2005年10月04日

アメリカの自動車業界も様変わりin N.Y. Times

 ハリケーン・カトリーナとリタの後の石油の供給不安と価格高騰をうけて、長年の石油産業の友人であるGlobal Warming (George W.) Bush大統領もさすがに自動車に乗るのを控えてガソリンを節約するようテレビで呼びかけました。
京都議定書に反対と明言した4年前にはチェイニー副大統領が「節約は個人的な美徳ではあっても、政府が呼びかけるようなものではない」と言っていたことからすると様変わりです。

 今日は米国の自動車業界の異変、いわば緩やかな第三次石油ショック、について以下の記事より紹介します。

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ニューヨークタイムズ「大型SUVの販売ダウン、ガソリン価格が足を引っ張る」
Big S.U.V.'s Lag in Sales, Hindered by Gas Cost
By DANNY HAKIM
Published: October 4, 2005 9月の大型SUVの販売台数は年初比で43%減、とはWard's AutoInfoBankの弁。特にトラックベースのSUVに売り上げを頼ってきたGMとフォードには打撃で、それぞれ年初比で20%以上、総売上が減少している。
 日本メーカーは乗用車とクロスオーバー車(より小型のSUV)が好調で、トヨタホンダ日産とも10%以上販売増。全メーカーの販売高は7.9%減で自社従業員向けリベートの切れ目の時期でもあり減少している。(とはいえ、年率換算1630万台という膨大な販売量ではあります。)
 4週間続けてガソリンの消費量は低下し続けており、(ガス喰い車/Gas Guzzlerとは書いてありませんが)最悪の燃費のモデルを売るには悪い時期だとメーカーも分かっているとしています。(注:日本語では低燃費車=エネルギー効率の高い車、ですので最低→最悪としておきます。)
 この販売統計の発表を受けてスタンダード&プア(S&P)社は、GMとフォード社の企業格付けを更にジャンク債クラスにまで下がる要注意銘柄としました。

  個別の車種で見ていきます。
 フォードのExplorer/ Expedition/ Lincoln Navigatorは販売が50%減。
 最大型車のExcursionは生産終了へ。
 GMのChevrolet/ Suburban/ Tahoeは50%以上の減、Hummer H2は32%減。
 GMCのYukon46%減、Cadillac Escalade23%減、…
 トヨタのLand Cruiserは50%減、その一方でプリウスは90%増。
 日産のArmadaは21%減。
 
「3年前には燃費のことを気にする消費者は居なかった」とはディーラーの弁。「いまじゃあ、特に中産階級のファミリー客が最初に聞くのがそのことさ。」
 メーカーは次期車の販売ラインナップでも、高いガソリン価格に対するリスクヘッジを考えるようになった。

 高いガソリン価格が消費者の考えだけでなく”購買行動に影響を与え”始めているとのアンケート調査も8月に出ている。9月の調査では、50代以上の47%が旅行や休暇を控え、39%は家族や友人の訪問も減らしたという。13%は食費まで節約するようになった。
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 短期的には効かない話でしょうが、ハリケーンでの緊急避難で現れたアメリカの大都市の問題点、つまり自動車を持てない貧困家庭が使える大量輸送機関がないことと、みんながラッシュすると高速道路も渋滞で動けないという教訓を得た以上は、都市計画そのものを自動車を基盤としないものに見直すということが必要な大きな一歩だと思います。
 ニューオーリンズを再建してもいいものか、海岸からは人間が撤退すべきではないかという話も議題に上がってきていることも次に紹介を。

後日記:
ブログ「サイクルロード 〜千里の自転車道も一ブログから〜」より「原油高による少ないメリット」
 自動車の代わりに自転車が良く売れているそうです。面白い。

・速報:米S&P、GMを2段階格下げという記事が12月13日付けでありました。


posted by おぐおぐ at 15:35| 交通政策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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