2006年05月08日

高速増殖炉開発は検証に耐えうる計画なのかその1

●ハードエネルギーパスの雄、原発
ハードエネルギー路線推進派である現在の日本の官−産−学界にとって今のところもっとも受けの良い、いわば希望の星であるのは原発(原子力発電)であると言えるでしょう(こうしていわゆる原子力村が原発を推進する構造になっています)。

(もう一方のハード路線、つまり石炭火力発電所をどんどん建設するという方向は、石炭が単位熱量当りのCO2排出量が高い最悪の化石燃料であり地球温暖化の問題で制約される上、他のSOx、NOxやPM、水銀、フッ素と言った大気汚染物質のオンパレードにもなってしまうため、制約をどんどん厳しくしていかなくてはなりません。)

ところで実績としての原発は、放射性廃棄物の処分方法ができていない、あるいは重大事故を呼び込みかねない様々な故障を起こし、広域の電力供給不安も起こしましたし、さらに人身事故まで起こすなど、過去に孕んできた問題が多々ありました。

●ピークウラン問題それらの問題も未解決で社会的な信用を落としているのですが、それ以前に資源としてのウランの埋蔵量は現在の消費量に換算して数十年単位分しかなく、もし各国が化石燃料から原発への転換を図れば、ただちにウラン自体も減耗の問題(ピークウラン)に直面します。これが原発を推進するに際しての鬼門となっています。

そこでこの問題を回避する方法として原子力村が錦の御旗として掲げているのが、次世代の原発、高速増殖炉の開発です。
ウランの中に沢山ある燃えない(核分裂しない)同位体、ウラン238に高速中性子をあててやると、効率よくプルトニウムに変わるので、このプルトニウムを後で取り出して再び燃料として使うことができる、というものです。これによって元々のウランの可採年数が何十倍にもなるようなものとされています。(文部科学省:「もんじゅが開く未来」 )

さて、この高速増殖炉の実証炉である「もんじゅ」は95年に事故を起こして開発も一頓挫し、現在も停止中ですが2008年頃の再起動を目指して地元への根回しを進めているところです。(Wikipedia:もんじゅについて を参照のこと)

文部科学省のページにある計画では「2050年頃からの商業ベースでの導入」を想定していますが、2050年という時点でもう笑えてきます。

ピークオイルから最短でも20年経過した後ですし、温暖化問題も2050年までには勝敗が付いてしまっていることでしょう。そうなってから使えるようになったのではtoo lateです。

では、なんとかしてもっと計画を早めてもらえればよいのでしょうか?


posted by おぐおぐ at 12:58| 核エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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