2005年07月25日

温暖化を描いた映画「デイアフタートゥモロー」

デイ・アフター・トゥモロー

 このアメリカのSF映画は昨年6月5日の環境デーに封切りになり、環境省も今年のクールビズのように昨年は温暖化問題の宣伝材料として後押しをしていましたがあまり話題にはならなかったようです、その時も一応見ましたがはっきり言ってB級娯楽作品なんでしょう。

それでもDVDを買うのなら、メイキングビデオなどを収録した二枚組みのDVDがお勧めです。米国の環境NGOや科学者たちから米国民に向けた、温暖化の危機を訴えるメッセージ「サイエンス・オブ・トゥモロー」が入っています。おまけで(グリコかい)環境の主張のビデオを発信する手法には驚かされます。

あらすじ・過去数十年前の氷河期の気象モデルを研究していたNOAAに勤める気象学者の主人公が、南極のラーセンB棚氷の大規模な崩壊により、淡水が大量に海水に溶け込み、地球全体を回っている深層海洋大循環のポンプが停止し、結果として急激な氷河期が起こるという仮説を主張して、米国副大統領と対立する。

・その後、実際に大西洋沖深層の潮流温の急激な低下が発見され、3大陸に超大低気圧が3つ出現して各地に異常気象を引き起こすが、その潮流温の数値を使って氷河期の気象再現モデル予測を行うと、それまで考えられていた数十年ではなくわずか数週間で全世界が氷河期に移行すると分かり、大統領の顧問団として、ある緯度以下の住民の南への総避難を勧告してまた対立する(その北側の避難はすでに時遅しなので屋内避難で10日間を切り抜けるよう求める)

・…などの状況の中、仕事を放り出して、ワシントンDCからNYまで、クイズ大会に出かけたわが子を救いに厳冬期の装備で北に向かう。

・息子の方は公立図書館に避難してから親父殿の忠告を守って、そこから脱出せず、図書館の本を燃やして暖を取ったところで、ガールフレンドとのラブストーリーあり、オオカミとの対決あり、オヤジとの感動の再開シーンがあり、救出劇がハッピーエンドとして捉えられる、が、地球は氷河期に入る。

−−−−
というものです。
いかにもバタ臭い、米国流のストーリー展開ではありました。

 科学的な裏づけのある話かどうか、というと、いろいろつっこみどころ満載の表現で、スーパーフリーズの巨大さも眉唾もの、北極側のシベリア低気圧団の側から台風のような巨大な規模の渦を作ることもありそうにないわけです。
 また、海洋大循環の停止については、ラーセンB程度の”小さな”棚氷が何個完全に溶けても大して塩分濃度が変わるわけではない(それに溶けるのには長い時間が掛かりますし)と規模の違いを混同した表現です。

 そのあたりはもともとSF映画であって現実の温暖化の科学と部分的に違うことは前提としてもらわないといけないわけですが。
環境NGOのホームページの中で、デイアフタートゥモローで出てきたこれこれの事象は、実際には科学ではこうなんだよ、という解説のページが作られていました。

 国際交渉のシーンでは、南北間の対立の中でいかに北の国々が独善的な態度を振りまわして、それがしぶしぶ受け入れられているかというところだとか、そのチェイニー副大統領のそっくりさんが避難先のメキシコの米国大使館の中で、前大統領の遭難により繰上げ大統領になってから自らの過ちを謝罪し、環境難民を受け入れてくれた南の国々に感謝する、という下りがあり、ブッシュ政権への批判になっていて溜飲が下がりましたが、このあたりも勧善懲悪のできのわるい劇という指摘もありうるでしょう。

 それでも温暖化によって起こる異常気象にはどんなことがありうるか、そして気象大災害がどんな規模の問題か、を伝える上で、映画という手法はこれまでになく大勢の聴衆の感情に訴えることができ記憶に残りますし、DVD化されてもまたテレビ放映されても多くの子供たちにこの問題の重大性を伝えることになるでしょう。

後日記:
「"The Day After Tommorrow"を科学的な目で見る」という国環研ニュースの記事がよく解説していると思います。


posted by おぐおぐ at 01:26| 気候カタストロフィ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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