2007年06月21日

有機農業を進めて温暖化対策を

 ピークオイル問題と農業というのは一つの大きなテーマとなっているかと思います。
(参考:1/26,27農業、ピークオイルと出会う:英・土壌協会の大会

とはいえ、それを名目に農業のやり方を変えようという政策論はすぐには受け入れられにくいと考えられますから、温暖化対策を名目に農業も変革が必要だ、というロジックが政治のレベルでは有効かと思います。(温暖化対策単独ならもっと優先的に取り上げるべき項目は他にある(ずばりは石炭利用の制限でしょう)けれども、ピークオイル問題対応を考えればここも優先課題だという意味です。)

農業環境技術研究所による「LCA」プロジェクト:第2章 LCA評価に基づく持続可能な農業生産システムの閻発 (平成15年)
http://www.niaes.affrc.go.jp/project/lca/lca_r22.pdf

を読んでみました。
この中ではライフサイクルアセスメントと言いながらも、(水質汚染やらの)別種の環境負荷というよりも、CO2を含めた各種の温室効果ガスを総合して、ライフサイクル総温室効果が評価できている点から、使えるデータのようです。ここでは触れていないのが、食糧輸送時のエネルギー消費「フードマイレージCO2」の観点です。英国の研究によるとこれが食品では一番大きな要因のはずです。(ほんとかな?)
末尾に関連の研究報告を挙げておきます。後日他のCO2負荷と比較したいと思います。

つまり「地産地消が省CO2という観点から(最も?)重要」。

 それは置いて、データをざっと読んで見ますと、各種の農業の実態によって作業はさまざまであり、個別の作物それぞれについて、生産方法の中で特に避けるべき良くない手法がある、という整理になるかと思います。


この中では、作物によっては、ビニールハウスによる冬季の暖房が大きな要因となる場合(つまり「旬の野菜を食べること」が重要)や、コメであれば収穫後の乾燥工程が大きな要因を占める(つまり天然乾燥でなるべく乾燥率を上げるのが良い)場合、といった事例が上げられています。

不耕起栽培はメタン発生を減らすがN2Oを増やすトレードオフがある、といった話も出ています。

 もちろん一般的には化学肥料や農薬が石油製品であったりエネルギー多消費プロセスであることから、それらの消費削減が間接的に効くのは全般的に言える話ですが、ゼロにするべきという論理にはつながらない話でしょう。

ということで食品の安全性の論理に基づく有機農業の論理と、温暖化対策を考えた環境保全型農業としての論理と、(ピークオイル後の)脱石油社会を生き残るための農業再活性化/運輸業再構築の話とは、それぞれ重なる論点も多いですが、別の論理体系となるということでしょう。

 さて、有機農業推進法は昨年成立しました。

 有機農業に特長的な方式のほとんどは温暖化を防ぐ方向の技術体系ではあるように思いますが、悪いのは「遠方の」有機農作物を取り寄せる活動である、と言えますから、いたるところで地元の有機農業を活性化させる必要がある、ということになるでしょう。
 消費者側の教育によって、これらの有効な活動を進めると共に悪い活動を抑制させることが、有機農業の促進とそれを通じた温暖化対策に有効な誘導策であるという結論になるのではないでしょうか。今年は基本計画ができ、これから地方でも実行をし始める年になるかと思います。各地の議論をチェックしてみてください。

参考:
農林水産政策研究所、中田氏の
「フード・マイレージの試算について」
http://www.primaff.affrc.go.jp/seika/pdf/primaffreview/2/primaffreview2001-2-7.pdf

食料の総輸入量・距離(フード・マイレージ)とその環境に及ぼす負荷に関する考察
http://www.primaff.affrc.go.jp/seika/pdf/seisaku/5/seisakukenkyu2003-5-2.pdf

食料の総輸入量・距離(フード・マイレージ)とその環境に及ぼす負荷に関する考察
http://www.primaff.affrc.go.jp/seika/pdf/primaffreview/11/primaffreview2004-11-3.pdf


posted by おぐおぐ at 11:44 | TrackBack(0) | ピークオイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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