2007年08月17日

ニュース短信その9

この短信の表題一覧

・ブッシュ先送り提案
・ハイリゲンダムG8サミットの動向
・ここ数日のアクセス数増加
・中国は06年に米国を抜いて世界一の排出国に
・ドイツでEUETS排出枠のオークション分配法下院通過
・米連邦下院議長ペローシ氏と上院民主党リーダーのリード氏、「ライブアースの誓い」を立てる
・独メルケル首相、前向きな2020年目標を維持する主張
・独、2030年には再生可能エネルギー電力シェアを45%へ
・岩波「科学」7月号に「温暖化懐疑論に向かいあう」記事
・2006年の再生可能エネルギー投資は12兆円
・金子勝+アンドリュー・デウィットのチーム本
・諸外国の動きに尻を押されて日本でも国内排出量取引を検討
・岩波の『世界』9月号は温暖化特集です
・毎日新聞で京都議定書10周年記念連載記事を出しています
・イベント案内8/25環境行政改革フォーラム@武蔵工業大
ニュース短信その10 へ続く

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●イベント案内8/25環境行政改革フォーラム@武蔵工業大
詳細はこちら
 この中で、3時半〜4時ころまでB会場で
−−
(4)
地球温暖化対策とピークオイル問題との相互連関(インターリンケージ)
SGW(松山ピークオイル問題を考える会)

 ここ2年ほど欧米で盛んなピークオイル論(石油の究極埋蔵量の半分を消費する時期=石油時代前期の終りには、石油生産が需要を賄えなくなり、価格高騰と供給不安を招く問題)について、早期ピーク論と反論の概要を紹介するとともに、地球温暖化対策との相互の関わりとその意味を考察する。
参考:ブログ『ん! -ピークオイル時代を語ろう-』http://ピークオイル.jp

という発表をやります。予稿集の原稿は出したものの、まだまだこれからいろいろ考える、といったところです。
−−
後日記:
今回のプレゼン内容をpdf文書にしたものを以下にアップロードしておきます。ダウンロードしてご覧ください。
その1
その2
その3
(実際にはその3はほとんど説明する時間がありませんでした…。)
teko3.png

つづく●毎日新聞で京都議定書10周年記念連載記事を出しています。
京都議定書10年に思う:地球温暖化防止/1 嘉田由紀子さん /京都
びわ湖の深呼吸がなくなった、という問題は大変・・・。

京都議定書10年に思う:地球温暖化防止/2 早川光俊さん /京都

京都議定書10年に思う:地球温暖化防止/3 小松義久さん /京都

京都議定書10年に思う:地球温暖化防止/4 浅岡美恵さん /京都

京都議定書10年に思う:地球温暖化防止/5 福山哲郎さん /京都

京都議定書10年に思う:地球温暖化防止/6 大島堅一さん /京都

●岩波の『世界』07年9月号は温暖化特集です。
 自民党の水野賢一議員が経済産業省に企業の温室効果ガス排出量情報の開示を求める文書を書かれています。
他の記事もそれぞれ要注目といえます。

●諸外国の動きに尻を押されて日本でも国内排出量取引を検討
 今日の読売新聞に掲載されました。
「温室効果ガス、どうする国内排出量取引…政府が本格論議へ」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070804i3w1.htm
 ”今月10日の次回会合では、導入済みの欧州連合(EU)に続き、米国などでも導入見通しが強まっているとする環境省などの分析結果が報告され、「世界の潮流に乗り遅れるわけにはいかない」との指摘がなされる見込みだ。経済界の反発が強い国内排出量取引が日本でも実現に向けて動き出す可能性が出てきた。”
 とのことですが、またまたバスに乗り遅れるなという段階でようやく動き出すようです。制度設計は結構重要な箇所のはずですが、これも外国の制度を丸写しでしょうか?

 内閣府の経済社会総合研究所(ESRI)のフォーラムで、
第三十回「地球環境問題:京都議定書の達成とポスト京都の主要課題」(平成19年3月16日)(注:「ポスト京都」→「次期枠組」と読み替えてください)
というシンポジウムがありました、この中で米国の当時の動きと、欧州のEUETSについてのそれぞれ各地の研究者による紹介と議論がなされています。概要。

●金子勝+アンドリュー・デウィットのチーム本
の、「環境エネルギー革命」は、ここ「温暖化いろいろ」でウォッチしてきた温暖化の科学やら、京都議定書の外交、欧米の政治状況、石油争奪戦争たるイラク戦争や、スターン報告書にみる割引率問題なども踏まえて日本の硬直したエネルギー政策を批判していると言う点で、非常に統合をして仕上げられた、政治経済学の本です。僕もこれくらいクリアカットな書き方ができればなあ、とうらやましくなるくらいで、ぜひお読みください。

環境エネルギー革命(著)金子 勝/アンドリュー デヴィット
環境エネルギー革命
出版社/メーカー:アスペクト
価格:¥ 1,575
ISBN/ASIN:475721393X
Rating:ZERO

「この本では、環境エネルギー問題の国際動向に焦点を当てている。日本の多くの人びとは気づいていないが、私達の予想どおり「イラク戦争が終わらない」ことがわかってから世界は大きく変化し、この環境エネルギー政策に国際政治の対抗軸が大きくシフトしているからである。しかも、この点でも、日本の政治やメディアはますます世界から取り残されている。皆が、日本の「不都合な真実」を隠しているのだ。」(あとがきより)

●2006年の再生可能エネルギー投資は12兆円
ちょっと古い記事ですが
$100 billion invested in renewable energy in 2006
http://news.mongabay.com/2007/0620-energy.html
 UNEP(国連環境計画)のまとめによると、全世界で2006年の再生可能エネルギーと省エネへの投資は、$100billion(≒12兆円)となり、前年比25%の伸びだったとのこと。
この数字は単年度設備投資ベースでは発電セクターへの投資全体の18%とのこと。

 2007年については850億ドルへと逆戻りの予測だそうですがほんとかなあ。

2006 a boom year for investment in renewable energy
http://www.edie.net/news/news_story.asp?id=13227&channel=0
も同じ報告書を記事にしています。

●岩波「科学」7月号に「温暖化懐疑論に向かいあう」記事
が出ています。
Videonews.comの神保哲生さんと東北大明日香壽川さんの対談です。
この7月号は他にも温暖化関連の記事がまとまったものとして出ているようです。

●独、2030年には再生可能エネルギー電力シェアを45%へ
Germany aims to boost 'green' electricity
http://www.france24.com/france24Public/en/news/science/20070705-germany-climate-warwming-electricity-renewable-resources-.html
”ガブリエル環境大臣は、ドイツ政府は再生可能エネルギーを2030年の電力比率が45%になるまで上げる目標値を作ろうとしていると木曜日語った。
2000年に作られた再生可能エネルギー法renewable energy law (EEG)の2010年に12.5%とする目標はもう達成されている。2020年の数値目標も最低27%に改定すべきとも語った。”

●独メルケル首相、前向きな2020年目標を維持する主張
Germany: Merkel rejects call to moderate emissions cuts
http://www.sciam.com/article.cfm?alias=merkel-rejects-call-to-mo&chanId=sa003&modsrc=reuters
”産業界との3度目の話し合いを経ても、メルケル首相は、2020年に全温室効果ガスを1/3削減するという当初の提案を守りきった。
産業界は目標が過大であり雇用に悪影響となると批判していたが、メルケル氏は「私達はみな、何もしない場合のコストがどれほど高くなるかを知っている。私達は正しい道をたどっている」と語った。
火曜日の会合では産業界側は2020年代初期に原子力発電所を段階的に全廃するとの過去の協定を再検討することを要求していたが、メルケル首相は「政権連立時の(原発全廃の)合意は見直すことはないと政府は産業界に明らかにしている」と語った。
現在ドイツには17基の原発があり電力の1/4を賄っている。
年率3%ずつのエネルギー効率向上によりこの目標を実現したいと語っている。
ドイツはまた、再生可能エネルギーの比率を現在の12%から30%にまで拡大することを目指している。”

 参院選が近づいてきました。美しい星の、でも美しくない首相は、果たして美しい数値目標を公表できるまで政権を維持できているでしょうか?
 洞爺湖サミットでは、メルケル首相のような質実剛健な女性首相がホステス役を勤めていただけると面白いのだけれど。

●・米連邦下院議長ペローシ氏と上院リーダーリード氏、「ライブアースの誓い」を立てる
 REID, PELOSI SIGN ‘LIVE EARTH PLEDGE’(ライブアースのプレスリリースより)

”私は以下のことを誓う。

1.我が国が2年以内に以下の国際条約に参加するよう要求する。つまり次世代が健康な地球を相続することができるように、先進国は温暖化公害を90%削減し、世界全体では半減以上の削減を行うことを求める条約を作る。

2.気候の危機を解決するための個人でできる一助として、できるかぎりCO2の排出を削減し、さらに残りの排出量をオフセットするプロジェクトに金を出すことで”カーボン・ニュートラル”となるようにする。

3.安全にCO2を回収し貯留できる設備の付いていない石炭火力発電所の新設のモラトリアムを求めて闘う。

4.家庭や職場、学校、宗教施設、そして移動手段に関して、劇的なエネルギー利用効率の向上を求めて働く。

5.再生可能エネルギー源の利用を拡大し、石油と石炭への依存を低下させるための法律と政策を求めて闘う。

6.樹を植え、森林を保護する活動に加わる。

7.この気候の危機を解決し、持続可能で公正で、繁栄する21世紀の世界を作るという公約に賛同するリーダーを支持し、そのような会社からモノを買う。”

 なかなか興味深い、”私にできること”集になっていると思います。
主催者側の翻訳はこちら。

●ドイツでEUETS排出枠のオークション分配法下院通過
German Lawmakers in Berlin Approve Carbon Emission Auctions
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601100&sid=a_..vdzFo550&refer=germany
 ドイツ政府は2012年までのEUETS下の排出枠全体の10%分もの大量な枠をオークションにより売り出すこととした。
その分、個別企業へのグランドファザーリング(既得権による無償割当)方式による初期配分は減らすことになります。
また一歩、排出枠取引の制度が前進したことになると思われます。EUETSの中でのオークション方式の導入は初めての例でしょうか?

●中国は06年に米国を抜いて世界一の排出国に
China overtakes US as world's biggest CO2 emitter
http://www.guardian.co.uk/china/story/0,,2106687,00.html

日本の新聞でも取り上げられていますが、オランダのNetherlands Environmental Assessment Agencyによると、中国が昨年米国を抜いて最大のCO2排出国となったという話です。化石燃料消費とセメント製造統計からの算出ですが、他の(統計が整備されていない)排出源を含めても結論は変わらないだろうとしています。
 もっとも一人当たりの排出量では米国の1/4、英国の半分だとも指摘しています。

●どういう理由からか不明ですがここ2,3日アクセス数が増えていますね。
話題となったニュースも思い当たらないのですが・・・。

ハイリゲンダムG8サミットの動向
という記事をブログ「京都議定書の次のステップはなんだろう」に掲載しています。

外務省HPの議長総括の仮訳より
"気候変動とエネルギー効率及びエネルギー安全保障:気候変動との闘いは人類の主要な挑戦の1つであり、我々の自然環境と世界経済に深刻な悪影響を与える潜在性がある。我々は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最近の報告と研究結果に懸念をもって留意した。我々は、緊急に協調的な行動が必要であると確信し、気候変動の取組において、指導的役割を示すべき我々の責任を受け入れる。我々が合意した主要排出国を巻き込むプロセスにおいて、排出削減の地球規模の目標を定めるにあたり、2050年までに地球規模での排出を少なくとも半減させることを含む、EU、カナダ、及び日本による決定を真剣に検討する。

 我々は、国連の気候プロセスが、気候変動に関する将来の地球規模での行動を交渉するための適切なフォーラムであると合意した。我々は、このフォーラムで前進することにコミットし、すべての主要排出国を含むべき包括的な2012年以降(ポスト京都議定書)の合意に達するため、すべての締約国に対し、 2007年12月にインドネシアで開催される国連気候変動会議に積極的かつ建設的に参加するよう呼びかける。気候変動の緊急な挑戦に取り組むためには、主要排出国が2008年末までに、新しい地球規模の枠組みに対する詳細な貢献について合意し、それが、2009年までに気候変動枠組条約の下における地球規模の合意に資することが必須である。我々は、気候変動の挑戦に対する最良の取組のあり方について、主要排出国を関与させる必要性を繰り返し述べる。我々は、更なる行動が、共通に有しているが差異のある責任、能力という国連気候変動枠組条約上の原則に基づくべきと強調する。

 技術、エネルギー効率、及び排出量取引制度または税制上のインセンティブを含む市場メカニズムは、エネルギー安全保障を強化するとともに、気候変動を抑える鍵である。我々は、サンクトペテルブルクで合意したエネルギーの安全保障原則を再確認した。我々は、新興経済国との議論において、エネルギー効率と技術協力が、フォローアップ対話の重要な要素になろうと合意した。"



●ブッシュ先送り提案
 6月1日にブッシュ米大統領は、「研究開発による解決策」という名の先送り戦術を、京都議定書の次の国際協定の中身として推したい意向を明らかにしました。

東京新聞:米国サミット前 温暖化対策提案 主導権奪取乗り出す
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007060202020910.html

 詳細といっても、大統領のラジオ演説
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2007/06/20070602.html
での発言が全てのようです。(関連部分を以下に仮訳しておきます。)

「第3のイニシアティブは、途上国が、環境を守り地球的な気候変動の挑戦に対処しつつ増加するエネルギー需要を満たすのを助ける提案だ。
私の提案では、来年末までには米国と他の国は温室効果ガスを削減する長期目標を設定する。そしてこの目標を達成するために、途上国に技術という武器を与えなければならない。米国は何十億ドルの投資をクリーンエネルギー技術に掛けており、もうじきこれらの技術を他の国と共有する新たな手法を提案する。
技術革新の精神を通じて、途上国が経済を成長させつつ責任ある環境の守り手となることを助ける。」

関連記事
レームダックになった米大統領のG8サミット ―温暖化対策提唱したが― 2007/06/07

を、JanJanに掲載してもらいました。
(ごちゃごちゃ書きすぎて分かりにくくなってしまいました、ごめんなさい。)

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posted by おぐおぐ at 10:21 | TrackBack(1) | ニュース短信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 世界中で持続可能な自然エネルギー(再生可能エネルギー)に投資された金額は、昨年つ
Weblog: サステイナブルなもの -Something Sustainable-
Tracked: 2007-06-21 23:42
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