2008年03月31日

暫定税率期限切れの前夜に−炭素税研究会のプレスリリース

 メーリングリストに流れていたのを転載しておきます。

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【プレスリリース】
                      2008年3月31日
                      炭素税研究会

「ガソリン・軽油等の税率維持&一般財源化を!」
「地球温暖化防止の観点から、暫定税率廃止ではなく、税率強化を」

 「ガソリン国会」の議論を通じ、道路特定財源の無駄とともに、道路建設及びガソリン税等の暫定税率廃止による地球温暖化への悪影響が議論されるようになってきた。明日からガソリン・軽油等の税率が下がるのを目前に、道路特定財源の課税と使途に関し、炭素税研究会の見解を以下に示す。

(1)ガソリン・軽油等の税率は維持すべきである。税率を引き下げることは地球温暖化防止の観点から問題である。

(2)道路特定財源は一般財源化すべきである。巨額の財源を、クルマを有利にする道路整備関連にのみ使うのは問題である。

(3)2009年度から炭素税(環境税)を導入すること。CO2削減のためにガソリン・軽油等の化石燃料価格を上昇させることを求める。

趣旨
・日本の2006年度の温室効果ガス排出量は基準年(1990年)比6.4%(速報値)も増加、政策強化が進まない一方で、温暖化防止に逆行する政策が提案されている。

・政府与党は、税率維持の主張は理にかなっているが、自動車輸送量を増やしかねない道路建設に固執してきたことは、地球温暖化防止に逆行し、問題が大きい。福田首相が2009年度からの一般財源化を表明したのを受け、同年度からの全額一般財源化を確実に実施すべきである。

・民主党案は、@無駄な道路予算の削減、Aガソリン税を含む道路特定財源諸税抜本改革など、理にかなっている面もあるが、暫定税率廃止でガソリン・軽油等の税率を引き下げる事で、地球温暖化防止に逆行し、問題が大きい。

・ガソリン・軽油等の税率を維持したまま道路特定財源は廃止して一般財源化し、その後すみやかにそれに上乗せする形で炭素税(環境税)を導入すべきである。

*私たち炭素税研究会は、炭素税/環境税の制度設計に関する制度案を提示している。
http://www.jacses.org/paco/carbon/carbontax_ver6.pdfを参照ください。
**参考として、EUのCOMETR研究は「環境税制改革」の経済浮揚効果を実証している。

【炭素税研究会】
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、気候ネットワーク、グリーン・フォワード、WWFジャパン等のNGOメンバー、研究者、税理士、企業人等で構成。地球温暖化に対処する炭素税の早期導入に向け、研究・提言活動を行う。

【本件に関するお問い合わせ先】
 「環境・持続社会」研究センター(JACSES) 担当:足立治郎 TEL:03-3556-7323 E-mail: adachiアットマークjacses.org URL:www.jacses.org
 気候ネットワーク 担当:畑直之 TEL:03-3263-9210 E-mail: tokyoアットマークkikonet.org URL:www.kikonet.org
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posted by おぐおぐ at 17:30 | TrackBack(0) | 炭素税/環境税 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月30日

日本政府の試算は59兆円も丼勘定

 頭がクラクラしてきました。

どうしてテレビ局はどこも、この問題を報道していないんだろう。

 政府予算がこういう丼勘定であるなら、温暖化対策の積み上げなんぞ、なんの意味もないでしょう。言いたかないけど経済産業省の52兆円という取らぬ狸の皮算用は、国土交通省のこういう予算消化方式を見習っての試算であると言わざるを得ません。


 民主党の岡田克也議員の2月28日の衆議院予算委員会質疑より。

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○岡田委員 もう時間も余りありません。中期計画の補足資料をやろうと思ったんですが、時間がないので一つだけお聞きしたいと思います。
 この基幹ネットワークの整備、五十九兆円ベースで二十二兆円について、私はその内訳、根拠を問うたわけですけれども、結局返ってきたのは、十九年度の実績値を十倍して、それにコスト縮減分を減額して算定しているというのがこの資料の説明なんですね。つまり、内訳があるんじゃなくて、十九年度予算を単に十倍しただけだ、そして一定の削減をかけたと。これでは内訳を示したことにならないんですね。六十五兆を五十九兆にして六兆円減らしたことの、そのうちの基幹ネットワークの整備についての減額の理由というのは。結局、具体的な積み上げがあるんじゃなくて、単に十九年度掛ける十、こういう計算でそもそも基幹ネットワークのところをはじいていたということが、今回、明示的には初めて明らかになったんですが、ということは、やはり五十九兆も六十五兆もそういう形で計算しているということですか。具体的な内訳はないということですか。続きを読む
posted by おぐおぐ at 15:49 | TrackBack(0) | 交通政策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月26日

ブラックカーボンの温室効果のレビュー

 IPCCの第4次報告書の中でも、いまだに評価の精度が低いとされているエーロゾル、微粒子の温暖化/寒冷化影響のうち、硫酸エーロゾルの寒冷化効果はよく知られているかと思います。

 今回、温暖化の影響を持つブラックカーボンについてのレビューが出たことで、いくつかの欧米でのマスコミ報道が出てきているようです。
 IPCCの第4次報告での評価に比べて、数倍の上方修正になるということで、より対策が急務であるという指摘になっているようです。

ネイチャーのブログより
Carbon dioxide - not the only culprit
http://blogs.nature.com/climatefeedback/2008/03/carbon_dioxide_not_the_only_cu.html

 Nature GeoScienceの記事はこちら。
http://www.nature.com/ngeo/journal/vaop/ncurrent/full/ngeo156.html#a1


 エーロゾル関係の研究会を2回くらい覗いたことがこれまでありますが、全体像はまだまだつかめないというような評価だったかと思います、今回のレビューをちゃんと読みこなさないといけないでしょう。続きを読む
posted by おぐおぐ at 08:50 | TrackBack(0) | 温暖化の科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月23日

京都議定書を2012年で終りにしたいのか?

 言葉狩りと思われると心外なのですが、案外本質をついた議論であるような気もしますので、再掲しておきます。

 気候ネットワーク代表浅岡氏の国会での参考人質疑より
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 (京都議定書を2012年で終りにしたいのか?)

 こうした議論を含めまして、福田首相の提案でもそうでありますが、ダボスの会議でも「ポスト京都」の枠組のために、と首相はおっしゃっておられます。
 これ、もし京都議定書はもうなくてよいという主張であるとすれば、日本は大変大きな外交的な失策をすることになる、失うものがたいへん大きいと思います。

 しかしながら新聞報道でも2012年で京都議定書は終わるのだ、と政府もしばしば京都議定書以降の枠組、とこういう表現をされます。
 安易に使われているところもありますが、よく考えてお使いの方もいらっしゃいます。京都議定書は2012年で終りにしたいのだ、ということがあるからであります。

 しかし、京都議定書の、先進国の国別目標を割り振りまして、それを法的拘束力のある目標としてしっかり守っていく仕組み、それを取引、京都メカニズムなどでカバーしていく仕組み、その他、CDMなども使いまして途上国もサポートしていこうと、こうした京都議定書の枠組みは今後も大きく変わることはないと私は思います。

 そのことは京都議定書の中に予定をされておりまして、2012年の7年前には、遅くとも次の2013年以降の第二約束期間の交渉を開始しなければならないということがありまして、その条項に基づきまして京都議定書のAWGはすでにモントリオールで開始をしております。
その合意がバリであったわけであります。これが大きく変わることは、私はないと思います。
 しかし、日本がこのように不平等条約であると言ったりですね、日本にとって不利であるとか、欠陥であると声を大きくして言っておりますと、2009年に合意をしなければなりません。しなければ地球に対してほんとにこの温暖化から将来世代に対して守っていくことはできないわけですけれども。
 それは途上国にとっても深刻な課題でありますが、そこで出来上がる仕組みの中に、京都議定書という名がなくなってしまいます。すべてを包括しコペンハーゲン議定書となってしまいます。
それで日本は本当にいいんでしょうか、ということを申し上げたいと思います。

 議員の先生方には、決してポスト京都議定書とは言わない、ヨーロッパの国々もポスト2012と申します。ビヨンド2012とは申します。しかしこれは京都議定書の第二約束期間であります。強く強くそのことをお願いしたいと思います。
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 ということで今後、ここと姉妹ブログでは「ポスト2012」という用語で統一できるところはそうしたいと思います。

追記:
 Climate Expertの松尾直樹氏のHPでも同趣旨の記事がありました。
「COP 13/CMP 3の結果をどう読むべきか?」
http://www.climate-experts.info/CO2_Seminar_2008.01.html
”[「ポスト京都」という言葉が,海外で使われているということはありません.日本で「だけ」使われているといえるでしょう.京都議定書は,2013年以降も継続されることは,京都議定書の条文を読んでも,現在動いているAWGの交渉プロセスをみても,「明らか」です.「日本は京都議定書を葬り去ろうとしている」として,日本がFossil of the Dayの汚名をトップ3独占した日があったことは,日本国内でも報道されていたようですが,そのあたりにも原因があるかもしれません.勉強不足でその表現を用いるならそれはそれで問題ですし,「意図を持って」使っているなら,さらに問題ですね.]”
posted by おぐおぐ at 22:02 | TrackBack(1) | 温暖化の政治学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

もう一つの排出権取引システム−TEQ

もう一つの排出権取引システム−TEQ。
Tradable Energy Quota(TEQ)については、
http://www.teqs.net/
に詳しく書かれています。

ブログ:経済ニュースゼミ の中でも紹介をしていただいています。
気候変動への対応
http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/archives/50559515.html

 ここでは取引可能エネルギー割当てと訳しています。


ジョージ・モンビオの本「地球を冷ませ!」
http://sgw1.seesaa.net/article/127880522.html
の中でもTEQを紹介していますので、以下に引用しておきます。

P.102 
第3章 「炭素排出」という自由の配給
−−−続きを読む
posted by おぐおぐ at 20:14 | TrackBack(0) | 排出枠/排出権取引 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

本日の甘利経済産業大臣発言録・温暖化編発言録その4

甘利経済産業大臣の閣議後大臣記者会見の概要
http://www.meti.go.jp/speeches/index.html
 から、最近の発言を逆順に掲載しておきます。

●平成20年3月21日(金)
9:50〜10:15
於:記者会見室
【地球温暖化対策】



Q: 先般、長期エネルギー需給見通しが需給部会で了承されましたが、2020年度の温室効果ガスを90年比で4%、05年比で11%という最大ケースでの試算なのですけれども、この数字をどのように評価なさいますでしょうか。



A: エネルギー起源のCO2排出量見通しというのは総合エネ調の需給部会がいろいろなケースで需給状況を見通すわけです。極めて冷静に3つのケースを想定したということです。現状固定ケースというのは新しい技術は何も入れないという、現状のまま推移するというケースです。努力継続ケースというのは家電、自動車の、トップランナーを引き続き進めていくとどうなるか、あるいは住宅の基準を入れるとどうなるか、というのが真ん中の努力継続ケースです。最大導入ケースというのはあらゆる技術、法制度の整備、改正、グリーンIT等あらゆる分野に対してすべての技術を投入した場合のケースです。我々は最大導入ケースに向けて進んでいかなければならないと思いますし、最大導入ケースで言いますと、2005年基準でマイナス11%、EUは2005年基準でマイナス14%と言っています。我々がこれに森林吸収、これが現状で3.8%ですが、2005年度に向けて分母が広がっていくのを考えると3.2%位になるはずですが、これを入れると14%以上になりますので、EUの掲げている目標と同じということになるわけであります。従って、かなり立派な数字だとは思います。なお、EU自身がG20の後の月曜日の高級事務レベル日・EU協議の中で基準年については1990年が聖域ではないと。新しい域内指令というのは2005年を基準としているのだということもEUがおっしゃっていますから、日本が今日まで全員参加と、そのためにはまず公平・公正な基準が必要だと、そういう意味でトップランナーというのは公平・公正、つまりベンチマークに基づいて行うものですから、進捗状況のいかんにかかわらず公正・公平な基準であるということ。基準年について、各国の努力が反映されたものを基準年とすべきということを言ってきましたが、その2点について、ようやくEU側の委員から前向きな評価を得つつあると、高級事務レベル協議では向こう側から域内指令は2005年に基づいたものですよという発言もありましたし、セクトラルアプローチについては貢献し得るアプローチだという評価もようやく出てきましたので、我々の努力は実を結びつつあるというように思っています。そういう意味で2005年基準にすると最大導入ケースというのはちょうどEUと同じ数字になるということであります。

つづく続きを読む
posted by おぐおぐ at 10:26 | TrackBack(0) | 温暖化の政治・動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月21日

経産省手抜き試算でG8サミットの足を引っ張る

日経:温暖化ガス排出量、省エネ進めば20年度に11%減・05年度比
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080319AT3S1802218032008.html

 かつて経済産業省さんは、1994年頃には2000年までに90年比0%削減すると公約しておりました。(できなければCCSを実用化してでも達成する、と啖呵を切っていた兄ちゃんもいました)
 京都議定書の中97年には、2010年頃の5年間平均で毎年、90年比6%削減と公約しておりました。
なのに、90年比8%くらい拡大している05年基準で11%削減し、 2020年になってようやく90年比では4%削減できます、という数字を、努力すればここまで可能です、と出しててよいのでしょうか。
 対策の中身が高価なものばかりならべていること、原発増設で対応するという、できもしない##の一つ覚えがまだ残っていることには反対ですがそれはさておき。


●費用について

”排出量を減らすために企業や家計が払うコストは08―20年度の累計で52兆円にのぼる。”
と書いていますね。だから大変なんだよーと言いたいのでしょう。

ロイター通信:Japan can cut emissions 11 pct by 2020-Trade Min
http://www.reuters.com/article/latestCrisis/idUSL19673300

ウォールストリートジャーナルにも記事が出ています。
In Kyoto’s Home, Japan Tallies the Costs
http://blogs.wsj.com/environmentalcapital/2008/03/19/in-kyotos-home-japan-tallies-the-costs/?mod=googlenews_wsj

 特筆すべきことはWSJの記事の中で引用されているロイター電にしても、削減できるコストは含まれていないことをきちんと指摘していることですね。
"Granted, the study didn’t try to account for possible cost savings from greater efficiency, and based its estimates on present technology"

 一般に、省エネばかりではなく代替エネルギーにしても費用対効果評価で重要なのは、化石燃料の消費を回避することで浮いた費用で初期投資に使った費用を早期に回収することができる点です。
 その規模をざっと試算してみましょう。続きを読む
posted by おぐおぐ at 05:50 | TrackBack(0) | 温暖化の政治・動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月15日

ニュース短信その13

 この短信の表題一覧。

・2/22WWFインターナショナル 気候変動問題で、日本にリーダーシップを求める
・2/25京都府地球温暖化防止活動推進センター発行の「見直そう太陽熱利用」
・2/26参議院特別委で産業界へのヒアリング
・2/26温故知新−古きを尋ねて新しきを知る
・2/27参議院行政監視委員会、調査会でもヒアリング
・2/27環境省によるIPCCAR4SYRのプレゼン資料
・2/27-29第1回国際太陽電池展PVEXPO2008
・3/1京都議定書目標達成計画(改定案)のパブコメ開始
・3/8ワシントン国際再生可能エネルギー会議での発言
・3/10各種の石炭ピーク研究とその温暖化対策への含意
・3/13日本政府、提案を国連に提出
・3/15EU首脳会議、EUのの包括提案を承認
・3/15英国のブレア前首相、G20国際会議に参加
・3/15幕張G20会合3/14-16/セクター別アプローチについての疑問
 ニュース短信その14 に続く

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幕張G20会合3/14-16/セクター別アプローチについての疑問
 という記事を姉妹ブログ『京都議定書の次のステップは何だろう』に掲載しました。

●英国のブレア前首相、G20国際会議に参加
 昨夜のTBSのニュース23でやっていました。月曜にはブレア氏をスタジオに招いて「地球破壊その4」として話を聞く番組を放送するということです。

×「京都議定書」以降の枠組 ⇒ ○京都議定書の第二約束期間以降の枠組
でっせ、TBSさん。
http://tonyblairoffice.org/によると、Climate Groupが始めた‘Breaking The Climate Deadlock’イニシアティブの一環として、1週間ほど日本、インド、中国を飛び回って政財界の要人と会合を持ち、ポスト2012の枠組みを提案するということのようです。
</param></param>

●EU首脳会議、EUの温暖化対策包括提案を承認
 1月23日に欧州委員会提案として出されていたものを、欧州理事会で承認したということです。2020年に90年比20%以上(他の先進国も合意すれば30%まで)削減目標が主な論点であったでしょうか。
EUobserver.com:Brussels to grant some concessions to industry in environment proposals
http://euobserver.com/9/25839

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posted by おぐおぐ at 15:55 | TrackBack(0) | ニュース短信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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