2006年05月01日

Over the Rainbow戦略:ピークオイル「危」「機」を梃子に温暖化対策を

英国の環境NGOグローバルコモンズ研究所(GCI)が提案している、収縮と収斂Contraction&Convergenceの概念や、前回のritaさん紹介の石油時代のグラフ を眺めていると、"Over the Rainbow"という表現に行き当たります。
それぞれ各国の化石燃料からのCO2排出量や各国の原油産出量を示す七色の増加曲線が、やがて弧を描いてピークを迎え、さらにソフト/ハードランディングつまり収束していくことで全体として一つの虹を形作っていくと受けとれるからです。

  ほーお、2つの虹の形をどこまで一致させられるか、こそが鍵になるんやね。

Over the Rainbowで思い出すのはglobeのケイコさまの熱唱。

  たとえ虹を越えられなくても〜♪ かいな。

あわわ訂正訂正。Over the Rainbowで思い出すのはレインボーパレードの語源にもなった、「オズの魔法使い」でドロシーが歌う希望の歌です。

  フンフンそれで?戦略ってどんなもんなん?

(一次二次石油ショック程度の短期的な混乱は多少起ってもやむをえないという価値判断の下で、)産業革命以前の時期と比べて2℃の気温上昇限度での安定化を達成するべく、温暖化対策を間に合わせることを最優先目標として、ピークオイル問題の起り方とそこへの対応戦略をこれから考えて行きたいちゅうことです。一度にひとつずつでっせ。

  がくっ。ほなまたなー。 とだけで済ますのもがっかりさせますので、昔のCOP3前に紹介した記事から転載をしておきます。
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[climate 303] Who's afraid of atmospheric stablization
題名:気候>石油業界は悪夢を見ていたのか?
1997年 3月 14日 (金) 14:49:00 JST

 3月10-12日の、IPCCのIAMワークショップに参加していたら、英王立外交研究所のマイケル・グラブ博士の論文の草稿が置いてありました。(またなんでこんな所に置いてあるのやら。皆に言い触らしたくて仕方なかったんじゃなかろうかい。)
Draft 1.0, March 1997. Circulated for comments.
Do not quote or cite without permission.としているものです。:-p

 博士は、1月にもGISPRI主催のIPCCワークショップで来日して、米国政府提案の排出取引について解説をしていた人です。
 以下ざっと論文の中身を紹介しておきます。

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「化石燃料と気候変動:大気中濃度の安定化を恐れるのは誰か?」

 EUの提案したような、550ppmvの安定化目標を達成するには、油田オーナーとの格闘を伴う、世界のエネルギーシステムの劇的な改革が必要だと皆が仮定している。
 しかしこれは全くの間違いだ。見過ごされているのは2つの長期予測の数値を比較することだったんだ。そうやっていれば全く新しい光が事実を照らしてくれたはずだ。(・・・とまあ刺激的な論文です。)

・その二つの数値とは、化石燃料の確認埋蔵量と、二酸化炭素の大気中蓄積量の関係だ。

・550ppmvという目標に達するには、推定埋蔵量の2倍、そして確認埋蔵量の5倍の石油/ガスを燃焼させなければならない。

・可採年数は戦後ずっと伸びつづけているから、物理的な意味はないという反論が出るだろうが、それらの見直しの多くは、既知の油田/ガス田の埋蔵量の過小評価が分かったことによるのだ。未確認油田の埋蔵量見通しの増加は、既存の油田の埋蔵量見通しの増加よりも少ない。

2010年にも、石油の高騰は起こるだろう。

 石油は最もレント(あがり・権益)の大きな化石燃料であることが、産油国政府と消費国政府が大きな関心を抱いている理由である。
 炭素税の導入とは、このレントの多くを消費国政府がかすめ取ることを意味しているため、産油国は恐れているのだ。しかし、石油業界や産油国政府は長期的な大気中濃度安定化のことを気に病む必要は全くないのだ。彼らの資源は早いうちに無くなって石油も高騰してしまうのだから。
 そして消費国政府は、いずれ必要な化石エネルギーからの脱却の一つの目安として温暖化問題を取り扱うことができる。

 経済性の考慮をすると、再生可能エネルギーはじきに無くなる極低価格の石油と競争する必要はない。本当の問題は、特にプレミアムの付く市場である運輸用燃料の市場で、残りの大量にある劣位資源である石炭の液化技術が普及するのが先か、それとも、
再生可能エネルギーが普及するのが先か、なのだ。
 結局、石炭相手であれば、市場競争で勝つことができるだろう。

 政策で言えば、需要をどう減らすかの議論が盛んだが、供給側の政策も重要であることが分かった。新たな化石燃料の開発や、特にタールサンドや他の化石燃料の開発のためのインフラ投資や、石炭からの合成油製造などの技術開発を行わなければ、従来の石炭との競争だけで事は済む。
 (このへんの開発の政策は、日本政府がいかにもやってるものなので、日本の技術移転やら石炭関連の援助、投資を押さえ込むということが重要だと言外に言いたのかもしれません。)

 結論として、望ましい政策は、簡単なものである。

・先進国での石炭からの脱却を促進すること。
・途上国での技術移転とインフラ援助により、石炭からの脱却を助けること。
・そして、新規の化石燃料資源の探索や合成燃料の開発に専心し、新たな脱化石燃料を開発しないような羽目には陥らないことである。

 温暖化の問題は、どのみち迎える、近未来の燃料転換の困難な時期の一つのエピソードにすぎないだろう。
 それでは、石炭業界以外には、一体誰が大気の安定化を恐れなくちゃならないのか?

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 やってくれます。これは英国外交のブラフというものなんでしょうか。

 関連資料として、エネルギーフォーラムという電力業界誌の1996年7月号には、特集「化石エネルギーの無くなる日」という特集で、石油の埋蔵量関連の予測が出ています。これも2010-2030年には1バレル20$以上という、かなり悲観的な予測を書いています。(注:後から見るとどこが悲観的やねん)

 必要な方には別途FAXで原文を送りますので連絡下さい。
 ご意見他お待ちしています。
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という話でした。この話をすっかり失念しておりました。
posted by おぐおぐ at 09:25| ピークオイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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