなお話なのかも分かりませんけれども、それについては、私たちもその一つの考え方として検討はさせていただきますけれども、アメリカと日本、法体系違いますので、現時点では汚染物質という位置付けではございません。

○内閣総理大臣(福田康夫君) いろいろ御議論ございましたけれども、いずれにしても、目指すものは持続可能社会を実現すると、このことに尽きるんだろうというふうに思います。そういう観点から、CO2がどういう立場になるかということも含めて考えていくべきものと考えております。”
…タイムリーな質問をありがとうでした。

●石炭火力発電所はCO2を大気中に排出するので建設差し止め
ワシントンポスト紙:Power Plant Rejected Over Carbon Dioxide For First Time
米国カンサス州環境衛生局は米国の州で初めてそう述べた。
4月の最高裁判決でCO2などの温室効果ガスをクリーンエア法の対象となる汚染物質として認めた波及効果といえる。会社側は当然ながら法規制はないじゃないかと訴えるもようです。

●「自主」的取り組みを決めている各業界が京都目標達成計画のための目標値を一斉にアップしました。
 各業界はほんとうに何を考えているんでしょうね。経済産業省からのコマンド&コントロールを非公式に受けているとしか海外からは受け取られないでしょう。これで日本が京都目標を達成できなかったら「すべて経済産業省の責任だ」と海外からは思われること間違いなし、ですね。

●アル・ゴアとIPCCがノーベル平和賞を受賞
 各新聞で報道しています。ゴアがノーベル平和賞を受賞したことは予定調和的な気がしますが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)という組織が賞を受けることは想定外でした。
確かに88年の設立以来、4次にわたる評価報告者や、さまざまな特別報告書を気候変動枠組条約事務局の求めに応じて作成公表してきた機関でした。時の政権からの推薦やら拒否権発動やらを受けて議長の交代劇もありましたが、それでもおおむね指針をぶれることなく示してきてくれたのではないでしょうか。

 今日、温暖化問題が平和と深く関わるようになっていること、を象徴的に示してくれたノーベル賞委員会に感謝です。

サステナ・ラボ:ノーベル平和賞! が詳しいです。

●TBSの「ニュース23」でグリーンランドの氷河の動きを紹介
10/11の放送で、イルリサット地域の氷河を定点観測カメラで撮った連続写真を紹介していました。ダイナミックな動きには動揺させられます。そして、その後、科学者は「実はなにが起こっているのか我々科学者もまだよくわかっていないのです。将来の予測ができるほど理解できていないのです」としながらも、「グリーンランドすべての氷が最短で300年以内に溶ける。海面7メートル上昇し各地で大洪水などが発生する。」との多くの科学者から予測が出ているとTV上では本邦初公開していました。過去記事はこちら

 また15日晩には同じ番組の特集「地球破壊」の第3弾で、『巨龍発熱−私達は中国とどう向き合うのか』を放送するそうです。

●参議院に「国際・地球温暖化問題に関する調査委員会」設置
参議院インターネット審議中継より、10月5日に本会議で設置が決まり、委員25名の委員会が始まりました。参議院の独自の組織ということになります。
 同じ日に最初の会合があり、会長に石井一氏、理事を6名選任しました。

●ピークオイルシナリオの一つ
が噛み砕いて語られています。
サイクルロード 〜自転車という道:未来を予測することの難しさ
 こんなおもろいシナリオなら、断然実現を願っちゃうよね。

●9/25日経社説は日本の良心です
社説 温暖化防止、日本は今や抵抗勢力か(9/25)
より抜粋しておきます。
” 国連ハイレベル会合のねらいはずばり「対話から交渉へ」。ハイリゲンダム・サミットで確認された2050年までの半減と、米中を含む主要排出国が参加する新しい枠組みづくりは、まだ「対話」の段階で、ルールや目標を詰める「交渉」には至っていない。・・・
日本は安倍辞任というダメージのほかに、洞爺湖サミットの議長国として鼎(かなえ)の軽重を問われる大きな弱点を抱えている。
 それは日本が、自らの排出削減目標を明確に語れないことだ。企業に排出上限を設定するキャップ・アンド・トレード型の排出権取引には絶対反対で、排出削減量の国別目標にも反対する経済界と経済官庁。日本は温暖化防止への抵抗勢力と見なされかねない。
 日本の産業は世界一の省エネを達成していて、乾いたぞうきんはもう絞れないとする神話は、破綻しているのではないか。エネルギー効率、排出原単位ではドイツや英国にすでに追い抜かれた業種も多い。
 排出権取引や総量の数値目標を拒否する理由を日本経団連も経済産業省も示していない。米国はブッシュ政権後に確実に削減数値目標を掲げた法律が成立する。現在提出されている法案の多くは、目標数値が欧州連合(EU)と大差ない。当然、排出権取引を前提にした数字で、オーストラリアもほぼ同じだ。
 先進国では日本だけが護送船団方式の自主行動計画のままで、総量目標は掲げず、努力した企業が報われる排出権取引もない。ただ技術や資金の援助を求められる存在になるのは目に見えている。未来を語れない国が主導権を握れるわけがない。”

●24日に国連総会の気候変動特別セッション開催
 この会合については、京都議定書の次のステップは何だろう、の方で取り扱います。

●英国で波力発電のテストファーム”Wind Hub”認可
UK Wave Farm Gets Government Go-Ahead
 多分風力発電とならんで自然エネルギーの本命となるでしょう、波力発電のさまざまな装置が30種類ほど、一箇所の海底ケーブルでつながれて実装される、まるで見本市のようなサイトがコーンウォールの沖合い16キロの地点で建設されます。
 日本からの装置は一つもないこと請け合いです。

●台風9号は東日本を縦断して北海道まで
 9月7日のこと。
 東京在住ではないため、実感がわきませんが、丸1日の暴風雨のために洪水となった川が多いようです。日本でも橋が壊れることもあるんですね、高波の被害で護岸道路も崩壊していました。

●メルケル独首相は京都で、途上国向けに一人当たり排出量目標を提案
Merkel backs climate deal based on population
 31日の毎日新聞のシンポ京都での記者会見での出来事のようです。
もちろん先進国はポスト2012(注:「ポスト京都」→「次期枠組」と読み替えてください)の目標も、途上国との一人当たり排出量格差がコンバージェンス(収束)するまで削減を続けていくという趣旨です。つまり、コントラクション&コンバージェンスの概念を使った提案といえます。

Germany: Merkel makes new proposal on climate change as she revisits site of Kyoto conference
http://www.iht.com/articles/ap/2007/08/31/asia/AS-GEN-Asia-Merkel.php

●ピークオイルと地球温暖化の統合対策について
カーボン・イクイティのホームページの中に、ピークオイルと地球温暖化の統合対策についての論文がありました。

イアン・ダンロップ March 2007
Climate Change & Peak Oil
An Integrated Policy Response for Australia
http://www.carbonequity.info/PDFs/Peak%20oil%20Dunlop.pdf
”気候変動とピークオイルは、対策の政策が互いにそれぞれ相手と衝突せず補強しあうものでなければならない。”
”国際的にも国内でも大気中CO2濃度を安定化させピークオイルに備えるための措置について合意し実行することが必要である。政策の実効性を測定するためには明確で法的拘束力のある数値目標を持つ必要がある。”
”現在のその場しのぎの政府の政策は、気候変動という挑戦を受けるには全く不適当なものである。ようやくいやいやながら議論され始めている排出量取引は、必要とされる包括的な政策の一部の要素にしかすぎない。
ピークオイルは短期的には最も大きな悪影響を与える問題であるにも関わらず議題に上がってすらいない。
 この論文では両方の問題に均等に答えるための、世界的、国内共に包括的な統合された以下のような政策を提案している。”
. Stabilising global atmospheric carbon concentrations at 450ppm CO2e by
. Contracting annual global carbon emissions from 8GTC today to 3.5 GTC by 2050
. Equitably allocating the contraction task between nations by converging linearly from today’s unequal per capita emissions to equal per capita emissions globally by a date to be negotiated, say 2040. Australian emissions would have to reduce by 50% by 2025 and 90% by 2050.
. Using a modified Kyoto Protocol to provide the framework for the contraction and convergence process, and for international emissions trading.
. Meeting the national carbon reduction budget by a system of Tradeable Energy Quotas (TEQs) within Australia.
. Negotiating a global Oil Depletion Protocol to allocate available oil equitably between nations, determining national oil descent budgets and providing for international trading
. Allocating oil domestically via a similar TEQ concept to emissions reduction. (TEQs are also applicable to the management of scarce water resources, although this is not the subject of the current paper).

 筆者は元・石油産業のCEOだそうです。

●沖縄・石垣島白保のサンゴ礁の白化問題
もテレビ報道がされていましたが、WWFJ(世界自然保護基金日本委員会)のHPにこの問題の特集が作られています。
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/news/2007/20070808.htm

98年のエルニーニョ期と同様に今年も(今は反対のラニーニャ期なのですが)海水温が上がっているせいで、普段はサンゴの中に共生している褐虫藻が逃げ出しサンゴ礁の白化が起こっているということです。この状態が続けばサンゴが死んでしまいます。
サンゴ礁は温暖化に対する脆弱な生態系の代表と言えるでしょうが白保のサンゴ礁の危機、ということです。
 さてサンゴ礁が壊滅してしまえば観光産業には大打撃となるでしょう、白保と云えば長年の新石垣空港建設の反対運動が思い出されます。陸上部に用地買収を始めている?ようですが、もうジェット機用の長い滑走路の空港をわざわざ作る意味もなくなるのではないでしょうか。

●このところテレビ報道で地球温暖化特集が目立ちます
 8/20,21にはテレ朝の報道ステーションで古館キャスターがスイスのローヌ氷河から融ける氷河の現場中継をしていました。
 21日にはNHKのBS1ニュースで日印首脳会談の焦点として温暖化問題を伝えた後、「今日の世界」でも「温暖化防止に生かせるか−バイオ燃料の光と影」と題して、インドネシアなどのパーム油生産のために森林が破壊されることが逆に温暖化を加速する問題を紹介していました。

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posted by おぐおぐ at 23:49 | TrackBack(0) | ニュース短信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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