2005年12月02日

北大西洋の熱塩循環30%弱まる

 昨日のCNNのニュースの中では、ここ数日欧州を襲った大寒波のシーンと、デイ・アフター・トゥモローの映像を絡めて、「欧州は気候変動で寒冷化するのか」という紹介をしていました。

 いま地球規模で動いている海洋の熱塩循環が、温暖化で溶けた淡水のために沈降を妨げられる結果未来のいつかシャットダウンし、メキシコ湾流が北大西洋まで到達しなくなり、結果として欧州が地域的な小氷河期を迎えるというシナリオです。
この議論は第三次報告書では21世紀中には起こらない、と評価されていましたが、ネイチャー誌にもまた研究報告が載ったということを紹介して、二人の研究者(Harry BrydenとRichard Alley)のインタビュー発言を放送していました。


 そこでは報道のタッチが軽かったのでたいした中身ではないのかな、と思ったのですが、以下のBBCの記事をみると、結構深刻な話のようです。(これまでは実績として沈降が弱まっているという話はほんとになかったんでしたっけ??)BBC:Ocean changes 'will cool Europe'
そのネイチャー誌の報告の詳しい紹介です。
"We saw a 30% decline in the southwards flow of deep cold water," said Harry Bryden.
"And so the summary is that in 2004, we have a larger circulating current [in the tropical Atlantic] and less overturning."
つまり、単に沈降が減るのではなく、表面流で曲がる流れが出てきて結果としていきわたらなくなった欧州が寒冷になるということのようです。

Altantic Ocean current shows weakening signs
インターナショナルヘラルドトリビューン紙でも簡単に紹介しています。

 米国のメディアもモントリオール会議のことを気にしてメッセージを出しているようですね。

今号のネイチャー誌のページには日本語要約があるようですが、購読していないので読んでおりません。

が、ネイチャーニュースには詳しく掲載されていました。
http://www.nature.com/news/2005/051128/full/051128-9.html

その他の記事も参照ください。
Global warming 'will bring cooler climate for UK'

Global warming could lead to regional cooling

Gulf Stream 'engine' weakening, say scientists

Key warming ocean current slowing down -scientists


Fears of big freeze as scientists detect slower Gulf Stream

Currents that warm Europe seen slowing

Alarm over dramatic weakening of Gulf Stream


後日記:
  ワシントンDC開発フォーラム・環境ネットワークのブログの記事「弱まる大西洋の深層循環」
の中でも分析がされています。

コメント:
 もしかするといよいよオゾンホールが開いていたことが分かったことに匹敵する発見が出てきたのかもしれません。
 モントリオール議定書は87年の締結時には全廃のぜの字もありませんでしたが、89年、90年、92年と改定を重ねた結果、95年末の最初のCFC類全廃まで対策が強化され続けたのでした。


コメントをいただきました。
Posted by Taka at 2005-12-05 08:53:54
THC変化の観測データについて:ペンタゴン・レポートのp.20に塩分濃度の変化を示す図と文献紹介があります。私は文献は見ていません。


posted by おぐおぐ at 16:21| 気候カタストロフィ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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