2006年08月30日

ニュース短信その2

この短信の表題一覧
・英国の原発論争
・エアロゾルの間接効果に新たな説明
・英国の持続可能な発展委員会(SDC)より、既存のビル・住宅への断熱改修の重要性を説く報告書
・南極の海氷の変動
・欧州、米国の熱波について
・米ブッシュ政権、NASAの使命を改変
・成長が加速するドイツのソーラー業界 / ドイツ大使館発表
・あの人は今…ジョン・ケリーはサンフランシスコ・クロニクル紙に
・NHKで温暖化の悪影響についての放送
・台風の記事は今年は一つも書いていませんでした
・NPO法人気候ネットワークでは東京事務所のスタッフを募集
・9/4京都:排出量取引制度についての研究会
ニュース短信その3 へ続く


●9/4京都:排出量取引制度についての研究会
MLに流れていたものを転載しておきます。
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<排出量取引制度に関する研究会のお知らせ>

日時:2006年9月4日(月) 18時30分開始
場所:龍谷大学深草キャンパス 紫英館(しえいかん)5階会議室
 最寄り駅は、京阪「深草」、JR奈良線「稲荷」、京都市営地下鉄「くいな橋」です。
 地図参照 http://www.ryukoku.ac.jp/web/map/fukakusa.html
  京阪の深草駅からは、地図上の東門(D)を入っていただき、6の建物になります。
建物の入り口は、建物の西側と南側にあります。エレベータで5階まであがっていただき、廊下を左方向へ行った突き当たりが会議室となります

報告:「排出量取引の現状と今後の課題」新澤秀則先生(兵庫県立大学)
  EUでの排出量取引制度の仕組みと現状、日本での本格導入のための課題、国際交渉との関わりなどについてご報告いただきます。

*この研究会は、文科省科学研究費補助金特定領域研究「持続可能な発展の重層的環境ガバナンス」(研究代表者:植田和弘・京都大学教授)のもとでの研究課題「温暖化防止の持続的国際的枠組み」(研究代表者:新澤秀則・兵庫県立大学教授)、京都学術共同研究機構研究プロジェクト「京都議定書第一約束期間後の地球温暖化防止の国際制度の研究」(研究代表者:高村ゆかり・龍谷大学)、気候ネットワーク、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)の共催によるものです。
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つづく●NPO法人気候ネットワークでは東京事務所のスタッフを募集しています。
http://www.kikonet.org/recruit-tokyo.htm
締め切りは8月31日。ハードワークかと思いますが、我こそはと思う方はどうぞ応募を。

●暑さでぼーっとなっていましたが、台風の記事は今年は一つも書いていませんでした。
 8月18日現在、台風10号が九州を丸一日かけて縦断中です。今年は台風の声を聞くことも少ないようです…。単に今住んでいる地域が直撃を受けていないからだけのことかもしれません。

 土砂崩れなどの災害を受けないようにするために、住宅地などについては土地利用で制限を掛けて住宅地にしないようにする、という意思決定は都市計画の中でいつかの時点で導入しなければならないと思いますが、それはいつになったらできるんでしょう。予防的な災害対策−適応策の中心課題であるのかもしれません。

●そうそう、NHKで温暖化の悪影響についての放送がありました。
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8月16日(水)NHK総合テレビ 午後7:30〜午後8:45(75分)
「ちょっと変だぞ 日本の自然」

 今、身近な自然に異変が起きている。日本各地に地球温暖化の影響が現われているのである。例えば、これまで南国にしか生息していなかった生物が続々と北上しているのだ。九州の蝶が関東地方に現れ、亜熱帯のエイが瀬戸内海に襲来している。さらに暖かくなったことで危機に瀕している生物もいる。積雪の減少が原因の一つとなって、琵琶湖では湖底に棲(す)む魚が激減し、尾瀬では蝶の種類が減っているのだ。番組では、子どもたちや地元の人々から身近な異変を教えてもらい、その背景を専門家とともに探る。また、スタジオのナビゲーターとして恵俊彰、ゲストにデーモン小暮閣下、渡辺満里奈らを迎え、これらの異変が何を警告しているのかを考えていく。

【司会】恵  俊彰, 国立環境研究所理事…西岡 秀三,
【リポーター】瀬川  亮, 坂本 三佳, ビビる大木,
【語り】安井 邦彦, 高橋 美鈴
−−−
 直前に紹介をもらっていたのに紹介もできず、当日途中から見る羽目になってしまいました。
 先日オレゴンの貧酸素海域の話で書いた琵琶湖の深呼吸の話なども紹介されていましたね。現場の取材を重ねて問題を知らせる良い番組だったように思います。なんていいながら後半ちょろっと見ただけですが。
再放送を希望します。

●あの人は今…ジョン・ケリーはサンフランシスコ・クロニクル紙に
Time to put climate change on the national agenda
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?file=/chronicle/archive/2006/08/09/EDGOBIQ0K61.DTL
との主張を投稿しています。
 この中では、ブッシュ政権の温暖化無策をイラク戦争と同様だと批判して、キャップ&トレード型排出権取引制度を導入する新たな法案を提出するとしています。
2010年から開始するこの規制は2050年までに2000年レベルから65%削減を達成するまで順次強化されるとのこと。

マサチューセッツ州の上院議員をやっているケリー氏は2004年の米大統領選挙でブッシュに大敗しましたが、今年秋の中間選挙での民主党の広告塔になろうとしているのでしょうか?。

以前共和党のマケイン議員と組んで、キャップ&トレード型排出権取引の法案を提案していたコネチカット州のリーバーマン上院議員はイラク戦争賛成とブッシュよりの姿勢に批判が強く、民主党の予備選で負けています。
実際には共和党が大負けすることがなければ、法案が通る可能性は高くないでしょうが。

●ブログ:ソフトエネルギーより
成長が加速するドイツのソーラー業界 / ドイツ大使館発表
http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2006/08/__0080.html
という記事がありました。
”連合会の算定によると今では、世界中に設置されたソーラーセルの4分の1はドイツ製です。5年前の世界市場では、ドイツのソーラーセルの市場シェアは 10%弱しかありませんでした。「南ヨーロッパ市場だけでも、太陽光発電市場の規模は2010年までに今の10倍になる見通しです」とケルニッヒ代表は話しています。”
 とのことです。日本にも産業政策が欲しいですね、昔はあったんでしょうが…。


●米ブッシュ政権、NASAの使命を改変
NASA’s Goals Delete Mention of Home Planet
http://www.nytimes.com/2006/07/22/science/22nasa.html?_r=2&oref=slogin&oref=slogin
 なんてことでしょう、ジム・ハンセンをバッシングするためでしょう、この2月に、NASAの組織としてのミッションの文言から、“to understand and protect our home planet” という文言が削除されたということです。
「焚書坑儒」の所業まではもう一歩です。
逆説的ですが、如何にブッシュ政権が科学者の発言に悩まされているのか、が分かります。


●欧州、米国の熱波について

Europeans struggle to keep cool in heat wave
http://www.usatoday.com/news/world/2006-07-18-europe-heat_x.htm
欧州の熱波のひどさを評価するのに、どうしても2003年の欧州大熱波と比べてどうかと考えてしまいますが、悪い習慣です。死人が出ているというので充分でしょう。

イングランド南西部 38.5℃を超える史上最高気温の予想 
今後は常態化と専門家
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/climatechange/news/06071801.htm
農業情報研究所の北林氏のページです。

United Kingdom: Too warm? Get ready for a record-breaking week
http://www.theherald.co.uk/news/66051.html


米国でも熱波
朝日:熱波、米国全域で猛威 10州で22人死亡
http://www.asahi.com/international/update/0721/018.html?ref=rss

Heat wave broils much of nation
http://www.mercurynews.com/mld/mercurynews/news/nation/15053688.htm
緊急避難所として冷房センターというのを開いていますね。

When hot weather hits, older people most at risk
http://www.bergen.com/page.php?qstr=eXJpcnk3ZjczN2Y3dnFlZUVFeXk4NSZmZ2JlbDdmN3ZxZWVFRXl5Njk2MzEyOSZ5cmlyeTdmNzE3Zjd2cWVlRUV5eTU=
 熱波に対処するための心得6ヶ条があります。


●気持ちばかりの涼しさを。
南極の海氷の変動については
南極海の海氷変動 というページがありました。アニメーション?で一年間の海氷の面積の変動を示しています。
北極の海氷の変動はよく図が示されますが、南極では北極のような海氷の縮小傾向はなく、むしろ増えている、ということです。どうしてでしょうね。

●英国の持続可能な発展委員会(SDC)より、既存のビル・住宅への断熱改修の重要性を説く報告書が発行されました。

United Kingdom: Wasteful homes 'risk eco-targets'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/5194986.stm
現在の建築物の大半が2050年にも建ったままであることを考えると、2050年CO2排出量60%削減という英国の公式目標を達成するためには既存のビル・住宅における断熱改修の必要性は当然のこととみなされます。

報告書の本文
Stock Take: Delivering improvements in existing housing(ストックが物を言う−既存住宅での改善を遍く広げる)
http://www.sd-commission.org.uk/publications/downloads/Stock_Take_UK_Housing.pdf

 日本は英国のような長寿命の住宅を建てられていないことはもちろんですが、それでもすでに人口減少社会を迎えた今後は、どれほども建てかえや新規建築があるのかは分かりません。また、結局新築する際には費用が掛かりすぎて高い断熱性能を求めるまでできない可能性もあります。
今あるストックに手当てをしないままでは、温暖化対策の手立てそのものが見えないのが現状だといえます。
もし住宅に耐震改修をする予定があるのであれば、壁面に手をつけるので、断熱改修も一緒にしてしまいましょう。
この報告書の中でも多くの部分改修は、1,2年で費用をペイできるという指摘がされています。地域の産業としての住宅リフォーム会社のメニューの中には必ずこの断熱改修を入れるようにして欲しいものです。


●エアロゾルの間接効果に新たな説明
NASA Explains Puzzling Impact of Polluted Skies on Climate
http://www.spaceref.com/news/viewpr.html?pid=20331

"When the overall mixture of aerosol particles in pollution absorbs more sunlight, it is more effective at preventing clouds from forming. When pollutant aerosols are lighter in color and absorb less energy, they have the opposite effect and actually help clouds to form," said Lorraine Remer of NASA's Goddard Space Flight Center.
 明るい色のエアロゾルは熱を持たないので雲の生成を促進し、太陽光反射につながるが、暗い色のエアロゾルは熱を持ち雲の生成を妨害する、ということをNASAの科学者が観測で確認したようです。サイエンス誌に掲載されたとのこと。

くわしくはこちらへ。
NASA Explains Puzzling Impact of Polluted Skies on Climate
http://www.nasa.gov/vision/earth/environment/pollution_clouds.html


●英国の原発論争
 今朝の共同通信の記事で英国が従来の原発フェーズアウト政策を転換すると発表した、と記事になっています。

共同:英、新規原発推進に転換 17年ぶり

朝日:英、「脱原発」を転換 廃炉分新設を後押し

朝日:原発再開めぐり、揺れる英 ブレア政権のエネルギー政策

日経:英が原発の新設再開、ガス輸入拡大に危機感

フジサンケイ:北海原油枯渇も現実味 老朽化で廃炉ラッシュ

 以前、温暖化対策としての原発のリバイバル?
でも紹介しましたが、ブレア首相が2003年に作ったばかりのエネルギー戦略を見直しすると決めた時点から、原発推進(とは言っても、廃炉になっていく原発の補充用に原発を新設するという趣旨)に向かう方向性が見え隠れしていると環境NGOからの批判を受けていました。

 尊敬すべきライター、ジョージ・モンビオ氏は、主張してきた2030年90%削減というドラスティックな温暖化対策との板ばさみで苦しいながらも反対の論陣を堅持しているのが印象的です。

ガーディアン紙7/11 Thanks, But We Still Don’t Need It
http://www.monbiot.com/archives/2006/07/11/thanks-but-we-still-dont-need-it/

その他の英語紙の記事もリンクだけ付けておきます。
United Kingdom: Blair's Aim for Reactors Suffers as Carbon Costs Sink
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601102&sid=at5DAXdC1U7I&refer=uk

United Kingdom: Government faulted for "hasty" nuclear review
http://today.reuters.co.uk/news/newsArticle.aspx?type=topNews&storyID=2006-07-10T005001Z_01_L09663384_RTRUKOC_0_UK-BRITAIN-ENERGY-NUCLEAR.xml

United Kingdom: MPs warn Blair over nuclear review sham
http://news.independent.co.uk/uk/politics/article1169725.ece

Nuclear, sun and wind power for Britain
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,17129-2264260,00.html

Blair Risks Public Nuclear Power Backlash, UK Lawmakers Say
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601102&sid=aOFJ79zIb6YE&refer=uk

United Kingdom: Don't rush into nuclear power, MPs warn Blair
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2006/07/10/nuke10.xml&sSheet=/news/2006/07/10/ixuknews.html

United Kingdom: Energy review set to spark protests
http://www.guardian.co.uk/uklatest/story/0,,-5943253,00.html

United Kingdom: Blair, Risking Split With Party, Aims to Spur Nuclear Power
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601085&sid=aC4XBxXbJyRE&refer=europe

Nuclear power to make 'significant contribution', says Darling
http://business.guardian.co.uk/story/0,,1817854,00.html

UK says atomic power needed to fight global warming
http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/L11926681.htm

UK Nuclear Focus May Boost Emissions - Green Groups
http://www.planetark.org/dailynewsstory.cfm/newsid/37203/story.htm


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posted by おぐおぐ at 23:17| ニュース短信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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