2005年10月20日

国会での炭素税論議の紹介

特別国会でも衆参両院で環境委員会が開催されています。
 そのうちの、10月14日衆議院環境委員会より、国内の温暖化対策の中から炭素税関連のやりとりをテープ起こししたものを以下に紹介します。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib2.cfm?u_day=20051014
より
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(環境=外部不経済の内部化)
坂井学議員(自民党)

 環境と経済の関係、環境税についてこれから何点かお伺い。
 市場の力、また経済自体を通じてこれから社会全体をグリーン化をしていく原動力として、環境税がもし充分機能を果たすのであれば、これは環境を経済の中に要因として盛り込むことに大変大きな力となるのではないかと思うのでありますけれども、それもそれぞれ環境税の制度設計等によりまして大きく変わってくるものと思います。
 昨年に引き続き、今年も環境省では当然環境税これ検討しているということで聞いていますけれども、今年の検討の趣旨や課税対象並びにその規模についてお伺いをしたいと思います。

田村よしお環境省総合環境政策局長

 先生おっしゃられました、環境という要素の経済への内部化ということ、これはきわめて大事であることはその通りと存じますし、一般に、環境汚染に対する手法といたしましては、規制をする手法とか、おっしゃるように経済的手法、あるいは情報的手法とさまざまな手段があるわけでございまして、環境税とはこの経済的手法の代表的なものの一つだと思います。
 まさに二酸化炭素という環境に負荷を与えるものに対して、それを課税対象としてとらえるということでございますから、今、私どもの環境税の制度設計を今まさに検討している最中でございますので、どのくらいの規模でということお答えできませんけれども、基本といたしましては環境税の課税対象というのはやはり化石燃料において、今まさにおっしゃられた経済的仕組み、経済的手法を重んじる環境税のよさを十二分に生かして、また一方で国民経済に与える影響等もございますからそういうものに配慮した観点から、一つの経済的手法としての環境税というものの制度設計を作っていると、いうことでございます。

(後日記:
・環境省の本年度版「環境税の具体案」が10月25日付けでWebサイトに掲載されています。)

・11月末に、小池百合子環境大臣のメッセージ
「環境税の4つの批判にお答えし、2つの提案をします。」が出ています。

(日本経団連の反対をどう見るか)
坂井議員

 昨年の段階におきまして環境税が検討された際、経団連をはじめ、財界が強く反対をしたということを私は聞いております。この環境税が経済全体に悪影響を及ぼし、そして日本経済が悪くなるのではないかということだと思いますけれども、この点に関しまして環境省はどういう分析を行い、また、その結果どのような今認識を持っておられるのかをお聞きしたいと思います。

田村局長

 環境税が経済に与える影響ということでございますが、たとえばでございます、昨年度、私どもが提案いたしました環境税の具体案でございますが、私どもの経済モデルで計算しましても、経済全体に与える影響というのはほとんどない、まあ0.01%程度の減という程度の試算数値は出ております。
 基本的に環境税というものの性格にもよりますけれども、環境税でかかった税収を国民経済にいわば還元する、さまざまな省エネルギー対策とか森林対策とか、そういうものによって還元することによって、いわば経済からの効果というのをオフセットできるわけでございますから、全体としてみたら、経済に与える効果はないし、むしろ長期的に観たら経済に与える効果はプラスであると考えております。
 また産業界に与える影響ということでは、まして現在のように原油価格が高騰しているようなときでございますから、充分に考えなければいけないことは承知しております。
具体的には、たとえば環境税の仕組みの中で、さまざまな産業界、特に国際競争力に対する配慮等は必要であると思いますから、エネルギー多消費産業に関する配慮とか、あるいは一生懸命努力している産業に対する配慮とか、そういうものをなんとかその仕組みの中で位置づける必要があると、そのように考えております。

坂井議員

 この、今のお話を聞いておりますと、経済にはほとんど悪影響がないと、0.01%の低下下げる力しかないということでありますし、全体としてプラスになる可能性もあるというお話でありますが、しかしではなぜ昨年の段階で、またこれからも可能性があると思いますけれども、この特に経済団体が反対をされるのか。
 要は、なぜ反対をされるのか、そしてまた納得していただくことをしていかなければ当然環境税が現状として実際に施行されるまでにはなかなか行かないと思うんですけれども、この点についてなぜ、それでは反対をまだ続けているのか、この点の認識についてお聞きをしたいと思います。

田村局長

 賛成論反対論さまざまな中で結局昨年は導入に至らなかったというのが率直なところでございますが、産業界の反対の方が、いろいろそれは考え方によっては賛成の方もいらっしゃると思いますがそれは全体として反対になった理由は、一つは実際の負担増と今の国際競争力等に与える影響が産業界にとって耐えられない負担であるというそういう負担論が一つ、もう一つは環境税という手法の、今の地球温暖化対策に対する効果についての疑問というようなこと、負担・効果、ここらへんの議論だと思います。
 私どもはいずれも、それは、今経済に対する影響は申し上げました。基本的にはやがては中長期的にプラスになると思うし、まさに先生がおっしゃったように、環境という要素を経済に内部化していく、そして環境と経済の統合というものを作っていくためにも環境税というのは必要なものだと思っていますし、また負担という面においても、制度設計においてもさまざまな手段を講じることによってヨーロッパ等において実際に行われている環境税につきましてもさまざまな産業界に対する配慮がその中に入っております。

 そのようなことも充分参考にしながら、そういうような制度設計をしていきたいと思いますし、またこれからもなにぶんこれ税でございますから、国民そして事業者の協力を得ないとできるものではございませんので、粘り強く話し合いを続けて行きたいと思っておりますし、またそのような方々のさまざまな反論等も生かしてその中に入れてまいりたいとそのように思っております。

(後日記:
財界は相変わらずの反対の公式見解を崩していません。
日本経団連コメント
経済同友会コメント)


(政治的意思はありや)
坂井議員

 しっかりと、環境税、これに関しましての必要性、またその効果等々をしっかりと広報し、また多くの方にご理解いただかなければ、難しいと思いますので、その点、お願いをしたいと思いますけれども、最後にこの環境税の取り組みについて小池大臣にその展望や意気込みについてお聞きしたい。

小池環境大臣

 今年も10月半ばになりましたけれども、環境の観点から今年のこの時点で振り返ってみると、まあ夏のクールビズもあったかと思いますけれども、なによりも、地球的に大きなトピックスは、今年の2月に京都議定書が発効したということであります。
それを受けまして、この目標達成計画、政府としてどうやっていくのかということで計画をこの4月に立てたところであります。いずれにいたしましても第一約束期間の間に、マイナス6%、90年と比べてマイナス6%の排出減、排出の削減ということを達成していかなければならないというわが国の責務があるわけでございます。
 そういった観点からもこの、確実な約束の達成ということで実施をするためにも、環境税は必要であると、このように考えているところでございます。
 経済界が反対というのは、まあ経済界がすぐに賛成するような税はそれこそ意味がないのではないかという風に思いますけれども、いずれにいたしましても、今制度設計の最中でございます。
既存の税、それから既存の財源との関係ということにも、しっかりと留意をしながらこの制度設計をしていきたいとこのように思っているところでございますし、なによりも新しい税であるかぎりは、産業界もそうですけれども国民の皆様方にもしっかりと伝わる、そういったお訴えもこれからもしていきたいとこのように考えているところでございます。

坂井議員

 環境税が、本当にこれ効果があって意味があるものであれば、これ、さきほども申し上げましたように経済の内部化という問題に関しましても私は大変意味があるものだと思います。
意味がなければ、それこそ意味がありませんけれども、これがしっかりと効果をあらわす、しっかりとした税を制度設計していただきまして、そしてまた検討をいただきたいと思います。私の質問はこれで終わります、ありがとうございました。

(民主党の長浜議員も質問で触れましたが、基本的に上のやりとりの枠の中であったかと。)
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 政府側に結局のところ体をかわされているような気がします。
 これこそ小泉郵政改革のパターンである、トップダウンでやるぞと旗を振って進めると決まってから、中身についての一般の関心が高まるという順でしか論議を喚起できないでしょう。


posted by おぐおぐ at 15:50| 炭素税/環境税 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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