2009年02月15日

アル・ゴアの上院外交委員会公聴会発言原稿

 資料として、アル・ゴアの上院外交委員会公聴会発言原稿を仮訳したものをおいておきます。

 元ネタはこちら。「最強のロビイスト、アル・ゴアによる米上院での証言」

Statement to the Senate Foreign Relations Committee
As Prepared
Hon. Al Gore
Wednesday, January 28, 2009

−−−
 今日ここに集まったのは、私たちアメリカ人とグローバル共同体の一員としての米国が、危険で成長しつつある気候の危機という脅威にどのように対処するかについて話すためです。

 私たちは決定すべき瞬間にいます。私たちのふるさと、地球が重大な危機にあるのです。もちろん破壊されるリスクがあるのは惑星そのものではないのですが、地球が人類を住みやすくしているその環境がリスクにさらされているのです。

 さらに、私たちはわれわれの文明そのものの存在へのかつてない、そして緊急な脅威に立ち向かわなければならないのですが、それはわが国が同時に二つの悪化しつつある危機を解決しなければならないちょうどその時なのです。

 私たちの経済は1930年代以降最も深刻な不況下にあり、邪悪なテロリストのネットワークからのおよび、イラク戦争の名誉ある終結を図る一方でアフガニスタンでの軍事的政治的闘争を勝ち取るという、複雑な挑戦によって、国家の安全保障もまた危機に瀕しています。

この3つの挑戦すべての解決策を探すにあたり、それらは一つの共通の糸で繋がっていることがだんだん明らかとなってきました。つまり、炭素系の燃料に対してわれわれが危険なほどに依存しているという事実です。

 私たちが来る年も来る年も外国産の石油の対価として世界で最も危険で不安定な国々に数十億ドルも支払い続ける限り、私たちの国家の安全保障はリスクを負い続けるでしょう。
 私たちが経済を上げ下げするOPECの原油価格のローラーコースターに束縛されるのを許し続ける限り、雇用と生活スタイルもリスクにさらされ続けるでしょう。
 さらに、世界的な石油の需要が長期間にわたって急激に増加する一方で、油田の新規発見率は低下しているからには、ますますこのローラーコースターは激突へと向かっており、私たちはその先頭車両に乗っているのです。
 より重要なことには、私たちがエネルギー需要を満たすために石油や石炭のような汚染する化石燃料に頼り続け、地球を取り囲む薄い大気の層に70億トン(注:7千万トンは誤記でしょう)もの温室効果汚染物質を捨て続けている限り、私たちは科学者が(ちょうど昨日も)繰り返し警告しているティッピンクポイントのいくつかにますます近づいていき、人類が文明を築くことを可能にしてきた環境を不可逆的に破壊することを避けることが不可能になるのです。

 私たちは中国から借りたお金でペルシャ湾岸から石油を買ってこの星を破壊するやり方で燃やしているのです。このすべてが変わらなければなりません。
 何年もの間、大きくなりつつある気候の危機に対処するための努力は、私たちはこの星かそれとも私たちのライフスタイルかを、道徳的な義務か経済的な福祉か、を選ばなければならないという概念によって妨げられてきました。
 これは間違った選択肢です。実際には、気候の危機の解決策は、私たちの経済と国家安全保障の危機を同時に解決するものなのです。

 私たちの経済に力を与えるために、世界の中でのアメリカの経済的道徳的なリーダーシップを復活させるために、そしてわれわれの運命の支配権を握り返すために、私たちは大胆な行動を今とらなければなりません。

 第一ステップはすでに私たちの前にあります。この議会が、速やかにオバマ大統領の経済回復パッケージ全体を通過させることを強く求めます。 この計画ではかつてなくまた重大な投資が、エネルギー効率、再生可能エネルギー、統一された全国電力網、そしてクリーン自動車への転換の4つの分野に向けられますが、これは重要な支払いであり永らく遅れてきたものです。
 これらの重大な投資は、国家安全保障を強化し気候の危機を解決し始める一方で、数百万の新規雇用と経済の回復を支えるでしょう。

 すばやくクリーン電力の発電所を建設することは、必要とされる次の大きなステップ、炭素に価格をつけることのための基盤作りとなります。
 議会がただちにオバマ大統領の回復パッケージを通過させる行動を取り、その次に今年、多くの州や他の国々がすでに導入しているCO2のキャップ&トレード排出権取引システムを立ち上げるための決断を行うならば、米国はその信頼を回復し、公平で効果的な条約を作るうえでの世界を指導する権威を新たに獲得し、コペンハーゲンの条約交渉に入ることができるでしょう。そしてこの条約は今年交渉しなければならないのです。
 来年ではなく、今年です。

 公平で効果的でバランスの取れた条約は、世界を長い間、気候の危機を解決し人類の文明の未来を保障するための路に留めることができるグローバルな構造を組み込んでいるでしょう。
 私はこのことが達成される期待を抱いています。みなさんにその希望と楽観主義の根拠をお示ししましょう。

 オバマ政権はすでに長年のだんまりをやめ、条約でのグローバルな場で米国のリーダーシップを回復させるという強い意志を表明しました。
 これはコペンハーゲンでの成功にとって危機的に重要であり、明らかに政権の一番の優先課題です。

 かつて、気候の危機に対するグローバルな対応の第一段階で参加することを躊躇した発展途上国は現在、彼ら自身が行動を要求し自らのイニシアティブに大胆な歩みを見せています。ブラジルは自国での破壊的な森林減少を停止する印象的な新提案を行いました。インドネシアは交渉で新たな建設的な立場を取っています。そして中国の指導者たちは行動の必要性を強く理解し、すでに新たな重要なイニシアティブを始めました。

 世界中の国々の首脳は個人的にこの問題に取り組むと約束しはじめ、先端的な企業のリーダーもこれを最優先課題とし始めました。
 ますます多くのアメリカ人が科学者たちからの新たな証拠と新鮮な警告に耳を傾けています。
 1992年に父親の代のブッシュ大統領が交渉し上院が気候変動枠組み条約を批准した時よりもはるかに幅広く、行動の必要性についてのコンセンサスはできており、1997年に京都議定書を結んだときよりも、はるかに行動への支持は強くなっています。

 私がコペンハーゲン合意が成功するための鍵となると信じている要素は以下のものです。

・全世界を気候の危機の原因となるCO2他の温室効果汚染物質の排出削減のための一つの公約のシステムにするための、工業国についての大幅な目標と期限、そして途上国からの差異はあるものの、法的拘束力を持つ公約。

・単独で地球温暖化の排出原因の20%をも占める、森林減少を含めること。

・適切な手法と会計により主に農耕地や牧草地に関しての土壌の吸収を算入すること。米国や世界中の農家や牧畜業者は解決のために自分が何ができるのかを知る必要がある。

・発展途上国が気候の危機による最悪の影響に適応するのを助けるための、メカニズムと資源および問題解決のための技術へのアクセスを保障すること。

・強力な遵守と検証のレジーム。

 コペンハーゲンに至る道のりは険しいものの、これはかつてもなぞった路です。私たちはオゾン層を保護するためのモントリオール議定書を交渉したあとで、南極大陸のオゾンホールを作り出した主要な化学物質の大半を禁止するところまでその議定書を強化しました。
 そしてそれは超党派の支持で行われました。ロナルド・レーガン大統領と(民主党の)ティップ・オニール下院議長が共同してその路を開いたのです。

 なぜこれらすべてを来年のうちにしなければならないかについてもう少し詳しく述べさせていただき、そして議長が許可いただければ、今年大胆ですばやい行動を行うことのかつてない必要性を示したグラフと図を少しお示ししたいと思います。



 議長、ありがとうございました。委員会のみなさんからのどんな質問にも答えたいと思います。

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posted by おぐおぐ at 07:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 温暖化の政治・動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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